顕現
訓練も一区切りつき今日は1日休息日になった。各々が別行動になり私は一人で街の郊外までやって来ていた。
蓮斗「ここも見慣れましたね...まぁ1ヶ月同じメニュで訓練してましたし妥当か。」
そんな独り言を呟きながら歩いていると前方に騎士達が集まっているのが目に入る。そこにはシエルさんや謹慎処分を受けていたリンドの姿もあった。
蓮斗「シエルさん、こんな大人数で集まってどうしたんですか?」
シエル「ん?あぁ、蓮斗君か。それが今日に入ってから民間人からの通報が多くてね。騎士達が手分けして原因を探ってるんだ。」
蓮斗「通報?原因?」
リンド「謎の生物を見たという通報だ。」
蓮斗「謎の生物...魔物ですかね?」
シエル「まだ断定できん。だが、何らかの特異現象が起きているのは確かだ。」
蓮斗「そうですか...何かあったら私や天羽君、滝壺さんの方に連絡を入れてください。では。」
シエル「えぇ、良い一日を。」
そう互いに挨拶を済ませ私はその場を離れようとした。その時リンドに呼び止められた。
リンド「待て。」
蓮斗「...なにか?」
リンド「その、なんだ...1か月前はすまなかった。」
蓮斗「...貴方、謝罪できたんですね。てっきり、そういう事もできないと思ってました。」
リンド「.......」
蓮斗「はぁ...次私の仲間に危害を加えようとした場合、その時は殺します。ですが、そうしないのなら、謝罪を受け入れます。」
リンド「あぁ...!本当にすまなかった!」
蓮斗「では私はこれで。」
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ー時刻午前10時23分ー
天羽「ん?なんかスマホの電波がおかしい?」
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神崎「あれ?ねぇ香織ちゃん、スマホ繋がる?」
香織「えっ?そっちもですか?私のスマホも圏外になって使えないんですよ。」
神崎「えー?通信障害かな?」
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シエル「ん?」
リンド「団長?どうしましたか?」
シエル「いや、何か揺れてないか?」
リンド「え?」
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「血の海、骸の丘、生者の嘆き、亡霊の都、黒き太陽、這い出す混沌、穢れた魂、死の六円環」
〝死霊系統極大魔法・亡霊都市「怨霊跋扈」〟
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瞬間、神聖国家に激震が走る。合計6つの地点から質量を持つ怨霊が発生。騎士団、魔法師団、国下六王剣は敵の不意打ちを防げなかった。
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シエル「なんだ!?」
リンド「団長!城下町全域に6箇所の大規模な穴が出現!そこから怪物が溢れてきていると情報が入りました!」
シエル「なに!?今すぐ非番の騎士達も動員して国民を守れ!」
リンド「了解!」
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神崎「なになになに!?何この揺れ!」
香織「分かりませんー!」
「「美月和さん、神崎先輩、聞こえる!?」」
香織「この声、天羽君!どうしたの!?」
天羽「「襲撃だ!今、この国は誰かに襲撃されてる!今俺は避難誘導に従ってる!」」
神崎「襲撃!?誰が!?」
天羽「「分かりません!」」
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国中が混乱していた。すると突然空に映像が流れ始めた。そこには長身の男が映っていた。
「やぁ、神聖国家アルベシアの諸君。私はパンデモニウム大幹部アルド・グレイヴ。今日この国を滅ぼしに来た。」
その男の言葉に国中の者達が唖然とする。それは明確な宣戦布告。それは紛うことなき悪意。
アルド「今この国に対し我らは極大魔法を発動させた。無惨に食い殺されたくなければ死力を尽くして抵抗して見せろ。」
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蓮斗「まさか、このタイミングで....」
滝壺「あーあー、皆聞こえる?」
4人「滝壺さん!?」
神崎「あれ、祇梨君の声も聞きえる!」
滝壺「俺が一旦思念伝達でこの5人を繋げた。作戦を手短に言うね。美月和さんと神崎さんは近くの避難所で治療に協力してあげて。俺、天羽君、蓮斗君は敵陣を潰しに行く。」
香織「えっ!?危なくないですか!?」
滝壺「上から確認したけど大穴を守ってるのはどいつも手練れだけど2人なら問題なく倒せる。それに、騎士団達も戦力は限られてる。だから、お願い出来る?2人とも。」
天羽「そんなもん、聞かれなくても.....」
蓮斗「やるに決まってるじゃないですか!」
滝壺「よし、大穴を制圧したらすぐに避難民を保護してくれ。トラブルが起きたら各々対応。いい?」
4人「了解!」
滝壺「じゃあ、行動開始だ!」




