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都市生活

アルベシアでの訓練生活が始まり2週間程が経過していた。日本で言えばもう夏休みに入っている時期だ。私達はと言うとアルベシアで騎士団と魔法師団と合同の訓練を続けていた。

蓮斗「こうして城下町を見て周るのは初めてですね。あ、雑貨屋の...どうも。」

私は今日一日休息を取るように言われ、城下町に出ていた。最近では城下町を何周か走ってから訓練をしていたので街の人達とも顔見知りになっていた。

老婆「毎日毎日感心ねぇ。頑張りなさい。」

蓮斗「はい、ありがとうございます。」

軽く挨拶を交わすと私は再び走り始める。この街の住人は個性豊かでいて、その上善人が多い。走っていれば声をかけてくる人も多い。そんな事を考えながら走っていると前方でなにやら騒ぎが起きていた。私はそれを疑問に思い走るスピードをあげた。

蓮斗「どうかしたんですか?」

住人A「おぉ、蓮斗君。いやね、カルクさんが飼ってる猫ちゃんが屋根の上に登っちゃったらしくてね、どうやって助けようかって話してたのよ。」

蓮斗「なるほど...それ、私が何とかしますよ。」

住人B「え、良いのかい?」

蓮斗「えぇ、困ってる人がいたら助けるのは当たり前ですよ。」

私はそう言うと猫が乗っているであろう場所に目星をつけ屋根に飛ぶ。屋根について周りを見ると猫が1匹その場にうずくまっているのを見つけた。すぐさま猫を確保し下の住人達の元へ戻る。

蓮斗「猫ちゃん見つかりましたよ。ただ、ちょっと血が出てます。どこか怪我をしてるみたいです。」

私がそう説明すると飼い主のカルクさんが礼を言ってきた。

カルク「ありがとう、祇梨君。お礼と言ってはなんだが、うちの店のケーキ貰ってくれ。」

蓮斗「え、確かカルクさんのお店って、高級菓子店だった気がするんですけど...そこまでの事はしてないので気にしないでください!」

カルク「いや、チャーレは俺達の家族の一員なんだ。だからどうか礼を受けてくれ!」

そうカルクは頭を下げながら言う。私はその言葉に折れ礼を受け入れることにした。

蓮斗「ただ、助けただけでは気が引けるのでこれはサービスです。」

蓮斗「治癒系統下位魔法・再生」

私は猫の額に指を置き魔法を発動させる。出血している部分が徐々に再生し猫の顔色も随分と良くなった。

蓮斗「じゃあケーキは後から受け取るので私はこれで。もし猫ちゃんの体調が優れなければ病院に行ってくださいね。それでは!」

カルク「ありがとう、祇梨君!」

そうカルクは手を振る。私はそれに手を振り返した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

イルア「シエルよ、あの者達、異国の旅人達の様子はどうだ?変わった点は見られるか?」

シエル「はっ、2週間監視をつけてはいますが特に変わったところは見受けられません。祇梨蓮斗、天羽綾人、美月和香織、神崎莉央は城下町の住人とも良好な関係を築いています。ですが...」

イルア「なんだ、どうした?気になる事があるのなら申してみよ。」

シエル「はい。件の引率、滝壺間宮についてです。滝壺間宮について諜報部に調べさせたのですが、全くと言っていい程、情報が出てきませんでした。」

イルア「やはりか...して、監視はバレていないのか?」

シエル「それが、監視に当たった者からの報告ではこちらに向かってピースしていたとの事です...」

イルア「完全にバレているな...監視されている事を知った上でなんのアクションも起こしていないとなると、余計不気味だ。」

シエル「はい、まるで監視されて当然といったスタンスなのでしょう。」

イルア「シエルよ、できるだけ彼らに不快感を与えるな。まだ娘2人はいい。だが、あの3人は明らかに異質だ。もし逆鱗に触れれば、大惨事になるやもしれん。監視している者達にも細心の注意を払うよう言明しておけ。」

シエル「はっ。」

イルア「では、下がれ。」

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