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第二話 繚乱

  よくじいちゃんが言っていた。


 ーー怪異は人の感情、思い、その他諸々に感化されて強くなる


 【月の怪異】が支配するこの、"月光帝国"で【月の分体】と戦うということは、そこら辺の【怪異】と戦うのと意味が違う。


 でも、今の俺は【人の怪異】にして、【花の怪人】。


 「今の俺は最強だ。」『私もだ!』


 心の中から彩花の声が外に響いた。


 さて、彩花の記憶を見せてもらおうか。


 ーーなるほど…何千年分の記憶だ?これ…


 ーーよく正気を保っていられるなこの人


 「それはそれとして…この力の使い方、よーくわかった。」

 

 空に手を翳す。


 「来い!万花万雷の太刀(ばんかばんらいのたち)

 

 しかし、太刀は来なかった。


 「あれ?」


 その時、ボコボコと足元からなにかの音がした。


 ん?と思い下を見ると土が盛り上がり、


 「ぐへっ!」

 

 太刀の柄が俺の顎を強打した。


 「痛い…」


 すっと、座り、太刀を拾う。


 「さて、と。」


 太刀を抜く。

 

 桃色の刀身が怪しく光る。


 「行くぞ」『やったんぜ!』


 体の中で有り余っている力を足から出す。


 すると、辺りに花が生え、満ちる。


 「咲け…桜」

 

 メキメキと音を立てて、瞬く間に桜の木が生え、【月の分体】に巻きつく。


 「吸え」


 桜の木から枝が分かれ、【月】の身体にめり込む。


 あぁ!身体の中に【月】のエネルギーが入り込んでくる!!これは、いい!とてもいい!


 『え?こんな感じだったんだ…吸った力はハナに流れてたから知らなかった…』

 

 「"月鎌"」

 

 【月】の鎌を取り出す。


 『す…ご』


 刀と鎌を両手に…


 重い…


 ならば、黒いドロドロを使うまでだ!


 『え、それなに?』


 「"人の業"」


 尾骶骨付近から黒いドロドロを出し、鎌に纏わり付かせる。


 『【花】よ、覚悟しろ』


 【月の分体】が桜の木を切り刻み、鎌を持って迫る。

  

 「アマい」『わかりやすいね!』


 鎌を大きく振りかぶる【月】の腕を刀で斬り落とす。


 カラン、と音を立てて鎌と腕が落ちる。


 「"第三の手"」


 尾を振るように鎌を使い、【月】の身体を二つに斬る。


 「はい」『チェックメイト〜』


 『否』


 斬り落とされた【月】の腕が動き、鎌を振るう。


 「はっ!?」


 咄嗟に腕で守ってしまった。


 左腕が斬り落とされる。


 『終わりだ。』


 「さぁね」


 腕の切り口からドロドロが溢れ、腕を再構築し、瞬時に【月】の頭を掴む。


 『それで、どうするつもりだ?』


 【月】の腕が鎌を手放し、顔を掴む俺の手と、もう片方の手を掴む。


 「鎌、離してよかったの?」


 『…ふむ』


 斬り倒された俺の腕が蠢き、一直線に伸び、【月】の体を貫く。


 『なっ!?』


 【月】の手が一瞬緩む。


 「はい、どーん」


 【月】の腹部を蹴り、飛ばす。


 「言ったでしょ?」『チェックメイトだ!』


 月の鎌をいくつも取り出し、それに呼応した数の黒いドロドロ腕で握り、【月】を切り刻む。


 『なるほど…な』


 【月】は光の粒子となり、空に帰った。


 「よし、勝った」『ないす!』


 二人で心を合わせてガッツポーズをした。


 その時、背後から何人もの足音が聞こえた。


 「あ?」


 「世界の敵…か」「こんなところがあったなんて」「許せませんね」


 剣を携えた男、大剣を背負った男、火を纏った女が現れた。


 「…"帝国軍"」


 『え?なに?帝国軍?』


 「あぁ。しかも、目の前の三人は、最強の三人の怪人、【剣の怪人】【土の怪人】【火の怪人】だ。」

 

 『【火】?』


 「多分…違う。きっと…あぁ、いや、兎にも角にも、逃げるしかない。」


 あの三人はじいちゃんでも手こずるって言ってた。


 『そうだよ、そのじいちゃん!!』


 「後ですぐに合わせるから、とにかく、逃げるよ」


 足元から花を生やし、その勢いで空高く舞い上がり、黒いドロドロで羽を作って、滑空する。


 「逃がさない!」


 そう聞こえた瞬間、羽が斬られ、落ちる。


 「あーー!!!じいちゃぁーーーーん!!」


 「おうよ。」


 その時、戦闘機が俺の隣を横切った。


 『あー!!水越さん!!!』


 「え、聞いてなかったの?言ったじゃん、俺の名前は"水越サクラ"だって」


 ーーーーー


 気がつくと、家の中に居た。


 『あ!え!アルトライ!?』


 「え、そんな名前なの?ここ。」


 『そっか、水越さんと一緒に日本に落ちてたんだ。』

 

 「ここが、俺の家だ。」


 『ねぇ…サクラと水越さんの関係ってなに?』


 「孫と爺ちゃん」


 『うっそでしょ!?え!?お婆ちゃんは誰!?』

 

 「ーーいや、婆ちゃんは居ない。母さんも父さんも居ない。俺の家族は爺ちゃんと…


 家の、アルトライの扉を指差し言う。

 

 すると、扉が開き中からシップさんとクウさんが出てきた。


 「この、2人だけ。」


 『……そっか、2人も…』


 「久しぶりですね…彩花ちゃん」


 「歓迎するよ…これからの作戦には君が…君たちが必要なんだ。」


 二人が手を差し伸べる。


 そして、俺は、俺達はこの世界の現状を知った。


 これから始める救世の作戦を知った。


ご精読ありがとうございました。

誤字脱字などがあったら報告お願いします。


水越さんからしたら、孫として育ててきたサクラが怪人になったことは想定外だったんでしょうかね…


ということで、水越サクラの大雑把なプロフィールです


水越サクラ 年齢17歳

性別 不詳(多分ない)


11年前、◯◯の怪異による災害の後、水越争太に拾われた孤児。

その身体は【人の怪異】で構築されていて、彼はそれを黒いドロドロと呼称している。

黒いドロドロは硬さと体積を好きなように変質させられる。

ちなみに、本当に心というか、魂はしっかりと人間のモノである。

つまり異質。ウルトラ異質。

なんでそうなったのかは、説明が難しいからいつかまたどこかで。

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