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雑談

蓮斗「ん...私の部屋か...」

眠りから覚めた私は重い体をゆっくりと起こした。まだ眠い頭を回しながら時計を見た。

蓮斗「もう、15時か....」

時計を見れば帰宅してからゆうに4時間が過ぎていた。何に対してもやる気が出ず再びベットに寝そべるとスマホに通知が来ているのが分かった。寝そべりながらスマホを操作するとそこには香織から

香織「16時に私の家に来て」

そう書かれていた。その文を読み最初は疑問符が浮かんだがふと思い返すと授業が始まる前に後で話そうと言われていたのを思い出した。

蓮斗「あれの事か...」

私は小さく息を吐き香織に

「分かりました。」

そう返信した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私は16時前に香織の自宅に到着しチャイムを鳴らす。1分程経ってから香織が玄関の扉を開けた。

香織「いらっしゃい!待ってたよー!」

蓮斗「お待たせしました。これ、お土産です。」

香織「えー、ありがとう!」

蓮斗「そんな大層な物でもないですし、感謝はいいですよ。」

香織「そんな事気にしなーい。じゃあ、入って!」

蓮斗「はい、お邪魔します。」

そう言い私は香織の自宅へ足を踏み入れた。私は案内されるがまま香織の部屋へ向かい部屋に招かれた。

蓮斗「.......?」

私が香織の部屋に足を踏み入れた瞬間、言い知れぬ違和感を感じた。ここに何度も来た事がある。以前と何かが違う。どこが違う?私がそう考えていると一瞬、この空間が〝揺らいだ〟ことに気付く。

蓮斗「香織さん。」

香織「どうしたの?」

蓮斗「魔法が雑です。」

蓮斗「万象の拒絶〝空間侵食〟」

私はそう詠唱し特殊異能を発動させた。すると私の予想通りこの部屋を包んでいた結界らしきものが崩壊した。

香織「えー、もう気付いてたんだ。」

蓮斗「説明して貰えますか?」

香織「説明したら怒らない?」

蓮斗「理由によります。これは一体どんな効果の結界なんですか?」

香織「えーっとですね、今の結界は空間魔法と精神干渉魔法の二重詠唱で作った結界でして、簡単に言えば嘘が付けない空間を作る結界です。」

蓮斗「なぜそんなものを?」

香織「それは、何か蓮斗が隠し事をしてるぽかったら、本当の事を聞き出そうかなと思ったからです...」

蓮斗「なるほど、つまりは私に本音を言わせたかったと。」

香織「はい。」

蓮斗「はぁぁぁぁぁぁ.....いきなりの事でちょっと威圧的になってしまいましたね。すみません。」

香織「いや、元はと言えば私が最初にやらかしたんだから蓮斗が謝る事ないよ!」

蓮斗「分かりました。」

そう問答が終わり私は椅子に腰掛けた。するとふと一つの疑問が浮かび上がった。

蓮斗「(香織って、前まで二重詠唱使えてたか?)」

そんな疑問が頭をよぎった時部屋に誰かが入ってきた。扉に目を向けるとそこには天羽、翔さん、凛ちゃんが居た。

蓮斗「あれ、なんで3人が?」

香織「私が話をするって言ったらどうしても一緒に聞くって聞かなくて...ごめんね?」

蓮斗「いえ、全然大丈夫ですよ。私も質問したい事ありましたし。」

私はそう言いながら天羽の方へ目を向けた。天羽もそれに気がついたのか笑って見せた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

蓮斗「それで、聞きたい事と言うのはなんですか?答えられる範囲で答えますが...」

香織「うん。私からしたい質問は一つだけ。朝日の配信で使ってたあの魔法は何?」

蓮斗「やっぱり、それですか...」

私はなんとなくこの質問をされるとわかっていた。学園に着いた時の食いつき様、逆にこれ以外の質問だったら驚きだった。

蓮斗「.......」

他4人「.........」

その場を沈黙が包んだ。私は、悩んでいた。もし、真実を話せば皆が遠ざかって行く。そんな気がしたからだ。私が声を発さず、下を見つめていると、香織が落ち着いた声だ語り出した。

香織「私ね、今まで蓮斗と過ごしてきて色んな話をしてきたよね。それでいつもお互いに本音を吐き出しあって、お互いにそれをする関係だと、私は思うんだ。だから、拒絶はしないよ。」

