発揮された才能
前回までのあらすじ:おかっぱの少年とカードバトルすることになったクロメ。おかっぱ少年の速攻戦術に対応するため、見事にコスト1カードを引き当て召喚するクロメだったが、相手のカードの方が強く不利な状況を覆すことはできなかった。
クロメ 手札4 最大コスト1 まだまだ体力いっぱい
オカッパ 手札4 最大コスト2 体力満タン
クロメの場 スノーバタフライ×1
オカッパの場 風船モグラ×1 スノーパンダ×1
クロメの手札 コスト2馬、コスト3美女、コスト6巨大ウサギ、コスト6ハラスメントの女剣豪、
同じコスト1でも、ここまで差があるのか……覆さないと!
「私の番、カードを一枚引くよ」
クロメ 手札5枚 最大コスト2 まだまだ体力いっぱい
場にはスノーバタフライが一匹
「そしてコスト2の馬召喚。さらに、念のためスノーバタフライであなたに攻撃!」
ひらひら~
「ふっ、そんなしょぼいカードの攻撃など、全然痛くありません」
スノーバタフライの攻撃を受けた少年の表情は余裕そうだ。うん、やっぱりあまりダメージはなさそう。……私が引いたカードはコスト3夜空を照らす月。何に使うカードか私にも分からない。
クロメの場 コスト1スノーバタフライ×1 コスト2馬×1
オカッパの場 コスト1風船モグラ×1 コスト2スノーパンダ×1
「私のターン、ドロー」
オカッパ 手札5 最大コスト3 体力ほぼ満タン 場には二体のモンスター
「ほう。丁度良いカードを引きました。……コスト3『凄腕ボクサー』召喚」
シュッシュッシュ……
凄い威圧感……かなり強そうなボクサー。……私の手札で彼を倒せるかもしれないのは巨大ウサギとハラスメントの女剣豪だけ。それらを出すまでの時間稼ぎをしなきゃ。
「そして、風船モグラでクロメさんに攻撃!」
ぐさっ
「続けてスノーパンダで……」
ここでスノーパンダの攻撃を受けてしまったら、6ターンまで凌ぐのが困難になってしまう。どうにかして攻撃を防がないと……私の場にはスノーバタフライと馬。……そうだ!
「……スノーパンダは私に攻撃できないよ」
「どういう、ことですか?」
私の発言に、少年の表情が曇った。
「……パンダは穏やかで好奇心旺盛な動物。ぱたぱたと空を飛んでいるスノーバタフライに気を取られていて、私を攻撃できない!」
私の理論に対して、少年は不敵な笑みを浮かべる。
「ふっ。どうやら知識が足りないようですね。確かにパンダは笹だけを食べている草食動物だというイメージがあります。しかし、パンダはクマ科に属する動物。クマの仲間というわけです。人を襲う、肉食獣というわけです。……よって、目の前の獲物をパンダは逃さない」
へぇ~ パンダって肉食動物だったんだ。しかもクマの仲間だったなんて。……でも。
「……本当は、そうなのかもね。でも、『スノーパンダ』はどうなんだろう」
「……何が言いたいんですか?」
少年は私の発言に首を傾け、私の次の言葉を待つ。
「『スノーパンダ』のカードのイラストを見てみて」
「……雪景色の中、パンダが寝転がりながらお腹を見せています」
彼はカードのイラストを見ながらそれを解説する。そして、私は気になった点を話す。
「パンダの顔。……ずいぶんと可愛らしい」
「……!? まさか!」
「この『スノーパンダ』のカードは、実際の肉食動物としてのパンダをモチーフとして作られたんじゃない。パンダの無邪気で可愛らしいイメージをもとにして作られたんだよ! ……つまり、スノーパンダはちょうちょに夢中で攻撃できない」
私の発言により少年の表情が暗くなり、彼は一瞬だけ落ち込む。
「くっ……なかなかやりますね。クロメさん、あなたはかなりのカードセンスをお持ちのようで。」
そして、再び強気な表情に変わる。
「僕のターンは終了です。……ですが、状況は変わりません。場の状況は圧倒的に僕が有利です。クロメさんにこの盤面が覆せますかな?」
そうだった。相手の場には3体のモンスター。どれも強力なカード。それに対して私の場は、攻撃性能の低いちょうちょと馬。次のターンに出せるカードでも、この盤面を覆せるとは思えない。
……どうにかして『ハラスメントの女剣豪』を出せる6ターン目まで耐え抜かなければ。
クロメの場 スノーバタフライ×1 馬×1
オカッパの場 風船モグラ×1 スノーパンダ×1 凄腕ボクサー×1
クロメ 手札4 最大コスト2 まだまだ体力はある
オカッパ 手札4 最大コスト3 ほぼ体力満タン




