仲間
水越争太に手を引かれ俺はどこかの山に連れてこられた。
ねえーーー!ここどこー?
『途中で飛んだな。これも戦争の力か?』
怖いわ。本当に怖くなったら焼こうかな。
『そのマインドが怖いぞ。』
てか、怪異がマインドなんて言葉使えるんだな。そもそも知ってんだ。
『契約したからな。お前の記憶を見た。』
わーお。はっず。
『彩花と忍との思い出しかないのが辛い。』
……しょうがないだろ
そうこう考えていると水越が立ち止まった。
「ここだ。」
そう指さした先には山の中で異様に目立つ純白の建物があった。
とにかくデケェ。これが舟であると事前に聞いていても信じらんない。
「おーい"シップ"!開けてー!」
水越が叫ぶと中から「はーい!」と元気な女の子の声が聞こえた。
すると扉が開き、中からセーラー服?を着た高校生くらいの女の子が現れた。
「水越さん!おかえりなさい!」
女の子はニコニコしながら敬礼をした。
あー、これ水兵服?そんな感じだな。きっと。
「ありがとなシップ。」
そして、水越が俺の背中を押してシップと呼ばれた女の子の前に出した。
「炎の怪異と契約した子。名前は…
「あ、それは俺から。」
「そ?」
「はじめまして、東雲優希です。よろしくお願いします」
そう言うとその子はパァっと明るい笑顔でもう一度敬礼をして名乗った。
「はい!はじめまして!船の怪異、シップです!よろしくお願いします!」
彩花みたいだ……あ、あれ、涙が
「え!?え!?ど、ど、どうしたんですか!?」
「うぇ!?優希!?どうしたの!?」
二人が狼狽える。
「ご、ごめんなさい…彩花が脳裏に」
そういうと水越とシップが俺の頭に手を当てて「大丈夫だよ、」と言ってくれた。
『覚悟を決めたんじゃないのか?』
そうだよ。ちょっと彩花が好きすぎて心に致命傷を負っただけだ。覚悟が揺らいだ覚えはないぞ。
「よしっ!すんませんした。案内お願いします!」
その言葉を聞いて水越とシップは笑顔で俺を舟の中に招き入れた。
ーー
舟の中はスッゲェ白くてス◯ー◯ォーズでみた宇宙船みたいだった。
「えっとですね、まず、管制室に案内します!そこにはクウと夢結さんがいますからね!」
シップがそう言って俺を大きな部屋?に連れてってくれた。
そこはアニメで見たことのある舟の運転席?があってスゲェカッケェ。
「彼が連絡の子?」
「水越…帰ってきたのか」
色素の薄いロング髪の女の人とシップみたいな服を着た中学3年生くらいの男の子が居た。
「えっと…はじめまして!東雲優希です!人の怪異に魅入られてしまった幼馴染を助ける方法を聞きにきました!よろしくお願いします!」
すると女の人が俺の目の前に来て、俺の肩に両手を置いて笑った。
「うん!よろしくねぇ。私の名前は夢結真奈狐。【夢の怪人】よ」
その奥から男の子が
「おー、なるほどな。よろしく。あ、【空の怪異】、クウだ。」
『この女が夢と契約したのか…なるほど…』
え?なにがわかったの!?
『強いぞ。この女。』
まじか。
こんなにフワフワしてるのに…人は見た目によらないんだな。
「それで、水越さん。本題はいつ、」
「まぁ待てって。そろそろ来るから…」
すると扉が開いて男の人が入ってきた。
「お前か。よろしくな。【影の怪人】影神慎也だ。」
「はい!東雲優希です!よろしくお願いします!」
俺は深々と頭を下げた。
「おう、頭、上げな?」
すると影神は俺の頭に手を当てて目を閉じた。
「影よ…」
影神がそう言うとその背後から二人分の影が現れた。
「ほら、これ、形代。」
そう言って影神が背後の影を指さす。その影はどことなく彩花と忍に似ていた。
「これをそいつらにつけておけ。すると、人の怪異の攻撃が影に吸われて守ってくれる。」
これは、物凄く助かる。てか、俺の仕事なくなったくね?
「だけどな、これからの話が重要なんだが、人の怪異に魅入られた者は他の怪異も引き寄せるようになる。」
「え?聞いてない。」
「…言うの忘れてた。」
おい、水越ィィ!!超絶重要事項じゃねぇかァァァ!!
『そうなんだ。』
お前は知らなかったの!?
『ああ。数千年存在しているが初めて知った。』
えー。
「とにかく!影の効能で雑魚い怪異は寄りつかないがある程度の実力を持った怪異が寄ってくる。まぁ、ある程度の実力を持った怪異が寄ってくる方が対処しやすいから大丈夫だ。」
「え、なんでですか?」
「話が通じなくて無数にいる化け物と、ある程度話が通じて倒すと年単位のクールタイムで復活する数体だけの化け物。どっちの方が対処しやすいと思う?」
まぁ、後者だけど…でも、
「俺は二人を守るために力を手に入れたんです。そんなのどうってことないですよ。」
そう言うとこの場にいるみんなが「おぉ。」と感心したような声をあげた。
なんか自己肯定感あがるぅー
「そこで、だ。」
水越が手を叩く。
「優希。これからお前はどんな相手が来ても俺たちが来るまでに耐えれる、なんなら倒せるように特訓してもらう。」
水越がそう言うと夢結さんが俺の前に来た。
「私の力で夢の中で昔の五大怪異と戦ってもらうわ。」
『なるほど!そう言う手があるのか!!』
「それで現実の体が強化できるんですか?」
そう聞くと夢結さんは微笑んで答えてくれた。
「怪人の体は常に最適化されていて、強くなるには能力を高めるしかないの。そこで、夢の中で能力の使い方と体の動かし方をしっかりと覚えることが強化に繋がるの。」
なるほどね。
「わかりました。」
そう言うと夢結さんが俺の頭に手をあてる。
「じゃあ、眠ってもらうわね。ちなみに痛みは据え置きだし、死んだら辛いけど、現実で死ぬことはないから、安心して!倒せるまで起きれないけど、夢の世界の1時間はこっちの一分ぐらいだから、1時間で帰ってこれたらかっこいいわよ!」
は?痛みは据え置き!?
死ぬのは辛い!?
こっわ!!!
あれ、
声が
だせない
あ、
お、
おち、
る…
俺は夢の世界に落ちた。
ご精読ありがとうございました。
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以下、五大怪異についてです。
五大怪異とは時代によって移り変わる存在で、その時代の怪異の中で強力かつ人類に敵対心を持った上位五体の怪異がそう呼ばれます。
たとえば、
1900年代
死の怪異
飢餓の怪異
戦争の怪異
支配の怪異
人の怪異
です。
あれ?黙示録の四騎士?
怪異の力は変動性で、人の感じた思い、情勢とか世界の状態によって変わります。なので、戦争が続いた1900年代はこの怪異達がめちゃくちゃな力をもっています。
ちなみに、「敵対心を持った」という部分を除けば、
平和の怪異や希望の怪異、などが上位に捩じ込まれます。
どんなときでも人は、世界は願うんです。平和を希望を。




