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マイペースな、おっさん放浪記  作者: きすぎあゆみ
引き籠りなおっさんの旅立ち編
1/34

おっさんの出番はまだ無い

思い付きと勢いで書いてしまいました。

アドバイスや感想等宜しくお願い致します。

 とある町から町を結ぶ街道。


 街道から少し外れると、北側には木々が生い茂る森が見え更に森が山に続く。山は少しずつ高さを増して行き、険しい山脈へと繋がる。山脈の頂きには万年雪と雲が白く化粧を施す。

 南側には少しばかりの平地が有るが、その先には歩いては渡れない大きさの川が流れ、川の向こうには森が広がる。



 その街道の脇で何やら問題が起きたのか揉めている一団が居た。若い男女に、柄の悪い若者達が絡んでいる。


 若い男女は10代後半で、お揃いなのか、良く洗濯のされたズボンとシャツの上から、皮製の胸当てに、皮製の手甲、皮製の脛当に皮製のブーツに腰には剣を佩いている。

 山道等で杖の代わりや、探索用の棒の代わりにもなる短槍を肩に掛けている。


 防具の上から、背中には皮製の背嚢、腰の後ろにはポーチが付けられ旅人の装いである。


 防具は全て皮製品で統一されているが、素材は上等な物なのか手入れも行き届いており、使い込まれた事により皮製品独特の味が生まれていた。


 腰に佩いた剣も、華美な装飾等は無いが実用性重視の使い込まれた1品に見える。


 一方、若い男女に絡んでいる柄の悪そうな男達は、年齢は20代前半から30代後半までバラバラで頭髪は時々切っているのだろうが、無精髭が目立つ。


 薄汚れた服の上から、思い思いに鉄製や皮製や鎖で編まれた防具を身に付け、武器も剣や槍、戦斧やメイス等自分達の得意な武器を持っている。


 そんな連中が、街道横の歩道部分を我が物顔で横に広がって歩いている。


「痛ー!」


 柄の悪い男の1人に、若い女がぶつかりそうになったのだか、若い女は寸前で男を避けてすれ違った。筈なのだか、若い女とぶつかりそうになった柄の悪い男は肩を押さえてその場に踞る。


「痛ー!痛ー!肩が折れたかも!」


 しかし、若い女は気が付いていないのか無言で立ち去ろうとする。


「姉ちゃんちょっと待てや!」


 柄の悪い男の中の1人が若い女を立ち止まらせようと肩を掴もうとするが、若い女は男の方を見てもいないのに身体を半歩横に移動させて、男の腕から逃れる。

 そして、また何も無かったかの様に歩き出す。


「待てって言ってんだろうが!」


 流石にここまで無視をされるとは思って無かったのか、柄の悪い男達は若い女を取り囲む。


「私に何か用ですか?」


 若い女は、さも今気が付いたという様に男達を見て問い掛ける。


「さっきから、そう言ってんだろうが!」


「はて、私は貴方達の事は知りませんが?」


「てめえ、俺にぶつかって何も無しで逃げるつもりか?」


「私は貴方にぶつかった記憶は有りませんが?」


「さっきすれ違う時に俺の肩にぶつかっただろ!」


 本当にぶつかった記憶が無いのか、いや、ぶつかる直前に避けたのでぶつかっていない。だから女には、男とぶつかった記憶が無いのだが。


「てめえとぶつかって俺の肩が折れちまった、これじゃあ当分仕事が出来ねぇ、治療費と慰謝料を払え!」


「治療費とか慰謝料って、私は貴方とはぶつかっていないので払う気は有りません」


「何だとてめえ!てめえは当たり屋か!」


「当たり屋とは心外な!ぶつかる直前に私は避けました!なので貴方とはぶつかっていません!」


 そこそこ主要な街道なので通行人は多いのだが、他の通行人達は巻き添えになるのが嫌なので、迂回してして通り過ぎて行く。


「みんな聞いてくれよ、このお姉ちゃんが俺にぶつかって俺が怪我をしたのに、治療費と慰謝料を払わねえって言うんだぜロクなやっちゃねーなー!どういう育て方をされたんだ、親の顔が見てみてーぜ!」


「貴方は!」


 若い女は余りの言われように顔を紅潮させ怒りを露にするが、男達の言い分に呆れて反論する気も萎えてしまった。


 連れの若い男を見るが、面白い見世物を見るかの様に楽しそうに第三者に徹している。


 その事も若い女の怒りの原因の1つでは有るが…


 今日はきっとついて無い日なんだ。神様へのお祈りは毎日欠かした事が無いのに、今神様は休憩中なのかな?

 そんな一種罰当たりな考えが頭を過った。

読む専門ですので、他作品と似た内容が有りましたらご容赦下さいませ。

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