ドーナツ
ヒスイのお品書き
ヒスイ「今日からヒスイがおすすめのお品書きを教えるよ。え、なんで言葉をしゃべれるかって?それは聞かないのがマナーなんだって主が言ってた!!
これを読めばいいんだよね。
それじゃあ今日のお品書きはこちら
・3種のドーナツ
・消える主人公
あの輪っか美味しいよね・・・・・って主消えちゃうの?」
家に戻るとコクロとヒスイは縁側で日向ぼっこをしている。ハクトはいつものように読書だ。
「さて、さくっと作っちまうか」
といってもすでにほぼ準備はしてある。
本日のおやつはドーナツ。
すでに整形して二次発酵をしてあるものだ。
作り方は発酵が面倒だが結構簡単。
ボウルに強力粉、薄力粉、ベーキングパウダー、砂糖、塩、ドライイーストを入れて軽く混ぜ、溶きほぐした卵黄と牛乳を入れて混ぜる。この時甘い物が苦手なハクトのために抹茶を入れたものも用意する。
ひとまとまりになったらバターを加えさらに混ぜ、台に出してガス抜き。これが意外と重労働。
ある程度なめらかになったらボウルに戻して濡れ布巾をかぶせて一次発酵。今日は気温が高いので涼しい日陰に放置。
この間にドーナツにつけるグレースやチョコを用意。今日はハニーグレースとビターチョコ、それに生クリームを用意。
発酵して膨らんだ生地を分けてさらに数十分濡れ布巾をかぶせて放置
ベンチタイムが終わったら整形、生地の真ん中に指で穴をあけて円を作っていく。真ん中の穴を大きく作ることで、揚げたとき綺麗なホワイトラインができる。
整形が出来たら濡れ布巾をかけて二次発酵。今回はこのあとコクロとの模擬戦をする予定なので、冷却魔法を使って凍らせて発酵時間をさらに伸ばす。
様子を見てみると一回り大きくなっているので、二次発酵も完了だ。
180度の油で揚げていく。今回はやっていないがクッキングシートを生地の大きさにカットして、そこに生地を乗せた状態で油に入れると形が綺麗に挙がる。今回は数が多いので却下。大き目の鍋で上げても生地は結構大きく膨らむので、揚げるときは少なめで揚げた方がいい。
きつね色に揚がったら油をきり、はちみつと粉砂糖、水を合わせたハニーグレースや溶かしたチョコを付けて固まれば完成。生クリームは今回は添えるだけにした。他にも残った粉糖をかけるだけのシンプルなものを作った。
好みもあるのでまずは一つずつ皿に乗せて試食してもらおう。
「おやつできたぞー!」
3匹ともカウンターの椅子に座り大人しく待っていた。
「甘いハニーグレースドーナツ、甘さ控えめのビターチョコと抹茶ドーナツ、後はシンプルなドーナツに生クリーム添えだ。好みもあるだろうから試食用に1つずつな」
3匹とも好みはすっぱり別れた。
「主この甘いやつもっとくれ!!」
「主様、この緑と茶色の物が気に入りました」
「プルプルプル!!」
ヒスイは生クリームが気に入ったようだ。
ドーナツは今回初めて食べさせてみたが、3匹とも気に入ってくれたみたいでよかった。
「ならできた分だけ、2つずつかな。すぐに出せる分だけ出すよ」
もし気に入らなかったらまずいと思って試食ようにそれぞれ8個ずつ作った分がある。それを出そうとしたのだが「そんな数じゃ足りない」とコクロがごねた。
「でも揚げるのに時間かかるし、夕飯もあるしなぁ」
「それでもいい!!もっと食わせろ」
「ぷるぷるぷる!!」
コクロとヒスイはもっと食べたいアピール。ハクトは黙っているがコクロたちを止めないところを見ると食べたい気持ちはあるようだ。
「ならすぐに挙げるからちょっと待ってろ」
アイテムボックスに入れておけば痛むことはないので、多めに生地は用意している。数でいえば50個は揚げれると思う。この際だから全部上げてしまおう。
この厨房のコンロは魔石と呼ばれる魔力を帯びた石を燃料にして使うものだ。厨房に3口あるコンロ全てに油と鍋をセットして揚げていく。それでも時間が掛かりそうだったので、野営で使うようの携帯魔道コンロを3つ取り出しそこでもドーナツを揚げていく。さすがに6つのコンロで同時に揚げれば時間もそれほど掛からない。
最初の方にグレースやチョコを多めにつけすぎてしまったため、早々になくなってしまった。
しかたない、残りは粉糖のプレーンドーナツでいいか。
全部を作り終えてそれぞれ皿に盛るとやっぱりプレーンが多くなってしまった。数でいえばハニーグレースとチョコが15ずつ、プレーンが20だ。まあプレーンも生地に抹茶が入ってるものもあるし大丈夫だろう。
「ほらお待ちどう、できたぞ」
3種類のドーナツを持って3匹が待ってるカウンターに向かったとき、突然俺の足元が光だし、景色が一変する。
「えっ?!」
俺は山盛りのドーナツ皿を持ち、エプロンをした状態で剣を構える男の前に立っていた。
「どういう状況!!!!1」
お読みいただきありがとうございます。
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