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招集

蓮斗「ん、あ......?」

目が覚めるとそこには見覚えがある天井があった。周りを見れば私の体には多くの管が繋がれ点滴が打たれているのが目に入る。さらに周囲を見渡すと私の隣のベットに誰かが寝ていることに気が付く。

蓮斗「起きよう...ぐっ.....!!?」

体を起こそうとした時全身を激痛が走り私は呻き声を上げる。よくよく体を見ればそこにはひび割れたかのような跡が幾つもついていた。

蓮斗「なんだ、これ.....」

私は思い返す。そして思い出されるあの日起きた惨劇。あの惨状を思い出した私は勢いよく体を起こし立ち上がる。瞬間、全身を駆け抜ける激痛。しかし、そんなものを気にしている暇は私には無い。

蓮斗「天羽君...!!無事でいて下さい...!!」

悲鳴を上げる体に鞭を打ち私は一歩踏み出す。すると私についていた管がブチブチと音を立てながら取れていく。

蓮斗「早く、天羽君を...!!」

そう呟いた時、管がとれた事を知らせるセンサーが作動し、医師たちが大慌てで病室に入ってきた。

医師「祇梨君!起きたんですね!ですが、今はまだ絶対安静です!早くベットに...」

蓮斗「私の事はどうでもいいです...!!天羽君は、無事なんですか...!?」

私は私を心配し駆け寄ってきた医師の白衣を掴みそう問いかける。しかし、私はその返事を聞く前に限界が来て、意識を失った。

医師「ちょ、祇梨君!?君、急いでベットの上整理して!!」

看護師「はいっ!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

再び目が覚めたのは3時間後の午後2時だった。先程の件で肝を冷やしたのかかなりの頻度で見回りが来ているのが分かった。私が目覚めてすぐに医師の方へ連絡が入ったのだろう、医師は急いで私が寝ている病室へやってきた。

医師「祇梨君、友達が心配なのは理解するけど、あんな無茶は見過ごせないよ?」

蓮斗「すみません...少し、混乱していました。」

そう言い私は医師達に頭を下げた。

医師「それとさっき君が言ってた天羽君だけどね」

そう言いながら医師はベット間にあるカーテンを開けた。そこには...

蓮斗「天羽君...!?」

天羽「よっ、起きて早々問題起こしたらしいな。...無事で良かった。」

蓮斗「それは、こっちのセリフです...!!」

そこには包帯をまかれ私と同じく管や点滴を多くつけた天羽が笑って寝ていた。私はその様子を見て柄にもなく涙腺が熱くなるのを感じた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

