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学校生活再開

目が覚めるとそこは国防軍本部の医務室だった。首だけを動かし周りを見渡すとそこには新島さんと荒山総司令官が座っていた。

新島「蓮斗くん、起きたんだね。どう?どこか痛い所はある?」

蓮斗「今の所は特にありませんね。心配してくれてありがとうございます。」

新島さんは私が起きたことにすぐに気づきそう声をかけてくれた。私がそう返すと新島さんは小さく微笑んだ。その様子を見て荒山総司令官は首を傾げ、私達に質問をする。

荒山「お主ら、いつの間にか仲が良くなったんじゃな。何かきっかけがあったのか?」

新島さんはその質問を受けて顔を真っ赤にしていた。仕方が無いので私は体を起こし、その質問に答え始めた。

蓮斗「いえ、そういう訳ではありません。ここ3週間で私たちは色々な体験をしたんです。何回も新島さんにアドバイスを貰ったりして私は新島さんの事を信頼できる人だとこの3週間で思ったんです。」

新島「(蓮斗くん、そんな風に思ってくれてたんだ。嬉しいな....。)」

私がそう言うと荒山総司令官は「なるほど」と短く言った。それはそうと荒山総司令官は私が3週間で体験した事を聞いてきた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

荒山「なるほどのぅ。色々と、修羅場をくぐりぬけたか。それで?3都市に居た強者達はどうだった?とてつもなく強かったろう?」

蓮斗「えぇ。ただ、最初に向かったエーゼルファリアの楽海界人さんの実力だけは未知数でした。」

荒山「ふむ、楽海はお主とは戦わなかったのか。それは惜しい事をしたな、祇梨よ。」

蓮斗「惜しい、と言いますと?」

荒山「儂が惜しいと言ったのかは簡単じゃ。その3人の中で1番強いのが楽海だからじゃ。」

蓮斗「え、そうなんですか...?」

私はその言葉を聞き、とてつもない衝撃を受けた。3人のうち2人とは戦ったが、その2人は明らかに常軌を逸した強さを持っていたからだ。あの二人よりも強いとなると、私の想像力では想像すら出来ない。

蓮斗「あの、楽海さんって滝壺さんや宵ノ森さんよりどれだけ強いんですか?」

荒山「そうさな、滝壺や宵ノ森の強さを100とすると楽海は120と言ったところだ。」

蓮斗「に、2割増...考えるだけでも恐ろしいですね。あと、失礼を承知で聞きますけど、総司令官はこの3人と戦って、勝つ事はできますか?」

荒山「んー、万全の準備と自身の実力の100%を引き出せれば、勝つことは出来る。ただ、奥の手を使われれば、勝つことは出来んな。」

蓮斗「そこまでなんですか...?」

荒山「あぁ。今儂はこの国で最強の称号を持ってはいるが、一部のイレギュラー達相手では、その称号はなんの意味もなさない。」

蓮斗「なるほど...」

荒山「それはそうと、宵ノ森は〝六王神化〟は使わなかったか。流石に才能があるとは言え、子供には使わないという常識はあったか。」

蓮斗「六王神化?なんですかそれ。」

私は荒山総司令官が不意に発したその言葉が引っかかる。今まで多くの本を読んでいた私ではあるが、最近、聞きなれない魔法が多く困惑を覚える事が増えた気がする。その様子を見て隣でお茶を作っていた新島さんが口を開いた。

新島「六王神化って言うのは、以前妖人街で話した極大魔法の1つなの。六王神、つまりは六大属性全ての根源魔法に至った者のみが扱える根源魔法の究極形なの。他の極大魔法は広範囲かつ高火力の攻撃魔法だったり、世界そのものに干渉するんだけど、六王神化は自身を世界の法則を無視するレベルで強化するものなの。」

