おっさん事情を聞く
続きが書けましたので投稿しました。
宜しくお願い致します。
「はーい、質問が有りまーす」
俺は元気良く手を上げて、疑問に思った事を聞いてみた。
「皆さんは何で道の真ん中で、揉めているのですか?」
「あ~ん?何だおっさん?荷物を置いてとっとと消えろや!」
「それはこの人達が、言い掛かりを付けて来たからです」
相変わらず輩風の若者達のおっさんに対する態度は冷たい。お嬢ちゃんの態度まで冷たかったら、おっさん泣いちゃうぞ。
「ほーっ!言い掛かりとな、こんな可愛いお嬢ちゃんがいたら、おっさんも声をかけてしまうよ!」
「おー、おっさん見る目が有るな、でもウゼェから荷物を置いて消えろ!」
「私がぶつかって怪我をしたので、治療費と慰謝料を払えと、私はぶつかっていませんし、私は確かに避けました!それと、お嬢ちゃんは止めて下さい!私にはルーチェと言う、両親から頂いた名前が有ります!」
「なるほどなるほど。ではお嬢ちゃん改めルーチェちゃんが言うには、悪いのは君達と言う事になるけど、それについて何か言いたい事は何か有るかな?」
「ああ!何言ってんだおっさん!俺は被害者だぞ!歩いてたらこの姉ちゃんがぶつかって来て、怪我させられたんだぞ!」
「何度も言いますが、ぶつかってはいません!何かと言い掛かりを付けてお金を要求して、払えなかったら酌をしろとか体で払えとか言っていたじゃ無いですか!それと、ちゃん付けは止めて下さい!」
ふむ、昔からこの手の輩は何処にでもいるな。餌が有れば何処にでもいる黒くて素早いあの虫みたいに。絶対にいなくならない厄介さは、本当にあの黒い虫みたいだな。
「やっとおっさんにも話が解って来たぞ!話を纏めると君達は常日頃、見目麗しい女性を見付けては因縁を付けて金品を要求、金品で済まされるのかどうかはこの場では君達にしか解らないが、金品で済まされない場合には女性を連れ去ると言う事で良いのかな?ルーチェちゃんがダメならルーちゃんって呼ぼうと思ってたのに…」
「けっ!何言ってやがる!今日偶々こんな事になっただけで、何で俺達が犯罪者扱いされねぇといけねぇんだ?そもそも俺達がそんな事を言った証拠も無いだろ!」
「「「そうだ、そうだ!証拠を見せろ!」」」
「それはこちらの台詞です。現にこうして武器を抜いて私達を威嚇しているでは無いですか!言う事を聞かなければ強引に連れて行く意思表示では無いのですか?それとルーチェと呼んで下さい!」
これで若者達が日頃から犯罪を行っているのは確定だか、どうした物か、山を降りた瞬間に揉め事に捲き込まれるとは、俺はそんなに運が悪かったか?
「まあ、話は大体理解した。そこで提案なんだが、先ず、おーい、其処で気配を消してるお兄ちゃん、ちょと良いかな?」
「えっ僕?僕は部外者で関係無いのだけど!」
「アービィー貴方はまだそんな事を言っているのですか!昔から貴方ときたら、面倒事は私に任せて自分は何処かに行ってしまう!」
「何だ?兄ちゃんも混ざりてぇのか?見た目は悪くねえな!(いつからこの兄ちゃんは居たんだ?気が付かなかったぞ!しかし、この兄ちゃんの見た目は悪くねえな、野郎好きな変態に高く売れそうだ)」
「まあ、そう言わずに。お兄ちゃん改めアービィー君から見て、今回の揉め事の原因は何処に有ると思うかい?俺が思うに、お兄ちゃんは事の成り行きを気配を消して、ずっと其処から見ていただろう?だったらどちらに非が有ったのか解るだろう?」
気配を消しているお兄ちゃんは全てを見ていただろう、面倒事が嫌いなのは解るが、俺は完全な部外者なので関係者を捲き込んで俺は旅を続けたい!って言っても出発してからまだ一時間も経ってないぞ!
「ついさっきこの兄ちゃんも言っていただろ!この兄ちゃんは通りがかりの部外者だ。用が無いなら何処かへ行ってしまえ!」
「いえ、彼は私の連れです!部外者では有りません!アービィー貴方も見ていたでしょう、この人達から言い掛かりを付けて来たのを!」
「どう見てもアービィー君はルーチェちゃんの連れだよな!そんな同じ様な装備を身に付けた人間どうしがが赤の他人なんて、その装備が流行りじゃ無ければ連れとしか考えられないよな普通は!」
「はー…。まぁ、大体そのおじさんの言う通りかな、その輩達も装備の事も含めてね。それと僕も君付けは止めて下さい」
まあ、何と言うかやる気が無いと言うか、面倒臭がりと言うか、感情の起伏が無いのね。気配を消すのは上手いし、かなりの手練れだと思うが、彼のやる気スイッチは何処に有るのかな?
粗方の事情は解ったので、後はどうやってこの場から去るかだな。
勢いと思い付きで書いております。
感想やアドバイスを頂けますと嬉しいです。