おっさん説明する
続きが書けましたので投稿しました。
宜しくお願い致します。
重要な内容なのだが緊張感の無い、そんな何とも微妙な状況で話を進めていると、街道の先から十頭程の馬が駆ける音と馬が立てる砂埃の様な物が見えて来た。
ルーチェちゃんとアービィー君も何事かと街道の向こうを見つめているし、俺も面倒な事に成らなければ良いなと思いながら街道の向こうを眺めていた。
「なあ、ルーチェちゃんにアービィー君や?」
「はい、ライナーさん何でしょうか?」
「おじさん、どうしたの?」
「あれって、何か此方に向かって来て無いか?」
「あっ本当ですね!馬か何かですかね?」
「街道で砂埃が立つのは、騎馬か魔獣の暴走とかかな?」
「騎馬?魔獣?物騒だな!何でそんな物が街道を走ってるんだ?」
「何か有ったのでしょか?」
「それは足が付いていて、走る生き物だからじゃ無いかな?」
「いや、そんな屁理屈は聞いて無いぞ!」
「あのっ、どんどん近付いて来ますよ!」
「こんな所に居たら轢かれてしまうんじゃ無いかな?」
緊張感が有るのか無いのか解らないが、緊急事態と言う訳でも無いから別にどうでも良いか!。いざと言う時にはどうにでも出来るし、してみせるだけの自信も根拠も有るからな。
~~~
暫くして其処に現れたのは軽騎兵と呼ばれる、皮の鎧等の軽量の防具と剣と弓矢で武装した一団だった。鎧等防具の形状はほぼ統一されており、武具もほぼ統一され、更には皮の鎧の胸元に同じ紋章が描かれている。
「我々はこの辺りの領主であるディプロアス辺境伯家の警邏隊で有る。街道で武装した者達が揉めていると通報が有り駆けつけた。この状況を見る限り、お前達で間違い無いか?」
「えっ?俺達は揉めてないぞ、大体俺は捲き込まれた被害者だ!」
「私も変な人達に絡まれて、連れて行かれそうになりました!」
「僕も捲き込まれた被害者だよ!」
「しかし、お前達も武装しているし、この倒れている連中は何だ?明らかに倒れている連中の方が人数が多いし、怪我をしている者もいるでは無いか!」
「いや、だからこいつらがいきなり絡んで来たんだって!」
「私を拐って弄んで売り飛ばすって言っていました!」
「僕はいきなり、剣で斬り付けられたから反撃しただけなんだけど!」
現れた軽騎兵は辺境伯領の警邏隊と名乗った。出来るおっさんの俺は事前に調査していたから、この辺りがディプロアス辺境伯家の領地と言うのは当然知っていたぜ!何せ貴族家とその関係者や取り巻きと揉めたら面倒でしか無いからな。(若かりし頃の苦い経験談だ<涙>…!)
しかし、この警邏隊の隊長かな?いきなり俺達を疑って掛かるとは、職務上仕方が無いとしても、もう少し言い方が有ると思うのだが!
「解った!言い分は詰所で聞く事になるのでアスケレードの町の警邏隊詰所まで来て貰おう!」
「おう、それは丁度良かった。俺はアスケレードの町に向かって居た所なんだ!」
「えっ?私達はアスケレードの町を旅立ったばかりなのですけど!」
「えー!面倒臭いよ!事情を聞きたいのならそのおじさんに聞いてよ!」
おいおい、本当に捲き込まれた俺を置き去りにして先に行く気か?アービィー君は中々油断ならないな!このままだと俺が容疑者の一人にされてしまうかもしれない。それだけは絶対に認められないぞ!
