1別れ
私はどこにでも居るただの社会人。今年で44になる
名前は滝沢修斗。
ブラック企業に務めてはや22年、この所体が痛い毎日である。そんな私にも妻と娘がいる。
娘が生まれ早16年、最近は遅めの反抗期がやってきた。
彩奈「ちょっとお母さん!お父さんが臭いんだけど
ー。あと汚い。」
睦希「そんな事言わないの。お父さん毎日頑張って
仕事してるんだから。」
そう会話をするのは妻の滝沢睦希と娘の滝沢彩奈だ
娘の彩奈は最近私に対して当たりが少し強い。だがそれが思春期特有の反抗期と知っているから私も妻も微笑ましく思っているのは内緒な話だ。
修斗「母さん、明後日の土曜日に旅行に行かない
か?最近それらしい事をしていなかった し。」
睦希「いいわねそれ。そうしましょう。彩奈もそれでいいわね?」
彩奈「.....はーい」
娘が少し不服そうに返事をした。だがその顔はどこか嬉しそうだった。
〜当日〜
修斗「いやー流石は京都。この古風な街並み、神社
仏閣にお茶屋なんかの店がいい味を出してい る。」
睦希「京都に来るのは久しぶりだけどやっぱりいい 場所ね。」
彩奈「すごーい」
彩奈も睦月も楽しんでいそうでよかった。
修斗「さてそろそろ昼だしご飯食べに行こうか。」
睦希「そうね」
そんな話をしていると何やら周りが騒がしくなってきた。悲鳴も聞こえる。私も妻も娘も騒がしい方に目をやった。
その時私たちは驚愕した。なんとこちらに猛スピードで突っ込んでくる車が目に入ったからだ。
私は瞬時に娘と妻を突き飛ばした。その刹那
修斗「ガァァア!?」
その車によって私の体は吹き飛ばされていた。
何m吹き飛ばされたのだろう、視界が赤く頭が働かない。働かない頭を無理やりに回転させ妻と娘は無事かと考えた。その時こちらに誰かが近づいてくるのが分かった。妻と娘だった。
睦希「あなたっ!!こんなに血がたくさん、、!」
彩奈「お父さん!死んじゃやだよ!!」
彩奈が泣き叫び、睦希が狼狽している。
修斗「お前、たち。無事だ、ったか...」
気力を振り絞って声をかけたが途切れ途切れでしか言葉を伝えることができなかった
あぁ、死ぬってのはこんな感覚なのか。体に力が入らない、視界も暗くなってきた、もう、無理だな、
修斗「母さん、彩奈と、2人にして、悪い、、彩奈もごめん、な。」
睦希「そんな事言わないで!もうすぐ救急車も来る から!頑張って!」
彩奈「そうだよお父さん!!頑張って!」
修斗「いや、間に合わない、自分の身体は、自分が1 番よくわかる。だから、もういいんだ、お前たちふたりが無事でよかった、」
2人は私の言葉で全てを悟った。故に何も言えなかった。
修斗「そろ、そろ時間、みたいだ、」
睦希「あなた!!」
彩奈「嫌だよォ、、、」
修斗「おまえたちにあえてよか、、、、、」
最後の言葉を言う前に私の意識は闇に落ちた。