香織は落ち着いた声でそう私に語りかけた。私はその言葉が今まで心の中にあった葛藤や恐怖に対しての答えの一つのように感じた。

蓮斗「はは、香織さんにそこまで言わせるとは、私もまだまだですね...」

香織「蓮斗...」

蓮斗「ありがとうございます。今から全て話します。他言無用とだけ最初に言っておきます。」

香織「うん、分かった。」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

私は今まで私の周りで起きた事、私に憑いてる黒王戦鬼の事、なぜ3週間も休学していたのかを4人に説明した。説明を始めた当初は相槌を打って聞いていた4人だったが、話が進むにつれてその表情は険しいものへと変わって行った。

蓮斗「これが、私が皆に隠していた事です。嘘をついていて、本当に申し訳なかった。」

私はそう言い4人に対して土下座をした。全員は沈黙したまま一言も発さない。

蓮斗「(やっぱり、受け入れられないか...)」

香織「蓮斗。」

私はそう思った。しかし、香織が声をかけてきた。その声に反応した私は体を起こした。すると香織は私の肩にそっと手を乗せてこう言った。

香織「正直に話してくれて、ありがとう!」

香織はそう言い笑って見せた。私が呆気にとられていると後ろで聞いていた翔さん達が私に話しかけてきた。

翔「お前も、苦労してたんだな。正直に話してくれて俺は嬉しいぞ、蓮斗。」

蓮斗「翔さん....」

天羽「お前が黒王戦鬼をね...まぁそれとは関係ないが、お前のあの常識はずれな強さを見たら、なんか納得するよ。それでこそ俺のライバルだ。」

蓮斗「天羽君...私達いつからライバルに...」

天羽「細かいことは気にするな。」

蓮斗「は、はぁ...」

そう私が2人と話していると2人の後ろから凛ちゃんが話しかけてきた。

凛「あの、蓮斗さん...」

蓮斗「どうしたの?凛ちゃん。」

凛「私、他の皆さんと違って、関係はそんなに長くないですけど、助けてくれた事、今でも本当に嬉しかったんです...!だから、あの、私は蓮斗さんがどんな存在でも、嫌いになんてなったりしません!」

蓮斗「凛ちゃん...ありがとう。その言葉だけで、私はとても嬉しいよ。」

私はそう言い凛ちゃんの頭を撫でる。

香織「凛ちゃん、結構大胆なこと言ったね。」

翔「なんだ?ヤキモチか?」

香織「違うモーン!」

天羽「アハハ、まぁ2人とも落ち着いて。」

私は4人が受け入れてくれてとても嬉しかった。その場の空気は先程の重々しい空気から一変、和気あいあいとした明るいものへと変わっていた。

蓮斗「私も答えた訳ですし、こちらからの質問にも答えるんですよね?天羽君?」

天羽「お、おう。」

私は笑顔でそう言うと天羽は少しばかり顔を引きつかせながらそう言った。

蓮斗「天羽君、君、どれだけ強くなってます?」

天羽「と、言うと?」

蓮斗「私があの長野に対してはなった拳、学生じゃ止めれるものではなかった。それに、君、あの男が攻撃してきた時、サラッと上位魔法使ってましたよね?それを全てひっくるめて聞きます。君、どの域まで来ているんですか?」

私がそう言うと天羽は少しばかり真剣な表情をし語り出す。

天羽「今俺と美月和さんは深淵世界の王侯貴族の真祖達に鍛えて貰ってるんだ。深淵世界の時間軸は俺達が住んでるこの世界とは異なっていて、その分、長く訓練をしている事になる。上位魔法も、訓練の成果が。」

天羽はそう言った。私は天羽の目をじっと見つめた。その目には嘘の色が無かった。

蓮斗「成程、嘘は言っていませんね。それで?今はどの領域まで至っているんです?」

天羽「うーん、内緒。」

蓮斗「えぇぇぇ、私は全部話したのに?」

天羽「俺の全力は対抗戦の時に教えてやるよ。俺とお前は同じ、単独戦なんだしさ。」

私はほんの少し釈然としないが、それを飲み込み天羽にこう告げる。

蓮斗「じゃあ、お互い決勝戦で会うことにしましょう。それまではお互い負けないよう願って。」

天羽「お、良いね。そうしよう。」

そう言い私と天羽は決勝出会うことを誓った。その後は少しばかり雑談をし、1時間が経った頃に解散となった。私は凛ちゃんと一緒に帰路へつく。

凛「今日の夜ご飯、カレーらしいです...!」

蓮斗「いいですね。教えてくれてありがとう、凛ちゃん。」

凛「いえ、それ程でも。」

蓮斗「対抗戦まで、残り3週間...まだまだ鍛えないといけませんね。」

時刻は午後5時。日が傾き、東の空が少しづつ暗くなっていく中、私はそう呟いた。

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