蓮斗「凄い性能って言うのは分かったんですけど、それを聞くとどれだけ手加減されてたのか分かって、少しは強くなったと自惚れてたのが恥ずかしいです。」

私はそういいながら肩を落とした。それを見て荒山総司令官は大きく笑った。

荒山「ガハハハハ!そう気を落とすな祇梨!あやつが根源魔法の二重詠唱を使った時点でそれなりに認めてるって事だ!誇っていい!」

荒山総司令官はそう言いながらバシバシと私の背中を叩いた。それを見て新島さんは荒山総司令官に小言を言っていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

国防軍本部から自宅へ帰り一日が過ぎ、私は3週間振りの学校に向かっていた。しかし何故か、今日は周りからの視線が気になった。周りを見渡せばサッと目線を外し別方向を見る学生が多い。

蓮斗「(なんか変な場所でもあるか?とても居心地が悪い.....)」

私は内心でそんな事を愚痴りながら自身のクラスへ歩を進めた。

蓮斗「(そういえば、今日は香織や翔さんに会わなかったな。2人して寝坊?いた、あの翔さんがそんなことするわけが無い。だとしたら香織が何かやらかしたのか...?)」

そんな少々失礼なことを考えているとクラス前まで来ていた。こちらの時間では3週間だが、色々なこともあったため、この風景がとても懐かしく感じた。少々感慨にふけっていると予鈴が鳴るのが聞こえた。私は急いで教室の扉を開き中へ入った。

蓮斗「え」

教室に入るなり感じたのは先程よりも強い視線だった。周囲を見渡せばクラスメイトが全員こちらを見ていた。その目はまるで珍しい物を見るかのような、そんなものだった。私がその視線に動揺していると1人が近づいてくるのが見えた。香織だった。

蓮斗「あの、香織さん...?これは一体...」

香織「.......」

蓮斗「あの、どうしたんですか...?」

香織「.......」

香織は何も言わずにじっと私の顔を見る。それでさらに動揺した私は助けを求める様に天羽の方へ目を向けた。目を向けた先では香織同様、天羽がじっと私の顔を見つめていた。

蓮斗「(なんだ、何が起きてる...!?まさか、何かに干渉されてる...!?)」

私は内心パニックになりながらそんな事を考える。すると何も返事をしない香織が私の顔に手を伸ばしてきた。両手で顔を掴まれたと思ったらすごい力で香織と同じ目線まで引っ張られた。

蓮斗「あの、香織さん...?」

香織「......」

やはり返事がない。私の中で何かに干渉されていると判断し、即座に戦闘態勢を取ろうとした時、香織が口を開きこう言った。

香織「うん、やっぱり蓮斗で間違いなさそうだね!」

蓮斗「へ......?」

そう言うと香織は私から手を離す。何が何だか分からずその場に立ちつくす私に天羽が笑いながら近づいてきた。

天羽「いやーすまんすまん。驚かせて悪かったな、祇梨。」

蓮斗「??????」

状況が上手く呑み込めずにいる私に天羽が説明を始める。

天羽「お前今日、すごい見られたろ?」

蓮斗「え、はい。」

天羽「それはな、お前が朝日の配信で戦ってるのが生配信されたからだよ。」

蓮斗「生、配信.....?なんですかそれ....?」

私は唐突にでたその言葉に耳を疑う。生配信なんてものに出た覚えが一切ないからだ。それに朝日での戦闘が生配信?そんな話は宵ノ森さんからは一言も聞いてないと思った時、ふとある事を思い出す。

蓮斗「あ、」

そう、あの時、あの場所にはカメラを持っているアイドルが居た。そして私は戦闘中吹っ飛ばされた時配信という言葉が耳に入ったのを思い出した。

蓮斗「あれの事か...!!!」

私は全ての出来事の辻褄があった事で、今日起きた変な出来事の理由に行き着いた。

天羽「で、アレは本当にお前なのか?祇梨。」

蓮斗「.....はい。その朝日の配信にでてたの、ほぼ確実に私です。」

私がそう言うとクラス中がざわめいた。

蓮斗「あの、その配信ってもしかしなくても....」

天羽「まぁ、確実に学外の人間も見ただろうな。」

蓮斗「ですよねーーーー!!!」

私はここ最近で一番大きな声でそう言った。

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