表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
息つぎのあとに  作者: 高瀬あき
7/12

第7話 初めて

中学二年の春。

相変わらず学校へは行っていない。

有里は先輩グループの一人、浜崎くんの事が好きだった。

そんなある日、私は浜崎くんから告白された。

浜崎くんは有里の気持ちも知っている。

実は私も少し前から浜崎くんの事を好きになっていた。

だけど有里のことを考えて諦めようと思っていた。

浜崎くんにその気持ちを伝えると

「誰にも内緒でつき合うのはどう?」と聞かれて私は迷った。

「返事はいつでも良いから考えてほしい」と言われ、

「分かった。」と返事をした。

どうしようかとあれこれ考えた。

浜崎くんの事は好きだ。

だけど有里の事も好きだ。

有里に相談しようかと思ったが一瞬でやめた。

有里は了承してくれないと分かっている。

内緒、でなら、、

有里にも知られずにつき合うことが出来る。

不覚にもこの時、そう思ってしまったのだ。

そして数日後、浜崎くんに「内緒でならつき合う」と伝えた。

浜崎くんはすごく喜んでくれた。

同時に罪悪感もあったが私は浜崎くんを選んだ。

浜崎くんはふたつ年上ということもあって、リードしてくれるしとても優しい。

ポケベルで連絡を取り合い、浜崎くんの高校が終わる夕方頃、誰も来ないであろう遠くの公園で会った。

二人になるとなんだか緊張してうまく話せない。

浜崎くんは明るくて体つきも良い。

毎日ランニングしたり、筋トレをしているそうだ。

顔も整っていてとにかく優しい。

友達の事、学校での事など色んな話をした。

私は浜崎くんとつき合って良かったと思った。だんだん日が落ちてきて、

「そろそろ帰ろうか」と私が言った。

浜崎くんは少し黙って、

「花、キスしてもいい?」

と言った。

高なる胸の鼓動を感じながら、

私は「うん。」と言った。

夕暮れの公園。

二人はキスをした。

14歳、私、宮下花のファーストキスだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