医師に具体的な現状と退院日を聞いた私達は互いにベットに寝ながら会話をしていた。

天羽「祇梨、お前は欺瞞神と戦って何を感じた?」

蓮斗「果てしなく強い、それが大きいですね。」

天羽「俺もだ。でもやっぱりアイツ、何かおかしかったな。」

蓮斗「えぇ、恐らくですけど魔力量に関しては天羽君と同等、私と比べれば2割下位でしたね。」

そう、欺瞞神フェレドール・アテナに感じていた違和感はそれだったのだ。

天羽「あぁ、でも真に恐ろしいのはアイツの魔法と魔力効率だ。」

蓮斗「えぇ。例え話ですけど私が火球を放つ際に使用する魔力を10と仮定すると彼女が火球を放つ際に使用する魔力は0.01から0.1の間位でしょう。」

私がそういうとその場にしばし沈黙が流れた後2人してため息を吐いた。

天羽「俺達よくそんな化け物と戦って生きてたな。今考えたらゾッとするわ。」

蓮斗「同感です。私達二人とも上位存在に稽古を付けてもらったのが幸運でしたね。」

天羽「そーだなー。」

そう話しながら苦笑いを浮かべていると今欺瞞神がどうなってるのか気になって私は天羽へ質問した。

蓮斗「そう言えば欺瞞神って今どうなってるんですかね?殺戮神が助けてくれたタイミングで私も意識失っちゃいましたし。」

天羽「それがさぁ、殺戮神が余程怖かったのか国防軍の収容所で大人しくしてるらしいぞ。」

蓮斗「アレがですか...?」

天羽「おぉ、なんでも殺戮神の能力で嘘をつく権利、死ぬ権利、他者を傷付ける権利を剥奪された上で創造神が創った魔力使用不可の腕輪を付けられてるらしい。」

蓮斗「めっちゃ厳重ですね...てか、殺戮神の能力ってやっぱり、色々とおかしいですね。」

天羽「まぁ冠位で最強だし、それ位できて当然みたいな感じはするけどな。」

蓮斗「違いありませんね。」

そう談笑していると次は殺戮神の話題になった。

天羽「それにしてもあの欺瞞神をたった5分で戦意喪失させるってどんな事やったのかね?」

蓮斗「なんか殺戮神固有の能力だったらしいですよ。確か名前は...そう、思考死蘇。」

天羽「ナニソレ物騒。」

蓮斗「えーっと、確か思考だけを殺して即蘇生させる能力らしいですよ。発動条件は殺戮神を認識した上で攻撃的な意志を持った瞬間発動するとか。」

天羽「オートな上常時発動型なのか?」

蓮斗「らしいです。」

天羽「何そのぶっ壊れ魔法...」

蓮斗「それで次に使ったのが虚数魔法を使った異時行動。」

天羽「これまた聞き馴染みの無い名前だな。」

蓮斗「私もよく分からないんですけど殺戮神と破滅龍の二柱しか使えない虚数魔法って、本来この世界には存在しない物をこの世界に呼び出して行使するらしいんですけど、」

天羽「ふむふむ。」

蓮斗「虚数魔法で使用する物質や概念がある虚数世界の時間軸を自信に付与した状態が異時行動らしいです。」

天羽「???」

蓮斗「確か時間が1秒たったと思ったら5時間巻き戻ったり、2時間巻き戻ったと思ったら1年経つみたいな、要は理解できない時間の流れ方を自身に付与するらしいです。」

天羽「わっけがわからん!?」

蓮斗「安心してください、私もです。あと虚数魔法の特徴としては触れた全ての概念を崩壊させるって言う副次効果もあるらしいです。」

天羽「それはあれか?プラスとマイナスを合わせたらマイナスになる的な?」

蓮斗「そこまで詳しくはありませんが恐らくそうなんじゃないでしょうか...」

天羽「だめだ、扱える能力がどれもぶっ壊れすぎて参考にならねぇ...」

蓮斗「まぁ、冠位ですし...」

そう話していると病室の外がやけに騒がしいのに気がつく。

蓮斗「何かあったんでしょうか?」

天羽「どうしたんだろうな。」

そう他人事のようにしていると私達がいる病室の扉が勢いよく開かれた。私も天羽も大きな音が突然鳴り思いの外びっくりした。

蓮斗「うわぁ!?」

天羽「なにっ!?」

急いで扉の方へ目を向けるとそこにはなんと新島さんが息を切らしながら立っていた。

蓮斗「新島さん!?どうしたんですか!?」

新島「はぁ、はぁ、ごめんね2人とも...いきなり。はぁ、君たち二人に招集命令が出たの....」

蓮斗&天羽「へ?」

新島「その召集命令を出したのがぁ!?」

そう言いかけた瞬間誰かが新島さんに抱きついた。抱きついた存在に目を向けるとそこには一人の少女が立っていた。

天羽「え、誰...?祇梨、知り合い...?」

蓮斗「いえ、初めて見る子ですね...?」

その少女は私達の顔をまじまじと見てからいきなり私たちに向け走り出した。

天羽「え、ちょ、うわぁ!!」

蓮斗「天羽君ーーー!!」

少女は私達の反応するよりも前に天羽へ抱きついた。天羽も私もいきなりの状況に慌てふためく事しか出来ずにいると新島さんがその謎の少女を引き剥がしながらこう言った。

新島「彼らは今怪我をしているんです!いきなり抱きつくのはおやめ下さい!英雄様!!」

英雄。今新島さんは確実にそう言った。

天羽「英雄...?」

蓮斗「ちょっとまっって.....英雄....?」

天羽「(え、まさか....!!)」

蓮斗「(今の状況で英雄って呼ばれるのって...!)」

エリス「初めまして!私は冠位神威、英雄のエリス・ブレイサー!君達を私達冠位のお茶会に招待するね!!!」

蓮斗「..........」

天羽「..........」

目の前の少女は今自分の事を冠位神威と言った。この世界で冠位の名を語るのは極刑になる程の重罪。それを恐れず堂々と、尚且つ国防軍の総司令補佐に敬称付きで呼ばれた少女が言った。

エリス「ふっふーん!」

そう、今私たちの目の前にいるのは紛れもない、冠位神威である英雄エリス・ブレイサーその人だったのだ。

蓮斗&天羽「っヒュ!!!!」

私と天羽は同じタイミングで気絶した。

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