「ええい、喧しい!皆で一度に喋るな!もう少ししたら護送用の馬車が来るのでそれに乗ってアスケレードの町まで着て貰うぞ!」
「俺は自分で歩いて行くから別に要らないぞ」
「私も急ぎ辺境伯領領都ミル=エストラールの町まで行かなければなりませんのでお断り致します!」
「僕は色々と仕事で忙しいから、断るよ!」
「ええい、ごちゃごちゃ五月蝿いわ!お前達の言い分や倒れている者達の話を聞かないと、どちらの話を信じて良いのか解らないだろうが!言い訳は認めんぞ!」
「認めんぞって言われてもな…俺はのんびりと歩きたいんだが…」
「私も領都で大事なお勤めが有りますので、出来る限り早くに領都まで行きたいのですが!」
「僕も領都に行ってゆっくりしたいのだけど!」
ルーチェちゃんとアービィー君は何かしらの仕事でお出掛けなのか。まあ、お揃いの装備だし年齢の割にそれなりに場数を踏んでいる様だし、余り深く関わると面倒な予感もするな。
「まあ、お前達の言い分も解らんでも無いが此方も仕事なので見逃す事は出来ん!反抗するのなら引っ捕らえて強制的に連れて行くぞ!」
「マジか!強制的ってお宅らに捕縛権が有るのか?」
「警邏隊だから有るかもです…」
「君達、高圧的過ぎないかな?」
「解ったのなら付いて来て貰うぞ!」
「解ったよ仕方が無いか、それじぁ馬車が来るまで待ってるよ」
「解りました、今は貴方方の言う事を聞きましょう」
「はーっ、仕方が無いか…」
「取り敢えず倒れている居る者達を集めて逃げられん様に縄で縛っておけ!」
「「「「「「「「「はっ」」」」」」」」」
警邏隊の隊員達が馬から降り手際良く、輩達を一所に纏め逃げられない様に縄で縛り始めた。
「ほほう!中々手際が良いな!連携も取れているし、お宅らはこの辺では有名なのか?」
「何だ?お前さんは我々を知らないのか?領主であるディプロアス辺境伯様の部隊の一つで街道警備を担っている警邏隊を?」
「ああ、知らないぞ!何せ田舎の山奥から出て来たばかりだからな!」
「いくら山奥でも、領主様の家名位は知っていてもおかしくは無いだろう!」
「俺は山奥で一人暮らしだったからな!他人と話すのも何十年ぶりかだぞ!」
「そんな事が有るのか?何十年も山奥で一人暮らしとは?もしかして犯罪者か逃亡奴隷の類いか?」
「バカ言え、こんなにも優しそうな普通のおっさんが犯罪者や奴隷の訳が無いだろう!」
「優しそうとか、普通のおっさんとかは兎に角、犯罪者等では無いのなら失言だった。謝罪しよう。済まなかった。」
初めは高圧的で融通の効かない奴かと思っていたが、それは立場が立場なので職務に忠実で有るためで、話してみると悪い奴では無かった。寧ろ人の意見を聞く所は聞く事の出来る、好感の持てる人格者だった。こう言う上司なら部下の人達も働き易いよね。多分だけど!
「別に良いって。俺も言い過ぎた部分も有るかもだからな!お互い様と言うやつだ!」
「そう言って貰えると助かる。感謝する!」
「良いって事よ!」
「恩に着る」
「そうだ、未だ名乗っていなかったな!俺の名はライナー優しい普通のおっさんだ!」
「私はディプロアス辺境伯様の部隊の一つで街道警備を担っている警邏隊、三番隊隊長兼警邏隊副長のウォレンツだ!」
「私はルーチェです。宜しくお願い致します」
「僕はアービィー、一応宜しく」
「副長とは随分とお偉いさん何じゃ無いか?」
「そうでも無いさ、二番隊隊長が本命の副長で俺は予備の副長だよ!」
「そんな事無いですよ、警邏隊の総隊長と副長と言えば街道警備の勇。
ディプロアス辺境伯家の道守、街道の番人、道の守り人、ディプロアス軽騎兵って有名じゃ無いですか!」
「ああ、そうだね。噂は聞いたことが有るかな?」
暫くルーチェちゃんとアービィー君更に警邏隊の隊長ウォレンツ君と駄弁って居たら二頭立ての馬車が二台来た。一台は幌の壁と屋根が付けられた幌馬車で、もう一台は犯罪者や犯罪奴隷を運ぶ為に壁と屋根が鉄格子で囲われた馬車で有った。
勢いと思い付きで書いております。
内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。
感想やアドバイスを頂けると嬉しいです。




