繋がる
そんなわけで、俺は陸人に思いを伝えた。もう我慢できなかったから……
これ以上我慢していたら、もう俺は耐えられなくなっていたと思う。陸人が好きで好きでたまらなかった。
あの日、陸人の家に行った日。俺は陸人の妹に言われた。
『お兄ちゃんは、雄也くんのことが好きなんだと思う。でも、お兄ちゃんはそれを伝えたら嫌われそうで怖いって』
陸人の妹は、はっきりと言うタイプで、陸人とは正反対の性格だ。
そして、こうも言ってきた。
『雄也くんも、お兄ちゃんのことが好きなんじゃないかな』
え? ってその時は、呆気に取られて上手く反応できなかったけど、そんなに俺たちは、お互いを想う気持ちが溢れていたのかなと思う。
確かに、俺たちはいつも二人で一緒にいたし、そう思われてもおかしくないのかもしれない。もしかしたら、陸人の両親もそう思っていたのかもしれない。
陸人をよろしくねってお母さんが言ったのを思い出した。
そういうことなんだろうか。
今、俺は陸人に食われている。陸人の舌使いが上手くて、俺はトロトロにされている。
もう、気持ち良すぎて一生このままでいたい。俺の乳首を陸人がゆっくり舐めていく。耳から順に首筋に沿って乳首へ。
その舌の動きに合わせて俺の体は反応する。
時折、陸人の息が当たって、それすらも気持ちよく感じる。陸人を肌で感じる。温かくて、優しくて激しくて。
陸人の大きな体が、小さな俺を隠すように覆う。守られている感じがする。俺は陸人のもの。もう、陸人から離れたくない。
陸人が俺を舐めると、俺は陸人の服を掴む。ギュッと。手に力が入ってしまう。目を開ければ、目の前に陸人がいる。俺の大好きな陸人。世界で一番かっこよくて、美しくて大好きな陸人。
陸人になら、何されてもいいや……
そして、陸人の滾るそれを俺に入れる。
ゆっくりと陸人の形を認識して、俺は陸人と繋がった。
それはそれは最高に気持ちよくて、最高な背徳感というのだろうか。何と形容したらいいのかわからないけど、ずっとこのままでいたいと思う瞬間。
陸人が俺を突き始めると、情けない声を出してしまう。みんなに聞かれてしまう……
そんな俺の口を、陸人の口で塞がれる。下半身と口で繋がって、俺はもうめちゃくちゃにされた。
それからは、もう覚えていない。
とにかく、気持ちよくて、陸人と一緒になれて最高だった。
気がついたら、眠っていた。
横を見ると、陸人も眠っている。あれから何時間経ったのかはわからないけど、相当時間が経ったのだろう。陽は暮れかけている。俺は、陸人に食べられて絶頂を迎えてからの記憶がない。そのあとは、陸人が処理してくれたのだろう、やった形跡はまるでなくなっていた。
隣で疲れて眠る陸人に、俺はそっと顔を近づけた。静かな寝息を立てる彼の横顔は、まるで陶器のように滑らかで、どこまでも美しかった。
俺の彼氏。そう呼べることが、まだ夢のようで、胸の奥が熱くなる。
すぐに触れたくなる衝動を抑えきれず、俺は陸人の唇にそっと自分の唇を重ねた。少しだけ触れる程度のキスのはずだったのに、その柔らかさと温もりに触れた瞬間、俺の中で何かが弾けるような感覚に襲われる。
もう一度、そっと押し当てた唇が名残惜しくて仕方がなかった。けれど、まだ目を覚ます気配のない陸人を起こさないように、俺はそっと体を離した。
静まり返った部屋を出て、洗面所に向かう。
スマホを確認すると、お母さんからLINEが届いていた。
『買い物に行ってくる』
三時間前のメッセージ。つまり、今この家には俺と陸人の二人きり。
俺は冷たい水で顔を洗いながら、ふとさっきのキスを思い返す。陸人の唇の感触がまだ鮮明に残っていて、もっと触れたいという衝動が抑えきれなくなる。
(またしたいな……)
心の中でそう呟いた瞬間、思わず頬が熱くなる。鏡に映る自分の顔は赤く染まっていて、そんな自分に思わず苦笑いした。
もう一度、静かに部屋へ戻ると、陸人はまだ眠ったままだった。
陽の光がカーテン越しに優しく差し込み、彼の寝顔を淡く照らしている。少しだけ乱れた髪が額にかかっているのを見つけ、指先でそっと払った。
陸人は穏やかな寝息を立てながら微かに体を動かしたけれど、目を覚ます様子はない。その無防備な姿が愛おしくて、俺は彼の隣に座り、じっと目を覚ますのを待った。
こんな時間さえも、俺には輝かしく思える。
ゆっくりと流れる静かな時間の中で、陸人の指先に自分の指を絡めてみる。柔らかくて温かい。
それだけで胸が満たされていくようだった。
「陸人、いっぱいデートしような」
そう囁くと、陸人がわずかにまぶたを動かした。彼が目を開ける瞬間を心待ちにしながら、俺はそっとその指を離さないでいた。




