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マイペースな、おっさん放浪記  作者: きすぎあゆみ
引き籠りなおっさんの旅立ち編
15/34

おっさん事情聴取される

続きを投稿しました。

宜しくお願い致します。

 俺から順番に俺が製作に関わった身分証を読み取る装置に、身分証を翳して行く。当然だが俺達三人には怪しい所は無いので、あっさりと犯罪には関わっていない事の確認が取れてしまった。


 そうするとカウンターの向こう側の景色に華やかさが無くなり、また野郎だけの景色に変わってしまった…。せめて、華やかさの有る五人と入れ替わってくれたら良かったのに…と思ってしまった事は秘密だ。


「ライナーさんルーチェ君アービィー君、君達には犯罪に関わっていない事が証明された、現場に居たからと一応とは言え疑ってしまって済まなかった」


 ウォレンツ君が頭を下げて、謝罪して来た。


「いや、良いってウォレンツ君も仕事でやった事なんだから、犯罪が起きたその場に居たら疑われても仕方が無いさ。おれは完全に捲き込まれただけなんだけど!」


「街道の治安を守る立派なお仕事ですから仕方が無いですよ、ですからライナーさんごめんなさい」


「僕が捲き込まれただけの被害者だって解れば良いけど」


 ウォレンツ君の立場上人を疑う事は職務上仕方が無い事だから、その事は俺も理解しているしルーチェちゃんも勿論理解している筈だ。アービィー君はどうか解らないが、職務中の事で頭を下げられても逆に此方が申し訳無く思えて来るよ…。


「君達はこれで被害者と言う事になるのだが、捕らえた奴等の事を聞きたいので、少し話をさせて貰えるかな?」


「まあ、仕方が無いか…それよりも腹減ったな!」


「そうですね、事情をお話ししないといけませんね。私もお腹が空きました!」


「僕は捲き込まれただけなので、話す事は何も無いかな。でもお腹空いたね!」


 既に昼はとっくに過ぎているからお腹が空いている。お腹が空くと怒りっぽくなるし集中出来ないので考えも纏まらない、そう思うと喉も渇いて来たな。


「済まないが事情聴取が終わるまで、もう少し待って貰えないか?」


「マジか…もう少しなら我慢しても良いかな!」


「そうですね、もう少し位なら我慢できます」


「僕はもう無理かも!沢山身体を動かしたからお腹が空きすぎて、もう動けないよ!」


「済まないが事情聴取だけはやらせてもらうぞ、捕らえた奴らを馬車に乗せたまま放置も出来ないからな。事情聴取の間に捕らえた奴らを牢に入れる必要も有るからな!」


 護送用の馬車に乗せた輩達をどうするのかと思ってはいたが、警邏隊の詰め所の入り口は正面だけでは無いと思うが、輩達も正面から詰め所に入り牢なり地下牢なりに入れられるので、俺達を見て暴れられても困ると言う建前で取り調べを行うために別の部屋に移動させられる事にも理解は出来る。


「まあ、顔を合わせて暴れられても困るから?って、事か!」


「ああ、そう言う事ですか!解りました」


「えー!僕はお腹と背中がくっつきそうだよ…。」


「こっちに取調室が有るから付いて来てくれ」


「はいよ!」


「解りました」


「はーい」


 俺達はウォレンツ君に連れられて、カウンターの向こう側に有る、取調室に入った。取り調べ室の中には四人掛けのテーブルと椅子が置かれ、部屋の隅には一人用テーブルと椅子が有り一応皮の装備を身に付けてはいるが、どう見ても文系の男が紙の束とペンを持って腰掛けて居た。


「済まないが犯罪行為が行われたので、被害者側の君達を一応取り調べさせて貰う。この取り調べの内容は記録して、捕らえた者達の裁判で証拠として扱われる事になるので出来るだけ詳細に教えて欲しい」


「了解」


「解りました」


「お腹空いた」


「先ずは君達の名前と職業や所属ギルド等が有ったら教えてくれないか?」


「俺はライナー。山奥に引き込もって魔道具や薬の研究をしている。所属先は無いフリーで研究している」


「私はルーチェ・ディル・ディプロアスです。一応ディプロアスを名乗る事を許されてはいますが、分家の傍流にしか過ぎません。今は豊穣の女神様に使える身ですので、ルーチェと名乗っています」


