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第七十四話 混沌夜戦 その三


 「星間視覚」それは、星の演算機構にダイレクトにつながる事で起こり得る未来を超高精度で視覚情報として得る事ができる魔法じみた技だ。

 欠点として、流石に数週間先を見通すと未来が多少ブレる事や、使用後の疲労が途轍もないこと、視覚情報を一時的に未来に写し変える為、完全に視界がシャットアウトすること。そして、星の演算機構を用いている為、あくまでも"星"に帰属する存在でなければ未来は見えないと言うこと。等が挙げられる。

 

 しかし、それを数秒先に固定した場合、完全に視界を写し変えないまま今の視覚に上乗せする事で、予知の様に相手の行動を完全に予測する最強の力に様変わりする。


 まぁ、「星間視覚」の本質は予知ではなく、演算であると言うところにあるが、戦闘においてそこは考える必要のないことだ。


 『星間視覚ステラ…!!』


 次から次に【氷】が構築した武器が飛んでくるのを、避けて迫っていく。

 明らかに未来が見えている俺に対して、【氷】はその事(ステラの存在)を思い出した様で、避けようのない範囲凍結攻撃を行ってくる未来が見えた。

 

 予備動作のない範囲攻撃なんて、死活問題だが、俺にとっては最高のデレ行動。


 掌の上に小さな星を出す。


 「氷漬けだ!!!」


 波の様に絶対零度の氷が迫ってくる。

 

 『焼き尽くせ、赤色巨星……』


 ボールを投げるように星を投げて、氷の波にぶつける。氷は瞬時に蒸発し、星は速度を保ったまま【氷】に向かっていくが、避けられない速度ではないので、【氷】はそれを大きく飛び避ける。

 

 まぁ……それも、もう見えている。


 『星雲ネビュラ……』


 体の周りに黒や紫、赤や青が混ざり合った雲を生み出す。


 『暗黒物質抽出……』


 その雲から俺が万能だと思う物質を取り出す。

 

 『性質変化、槍』


 その物質を硬め、槍の形に構築する。


 『奏射』


 空中の【氷】にマシンガンの様な連射速度で生成した槍を放っていく。


 この世界では、物質を操ることを"奏でる"と表記する。

 それがいつから始まったのか分からないが、皆そう言う。


 「奏」の様に、この世界には成り立ちの分からないモノが多数存在している。

 

 だからこそ、サクラ達には"神座"に至り、世界を創り変え、この世の"真理"を知って欲しい。


 『俺一人じゃ、抱えきれねぇよ』


 確実に当たる所に槍を放っていたが、【氷】は結構な量を弾いていた。


 「っぐ……」


 【氷】は地面に落ち、身体中に刺さった槍を抜き、両手に武器を握りしめて迫ってくる。 

 

 赤色巨星はまだ「超新星爆発」させられるぐらいまで熟して無いし、年代加速させようにも遠い位置にある。

 星雲ネビュラの槍生成でまた雑に距離を取るか?

 いや、牽制と、遠距離チクチクはダサい。

 

 なら、近接戦闘か?

 

 『面白い、来いよ……星雲ネビュラ圧縮……剣。』

 星々が内包された剣を作り出して構える。


 「お前が近接戦闘とは珍しい!!

 死に急ぐ様なもんじゃねぇか!!」


 『さぁ、どうだろうね』


 【氷】との近接戦闘の最適解はさっき、サクラが導き出していた。

 一つの武器に拘らない。


 「オラァ!!」『ッ!!』


 【氷】の武器が壊れた。

 コイツは、鍔迫り合いをする気はない。一撃に託して攻撃をして、砕けたらその瞬間の相手の態勢に適した武器を瞬時に形成して隙をつく。


 「隙だらけだ。」


 【氷】が短剣を作り、がら空きな腹部を狙ってくる。

 が、それを腹部に発生させた星雲ネビュラで防ぐ。


 『その隙すら未来を演算して出した最適解だとご存知ない?』

 「最適解なら、なんでお前の身体は凍りついているんだ?」

 

 『は!?』

 

 視界を下に持っていく。

 しくった、星間視覚ステラは全部を演算するが、その確認方法は視界に収めること。

 突拍子のない【氷】を視界から外してしまったっ!!


 「凍れ!!!!」


 また冷気の波が放たれた。

 身体が凍り出す。


 が、


 「ちっ……星の跳躍か。」


 波が迫る方向とは別の方向、【氷】の背後に飛んだ。

 さっきの暗黒物質から作った槍の中に星雲ネビュラを混ぜたからそこに星があって……そこに……飛べた……まぁ、理論は今はいいか。


 とにかく、【氷】は昔と同じで変わっていない。

 俺の能力を知っているから、嘘を上手く使って視界を逸らして昔からのほぼ回避不可能な技を使った。


 だから、弱い。

 

 『はぁ、相変わらず弱いな。やっぱり、怪異の強さは心だけじゃないんだなぁ……結局は練度。

 さっきからの武器生成も絶対零度の波も、全部2000年前に北極圏で見たな。

 俺と戦った時のやつだ。

 レンが鍛錬して強化された身体で出力だけ上げて

 まるで、新技でーす。みたいな顔をしてるってさぁ……』


 「何が言いたい?」


 『………だっせぇよな、それ。』


 【氷】がピクピクしてる。

 殺意に満ちた目を向けて、顔を上げ、叫んで、冷気を放つ……あ、星間視覚切るの忘れてた。


 「ふざけるなぁァァァァ!!」


 演算通りに冷気を放った【氷】。

 俺は一歩下がって、斜め後ろを向いて、ウィンクをする。


 『じゃあ、第一関門、攻略頑張れ』


 「恰も自分の計画通りって顔で任せるな。『だっせぇぞ!!』」


 【龍の炎】が放たれて、放たれた冷気と押し合う。

 

 『ハハっ……話聞いてる暇があるなら早く出てこいや』

 ご精読ありがとうございました!!


 夜戦なんだけどなぁ……なんで氷と戦っているの?

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