激怒
シエル「ようこそ、騎士団本部へ。私達は貴女方を歓迎しよう。」
そう言われ通された場所には騎士団長の他に数名が座る応接室だった。
滝壺「さて、ではお互いに自己紹介と行きましょうか。じゃあまず俺から、俺の名前は滝壺間宮。日本、妖人街で神職をしている。」
蓮斗「私は祇梨蓮斗。先程言った通り日本国立魔法学園1年。」
天羽「同じく日本国立魔法学園1年天羽綾人。」
香織「同じく日本国立魔法学園1年美月和香織。」
神崎「同じく日本国立魔法学園3年神崎莉央。」
私達はそう自己紹介をする。全員が終わったタイミングで相手も自己紹介を始める。
シエル「改めまして、神聖国家アルベシア王国騎士団団長、シエル・グレンタニアです。」
リンド「...神聖国家アルベシア王国騎士団副団長、リンド・デルタ...。」
マックス「国防大臣マックス・シア・ストロボと申します。以後お見知りおきを。」
カルク「国王直属文官シリウス・アルデリスと申します。どうぞよろしく。」
相手の自己紹介も終わり、先程の戦闘の話になる。
滝壺「それで、いきなり攻撃してきた理由を再度、詳しく伺っても?」
シエル「先程も申しましたが常軌を逸した複数の魔力が、音速以上のスピードで接近してきていたため、確認を省き攻撃しました。」
滝壺「なるほど、確かに此方にも非はある。しかし、ただそれだけの理由で貴女方は人の命を奪うのか?」
シエル「.....」
滝壺「此方は冠位神威の指揮の元この国に来ています。それにも関わらず、このような真似、到底受け入れられるものではない。」
リンド「冠位神威だと!?嘘を吐くにしても限度がある!貴様らのその行為は明らかな冠位に対しての侮辱だ!やはりここで....」
そう副団長が再び私たちに対して噛み付く。しかし、滝壺さんはその発言を聞いたと同時に指を鳴らした。すると、
滝壺「あまり、こちらを下に見るのは止めて貰おう。俺はこう見えて気が短い。お前の戯言に付き合うつもりも、意味もない。」
リンド「ぐっ...!何だこれ...!?」
滝壺「祟炎魔法・停滞之炎呪」
滝壺「お前に付き合ってたら話が一向に進まない。さて、そちらのお二方の意見も聞かせてくれ。」
マックス「正直な所、貴殿らに対して行った行為は間違っていないと私は思っている。先程の戦闘、魔法で見せて貰ったが貴殿らの強さは正に異常だ。」
蓮斗「と、言うと?」
マックス「魔法学園1年と言うことは15か16。その歳で根源魔法に至っている上、竜騎士達をものの1分で全滅。並の人間では出来ない芸当だ。」
蓮斗「だから攻撃しても良いと?」
マックス「そうでは無い。ただ我らも攻撃に出るのは早すぎたと思っている。その点は謝罪する。」
そう言い副団長を除く3人はその場で頭を下げた。先程まで頭に血が上っていて分からなかったが冷静になり話し合えば、完全な悪人ではなく国を守ろうとする善人に見える。
蓮斗「いえ、こちらも突然攻撃されたとはいえそちらの騎士達を100騎以上を負傷させたのも事実。こちらからも謝罪します。」
こちらも頭を下げる。すると磔にされていたリンドが暴れ始める。
リンド「団長!こちらが頭を下げる必要はありません!全てはこの者共に責任があります!こちらには何の非はありません!」
その言葉を聞きシエル達は慌て出す。それは必然だった。私達はが座る席、そこからとてつもない殺気が放たれていたからだ。
天羽「もういい、お前はもう喋るな。貴女達が善人だって事は話してわかりました。だが、このガキだけはダメだ、俺が殺す。」
蓮斗「私がやりたいんですけど、譲ってくれません?天羽君...」
天羽「今回ばかりは断る。」
神崎「落ち着いて2人とも!」
香織「そうだよ!揉め事は起こしちゃダメだよ!」
蓮斗「私達の移動方法に問題があったとは言え、香織さんに怪我させて、その責任が全て私達の非...?ふざけるのも大概にしろよ?」
シエル「落ち着いてくれ!リンド、君も早く謝罪しろ!じゃないとこの少年達と戦うことになるんだぞ!?」
リンド「いいえ取り消しませんし、謝罪もしません!僕は何も間違った事は言っていない!」
シエルには一切の余裕がなかった。ただ背後から当てられる殺気、それだけで絶対に勝てない、そう確信していたからだ。大臣や文官もその殺気に当てられ恐怖の表情を滲ませていた。
リンド「お前らなんか俺一人で殺してやるよ!お前らも、後ろの女もな!」
ブツリ、そう何かが切れる音を私達2人は聞いた。
蓮斗「火系統根源魔法・炎神神化」
天羽「空間系統根源魔法・次元覇者」
魔力制限や武器不使用の条件を撤廃した根源魔法が完全顕現。その圧はもはや、一国家の騎士団長レベルでは見ただけで戦意喪失する程のものだった。
天羽「そうか...だったら!」
蓮斗「今この場で死ね...!」
私と天羽が同時に最大火力の魔法を放とうとした瞬間、何かが私達を縛り付けた。
蓮斗&天羽「!?」
体に目をやるとそこには青い炎が体に巻き付いている光景が広がっていた。
蓮斗「なんだ、これ...!?」
天羽「動けねぇ...!?」
滝壺「気持ちは分かるが今ここで暴れたら俺達お尋ね者になっちゃうから少しの間そうしとくね。」
蓮斗「しかし...!」
滝壺「言っただろう?気持ちは分かるって。さて、ここで提案なんですけど、決闘をしませんか?」
シエルら3人「決闘...?」
滝壺「えぇ、此方1人そちらはその副団長1人。もしそちらが勝てば我らは直ぐにこの国を立ちさります。ですがもし、そちらが負けたら入国を認めてください。どうでしょう?」
そう問われたシエル達は焦った顔で議論する。しかし、返答は分かっていた。
シエル「分かりました、その条件を受け入れます。ですが、此方からも条件を加えたい。よろしいでしょうか?」
滝壺「良いでしょう。」
シエル「感謝します。追加したい条件はひとつ、命は奪わない事。それだけです。」
滝壺「.....」
その言葉を聞き滝壺さんは少しの間考え込む。その様子をシエル達はハラハラした表情で見守っている。そして1分程経った頃滝壺さんが口を開いた。
滝壺「その条件を呑みましょう。しかし、もしそこの副団長がその条件を破り、私達を殺そうとすれば、それ相応の報いを与えます。良いですね?」
シエル「了承いただき、感謝する...!」
滝壺「君達も、それで良いね?」
天羽「...分かりました。その条件で大丈夫です。」
蓮斗「少し釈然としませんが、分かりました。」
こうして私達は国に着いて早々、騎士団と決闘する事になったのだった。