「僕はアービィー・エス・ディプロアス。僕も一応ディプロアスを名乗る事を許されているけど分家の傍流の替えの効く駒に過ぎないかな。今は太陽神様に使えているから、ただのアービィーだよ」


「まさか、辺境伯様に連なる方達とは知らず無礼の数々申し訳ございませんでした」


「マジで、君達は貴族だったの?俺って、ひょっとしてやらかしちゃった?大丈夫?本当に?捕まらない?磔とか嫌だぞ!」


「そんな、気にしないで下さい。私達は家を出た身ですから、もう貴族では有りません。今はただの一神官に過ぎません」


「僕もただの神官だよ」


「そうでしたか、そう言って頂けると助かります。それであの者達に絡まれた時はどの様な状況でしたか?」


「俺は山奥の隠れ家からこの町に、魔道具や薬の材料を仕入れに来る途中に捲き込まれたかな?」


「私は豊穣の女神様の神殿の命を受けてアービィーと共に、領都ミル=エストラールの創造神様の神殿に向かう為に旅立ったところでした。」


「僕は太陽神様の神殿の命を受けて、右に同じ!」


 ルーチェちゃんとアービィー君は貴族でしかも神官とは、貴族流の口減らしか、何か特殊な能力が有るかのどちらかかな?現にアービィー君の戦闘能力や索敵能力はとてもじゃ無いが普通の人族の能力を逸脱している様に見えるからな。


「ライナーさんから捕らえた者共と揉めた経緯を説明してくれないか」


「俺は隠れ家から最短距離で街道に出ようとして、森の中を突っ切って漸く街道に出たかと思ったら、ルーチェちゃんとアービィー君が輩達と揉めていて、輩達が俺にも荷物と有り金を置いて行けって絡んで来たんで、返り討ちにしたって所かな」


「私はぶつかってもいないのに肩がぶつかったと因縁を付けられ、慰謝料をお金で払うか身体で払うかと言われたのでどちらも拒否すると、今度は力ずくで私を弄んで色街に売るとか言い出しましたのでそれも拒むと、彼らが剣を抜いたので身を守る為に抵抗しました」


「僕は面倒臭いから関係無いって言ったんだけど、捲き込まれたかな?」


 大体こんな感じで会ってたよな?いきなりの事で覚えて居たような無いような?記憶が曖昧な部分も若干有るが、誤差の範囲内だろう!


「あの…アービィー君は本気で言っていますか?仮にも身内が拐われようとしていたと思うのですが?。」


「アービィー君は初めて会った時からこんな感じだったから、本気なんじゃ無いかな?」


「この人は昔からこんな感じですので、まともに相手をするだけ時間の無駄です!」


「何気に酷い言われようだね!僕だって僕の信念を貫く為に一生懸命生きてるって言うのに…」


「…大体の事情はわかりました。先程も言いましたがこの事は公式に記録されますので、捕らえた者共の移動が終わるまでもう少し持ってもらいます」


 それからしばらく、腹が減ったと訴えるアービィー君の発言を流しつつ今回の事件?とはあまり関係の無い話をしていると取調室のドアがノックされウォレンツ君が返事をすると、警邏隊の装備を身に付けた若者がドアを開けて「捕らえた物達の移動が完了しました」と、報告すると一礼してドアを閉めて去って行った。


「移動が完了したし、取り調べも終わったので帰っても大丈夫だ。長い時間拘束してしまって申し訳無い!」


「良いって、悪いのは悪事を働く奴らだからな!」


「そうですよ、ウォレンツさんはお仕事ですから仕方が有りません。悪いのあの人達なんですから!」


「本当にそうだよ!僕のお腹が空き過ぎておかしくなったらどう責任を取ってくれるのかな?」


 取り調べも輩達の移動も無事終わったのでこれでやっとの事、昼にありつける!本当に今日は一日が長い気がするけど、内容が濃いからかな?ってまだ昼過ぎだからまだ半日有るんだけど、やっぱり今日は厄日が何かなのか?

勢いと思い付きで書いております。

読んで頂いている皆様、内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。

感想やアドバイスを頂けると嬉しいです。

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