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災速之神

アルド「さっきまでの威勢はどこに行った!?祇梨蓮斗!もっと楽しもうぜ!」

蓮斗「うるっさいですよ、馬鹿火力!」

蓮斗「闇系統最上位魔法・暗来災禍」

アルド「遅い!」

蓮斗「グブッ....!!」

私とアルド・グレイヴの戦いは城下町から離れた大森林前で行われていた。私は魔法と体術を合わせ戦いに臨んいたがアルド・グレイヴは殴る蹴るなどのシンプルな打撃のみで攻めてきていた!

蓮斗「魔法使わないのは手加減ですか!?」

アルド「そういう訳では無い!確かに魔法も一定以上の力で使えるが、俺が一番強いのは徒手空拳だ。だから、舐めてるとかじゃねぇ、よっ!」

蓮斗「ちっ!」

蓮斗「(さも当然の様に防御貫通してるし、余波だけで大地が抉れた...正真正銘の化け物だな...)」

蓮斗「二重詠唱・黎滅蛇炎」

アルド「フハハ、マジでお前どんだけ魔力持ってんだよ!さっきから最上位魔法連発してるのに魔力が全然減ってねぇじゃん!」

蓮斗「知りませんよ!」

近接の合間に死角からの攻撃も一切が通じず私は劣勢に立っていた。

蓮斗「(徒手空拳以前に、この人のスピードがデタラメすぎる!亜音速程度なら見切れるけど、流石に光速までは見切れない!)」

私が脳内で愚痴を吐いてる最中も想像を絶するスピードの連撃が飛んでくる。殴る蹴る、ただそれだけのシンプルな攻撃にも関わらず私は受けも回避もできていなかった。

アルド「攻撃を避けれなくて困惑してるって顔だな!」

蓮斗「動き出しは見えますけど、腕や足を降ってる最中に光速に到達してるんでしょ?やりづらくて嫌になりますよ!」

アルド「そこまで見えてるのか!面白い!」

その言葉と共にアルド・グレイヴの腕が私の首を掴み大森林の奥へ投げ飛ばす。

蓮斗「闇系統最上位魔法・黒来災禍〝鏖ry〟」

アルド「噴ッ!!!」

魔法を発動しようと詠唱した瞬間、アルド・グレイヴは腕を地中に突っ込み力の限り持ち上げる。

蓮斗「はぁ!?」

アルド「空中散歩、楽しんでくれや!」

そう言いながらアルド・グレイヴは持ち上げた大地を空中へと投げ飛ばす。私は即座に投げ飛ばされた大地の破壊を行う。

蓮斗「二重詠唱・黒消滅閃〝二重螺旋〟」

私の魔法を受け空中の大地は一瞬で爆散する。その煙の中からアルド・グレイヴは顔を出しパンチを繰り出す。私は不可避と判断し防御態勢をとった。

アルド「落ちろ!」

蓮斗「グゥ、ウ゛ウ゛ウ゛!!」

殴られたと同時、私の体はとてつもないスピードで大地にぶつかる。その衝撃は凄まじく、城下町全体に振動として伝わった。

蓮斗「はぁ、はぁ、」

蓮斗「(なんであの人は光速で動いて無事でいられる...?冠位ならまだしも、生物の肉体じゃ、光速に耐えれる訳が無い!)」

アルド「光速に肉体が耐えれる訳ない、って顔してるな。いい線いってるよ、その考え。」

私が体を起こそうとしているとアルド・グレイヴがまるで私の思考を盗み見たかのように的確に言い当てる。それに驚愕しつつも体を起こす。

蓮斗「よく分かりましたね。」

アルド「お前が分かりやすすぎるだけだ。まぁちょっとネタバレするなら、実際ダメージはあるんだよ。ただ、そのダメージを踏み倒してるだけだ。」

蓮斗「踏み倒す...?」

アルド「実際の話、光速を超えた部分の肉体は消し炭じゃ済まない。だからダメージを負った瞬間に超速再生で治してるの。だから傍から見ればノーダメージに見えるんだよ。まぁ他にも色々デメリットはあるが、俺はそれを全て無視できる。」

蓮斗「(常に亜光速、攻撃の瞬間光速になるのか。その上腕力も相当だな...その上超速再生で防御力も高い。だめだ、攻略法が見つからない...)」

アルド「しかしまぁ、お前よく俺と打ち合えるな。もし俺の相手がこの国の騎士団長だったら初撃で殺せてた。なんでお前はそんなに強いんだ?」

蓮斗「.....果たさなければならない目的があるから、ですかね?」

アルド「果たさなければならない目的?それはどんな目的なんだ?」

蓮斗「それを貴方に言う必要はありません。」

アルド「つれないねぇ。」

蓮斗「逆にこちらから質問してもいいですか?」

アルド「おぅ、良いぞ。」

蓮斗「何故、貴方はパンデモニウムに入ったんですか?話したり戦って分かりました。私は貴方から歪んだものを感じない。」

アルド「...なるほど、やっぱり、良いな。」

蓮斗「答えてください。」

アルド「いいよ。答えは簡単、この世界が退屈だからだよ。」

蓮斗「退屈だから...?」

アルド「俺は生まれた頃から一人でね、ずっと山で生活してた。元より俺は強かったから人も動物も、魔物でさえ俺には向かって来なかった。毎日が退屈で、なんの変化もなかった。そんな時にうちのリーダーに声をかけられてな、まぁ色々あってパンデモニウムに入ったんだよ。」

