表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/105

第六十五話 修行


 【夜】の一撃を直接受けて、落ちていく。


 空で佇む【夜】の顔は恍惚に満ちていて、


 「気持ち悪い……」


 サクラはそのまま地面に激突し、身体が弾け飛んだ。


 「……はぁ、最悪だ」


 散らばった体を集め、立ち上がった。

 彩花とレンは忍が抱えていた。

 

 「こっぴどくやられたね」


 忍が微笑みながらそう言う。

 それに対してサクラはため息をつきながら今の一撃を分析する。


 「今のやつ、見た目はヤバかったけど、体に受けたダメージはさっきの光の雨を更に重く熱くしただけだった。」


 それでも、彩花とレンは意識が吹き飛ぶほどの威力なわけだ。

 ちなみに俺は龍の甲冑を纏っていたから意識を保てている。


 「つまり?」


 憎たらしい顔で聞きやがる。


 「あれでも十分、手加減されていた。」


 「あはっ!そうだねぇ」


 忍が殴りたい顔で笑った。

 

 「で、俺らはこれからどうすればいいの?」

 

 「僕と、ミークと特訓だね。自分達が弱いって自覚はある?」

 「弱い?【龍】と【氷】と【死】を倒して来たんだよ?」


 「"見てたから"ねぇ……君たちの勝利は、ヴァルフォールのメンバーありきってのと、場の噛み合いが100%だった。」


 見てたってところは引っかかるが、ぐうの音も出ない回答が返って来た。


 【龍】の時は、八上さんと影神さんのサポートと、人々の願いがうまく噛み合ったことで【人】の力が最大限使えた事と、アベルの抵抗があったから上手くいった。


 【氷】の時は、優希のカグツチの炎による援護と、【氷】の片割れが味方として付いていたことが大きかった。


 【死】の時は、時間の力が無かったらどうにもならなかった。


 よくよく考えてみると、全部俺たちの実力とは言えなかった。


 「思い出したみたいだね。ここまでの戦いを。そして、もう一つ思い出してほしい」


 「もう一つ?」


 「サクラって、水越さんの孫でしょ?話は聞いている筈だよ。」


 じいちゃんの話?

 

 ………あ。


 それは、東京を出る前の話だ。


 ーーーーー


 『で、最後がニューヨーク…』


 「そこが一番の鬼門だ。なんてったって、【花】に次ぐ怪異である【罪】の居るニューヨークにヴァルフォールが一人も居ないんだよ。」


 「え?」

 『…だよね…うすうす気付いてました…』


 ーーーーー


 「ニューヨークには、誰も居ない。」


 「そう。【花神】に次ぐ存在が居る場所に、君たちを助ける存在はいない。


 そして、ここからは新情報。

 ニューヨークの住民は全員、【罪】によって断罪されて死んでいる。

 だから【龍】の時みたいな奇跡は起こらない。

 まぁ、一つだけピースは隠し持っているみたいだけど、そのたった一つで神を倒せるかな?」

 

 「どこまでも、お見通しなんですねぇ……」


 そう言うと、忍は笑って近づいて来た。


 「さぁ、どうする?」


 「修行……させてください。」


 「よろしい!」


 ーーーーー


 俺たちはアルトライに帰還して、彩花とレンをベッドに寝かせ、管制室で今後の相談を始めた。


 「修行させてください。と、言ったは良いものの、どんな修行になるの?」


 忍はコーヒーを飲んでから一息置いて、話を始めた。


 「怪異の戦いはいかに自分の名を使うかが勝敗を分ける。

 【言葉】の力で現実を書き換える。それが、僕の力。僕はこれをどれだけ磨いても、相手を殺すことはできなかった。

 死ねと言っても、相手は死なず、現実を書き換える範囲は高が知れている。」


 「それでも、人を移動させて、人にバフを与えて、あまりにも優秀だよ。」


 「……そっか、彩花の記憶を見ているんだっけ?まぁ、とにかく、君達は自分探しを行なってもらう。」


 「自分探し?」


 「まぁ、後々ね、最初の数日は単純な鍛錬を行うから。覚悟しておいて」


 「鍛錬か。俺は、水越争太に鍛えられた男だぜ」


 「まぁ、がんばれ」


 ーーーーー


 忍は話を切り上げて、アルトライの甲板に出た。


 「サクラはまだ分かってないんだよ。これから相手にする存在の大きさを」


 そう呟くと、夜空が落ちて来て、忍の隣に立った。


 「ミーク……」


 『そうだ。だから、教えなくてはならない。これは、"神へと至る戦い"であるのだと。』


 「ミークは何を知っているの?」


 『……全部だよ。これから起きること、これまで起きたこと、全部知っている。』


 「なんで?」


 『夜空は世界の鏡だ。世界が経験したことは、俺の中に流れ込む。』


 「じゃあ、教えてよ。これまでのこと」


 『……どれを聞きたい?』


 「うーん、一番新しい話から」


 『新しい……じゃあ、あれか。"魔法使いの世界"とか、どうだ?』


 「おもしろそうじゃん!!」


 【夜】と【言葉】の談義はいつまでも続いた。

ご精読ありがとうございました。


終盤に向けて、世界観の提示を行っていきたい感がありますねぇ。

何年後か、分かりませんが、頭の中にある全ての世界を展開し、全ての先にある世界を書き記したいです。


それまでに、私の文章力は上がっていくと良いですなぁ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