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息つぎのあとに  作者: 高瀬あき
3/12

第3話 校門

家に帰ってすぐにノートを開いた。

山野の字で、

"これからよろしく。

今日はサッカーでゴールを2本決めた!

晩ごはんはカレーだった。

風邪引くなよ!"

たった四行。

そのたった四行に心はときめく。

山野は小学校からサッカーを始めて、中学でクラブチームに入ったらしい。

サッカーか。

学校の休み時間や体育の授業の時にしているのは何回か見ているけれど、クラブチームだと何か違うのかな。

見てみたいな、と思った。

そして今日は私の番だ。

何を書こう、綺麗な字で書けるかな。

色々と考えた後、ペンを取った。

"こちらこそこれからよろしくね。

サッカーは楽しい?ゴール2本なんてすごいね!

私は今日、みさきとカラオケに行ったよ。

帰ってきて犬の散歩にも行った。あ、犬飼ってるの。

ヨークシャテリアで名前はロッキー。

今度見せてあげるね。"

少し長いかなとも思ったが、伝えたい事、話したい事があり過ぎる。

私達は学校ではほとんど話さない。

つき合っている事をまだ内緒にしているのだ。

知っているのは佐々木と私の親友のみさきだけだ。

だから、ノートを渡す時も佐々木が持ってきたのかも知れない。

明日渡すの緊張するな、どこで渡そう。

よし!少し早く家を出て学校の近くで待っていよう。

そして次の日私は早めに家を出て山野が来るのを待った。

10分後山野が来た。

山野は背が高いからすぐ分かる。

私の姿を見つけると山野は駆け足でこっちへ来てくれた。

「おはよう!」

「おはよう。あの、これ。」と私はノートを渡した。

山野は「ありがとう!」と言って受け取った。

そして初めて二人で校門をくぐった。

この交換日記はいつまで続くのだろう。

ページがなくなるまで?

どちらかが書かなくなった時?

少しでも長く、1ページでも長く続いてほしいと

私はそう願った。

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