蓮斗「なるほど、そう言う人も世の中にはいるんですね。」

アルド「パンデモニウムをやめて真っ当に生きるべきだ、とかは言わないのか?」

蓮斗「言いませんよ、人の価値観なんて、他人が決めるべきではない。貴方にとってその選択が最善だったのでしょう?」

アルド「あはは、やっぱりお前良いな。リーダーに会う前にお前と会ってたら、もっと違う道があったのかもな。」

蓮斗「どうでしょうね。私こう見えて結構冷たいですよ?」

アルド「はは、それもまた良いね。さて、続きを始めよう。」

蓮斗「えぇ。」

その言葉を最後にその場の空気が静まり返る。私とアルド・グレイヴは互いの目を真っ直ぐ見つめる。音が消え、ただ睨み合う。木の葉が地面に落ちる、微かな音が始まりの合図だった。

蓮斗「闇系統最上位魔法・黒掌触腕」

アルド「遅いっ!」

私の魔法をまるで紙切れかのようにアルド・グレイヴは切り裂きながら進む。しかし、

蓮斗「闇系統最上位魔法・死界黎滅」

青黒い光がアルド・グレイヴの肉体を照らす。その瞬間、アルド・グレイヴの肉体は血飛沫を上げ始める。

アルド「本当に厄介だな、闇魔法ってのは!」

アルド・グレイヴは傷を治しながら蹴りを放つ。私も同じように蹴りを繰り出す。足と足がぶつかると同時に周囲の木々が吹き飛び飛び散る。

蓮斗「(骨にヒビが入った!)」

アルド「胴体がら空きだぞ!」

蓮斗「ちっ!」

腹に拳が突き刺さる寸前で飛んで回避、それと同時に複数の魔法が私を襲う。

蓮斗「空間系統上位魔法・天蓋」

アルド「甘い!」

私の張った結界をアルド・グレイヴはただの腕力だけでぶち破りその拳は正確に私の顔を捉える。

蓮斗「ガァ....まだまだぁ!!」

私は顔の激痛を無視しアルド・グレイヴに攻撃を仕掛ける。数発の打撃がアルド・グレイヴを捉え後方へ追いやる。続けて攻撃しようと近づこうとした瞬間強烈な蹴りが胸の辺りに炸裂する。

蓮斗「ガハッ......!!」

まともな防御がとれなかったせいで、胸骨は粉砕、肋骨が何本も折れる。折れた骨が肺に刺さり血を吹き出す。

アルド「噴ッ!」

アルド・グレイヴは一切慢心しない。倒れた私に追撃を仕掛ける。私は防御できずに全ての攻撃を受けた。

蓮斗「............」

アルド「終わりだ。」

そう言いアルド・グレイヴは全力の拳を私に叩き込んだ。大地は激しく砕け、周りの木々が全て吹っ飛んだ。あまりの衝撃に爆風が吹き荒れ、大森林は荒野のようになった。

アルド「...案外、楽しめたよ。お前みたいな面白いやつに会えたし、侵攻は、やめようかな。」

そう、返事が返ってこないと分かってきながらアルド・グレイヴは呟くのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

香織「蓮斗...?」

神崎「祇梨、君...?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

滝壺「.........」

天羽「祇梨...!俺、行きます!」

滝壺「ストップ天羽君。」

天羽「何故ですか!?俺はあいつと約束したんです!だから、行かないと...!!」

滝壺「そうじゃない。まだ、蓮斗君は諦めてないらしいよ。」

天羽「え.......?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アルド・グレイヴはしばらく祇梨蓮斗を眺めた後踵を返し歩いていく。しかし、その歩みは止まった。

アルド「!!」

アルド・グレイヴはすぐさま後ろを振り向き絶句する。そこには全身血塗れで、血を吐きながら立っている祇梨蓮斗の姿があったからだ。

アルド「おいおい、まだ戦うつもりか...?」

アルド・グレイヴがそう呟くが、祇梨蓮斗は一切の反応を見せない。得体の知れない、妙な圧迫感がその場を支配する。アルド・グレイヴの顔を冷や汗がつたって落ちる。

蓮斗「黒王戦鬼制限解除率50%」

その一言と共に祇梨蓮斗の体から闇が噴き出す。それを見た瞬間アルド・グレイヴは飛び退き様子を伺う。

蓮斗「本当は、本当は使いたく、なかった...!でも、俺は、アンタに勝ちたい!」

アルド「.....!!」

蓮斗「さぁ、始めよう...これが、本当の最後だ!」

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