チョコ対モナカとフレークの実力
モナカがフレークと共に作戦会議する為に控え室に戻っていく。
そしてチョコは精神統一していた。
情けない事だが俺はこれ以上巻き込まれない様にカカオさんと一緒にモニタールームに逃げた。
「チョコは剣を使わないフレークを少し見下すところがあったんだ。」
カカオさんがチョコとフレークさんの関係について説明してくれた。
「フレークは優秀だから運転や補佐を多めにやって貰っているが、元々は銃の名手で悪魔退治もしてたんだ。
もちろん今でも戦える。
しかも酷い銃オタクでね。
信じられない事にあの細腕でM500やデザートイーグルを片手で撃てるんだ。」
俺は銃にあまり詳しくないので分からなかったが凄いらしい。
ゴム製のペイント弾を装着した銃を持ったモナカと竹刀を持ったチョコが模擬戦用の部屋に入った。
今回はフレークさんが審判だ。
「何もない部屋だと銃に有利だから、より実戦的な障害物のある部屋にしたよ。
お互い部屋の両端からスタートだ。
二人ともゴム弾と竹刀でも痛いから気をつけてね。」
「それじゃあはじめ!」
はじめの合図と共に、ライフルを構えて撃つモナカ。
恐ろしい事にチョコはライフルのゴム弾を切り捨てて真っ直ぐにモナカに向かって走っていった。
モナカはライフルを捨て障害物に隠れた。
チョコがモナカを追うと今度はショットガンを持ったモナカがチョコを狙い撃つ。
チョコもさすがにショットガンを全て切り捨てる事は出来ず、今度はチョコが障害物に隠れた。
モナカのショットガンを障害物を使ってしのいだチョコがモナカの隠れていた障害物に急接近する。
「リロードの隙のある武器なんて欠陥品よ。」
チョコが障害物の裏に廻るとそこにはモナカは居なかった。
モナカの代わりに手榴弾が置いてあったのだ。
「くっ!」
手榴弾が爆発してペイントが撒き散らされる。
チョコはギリギリで障害物に隠れてそれをかわした。
「おのれ!チョコマカと!」
チョコの接近を障害物をうまく使って避けながらモナカがハンドガンを撃つ。
チョコはまた竹刀で弾を切り捨てながらリロードの隙を伺うが、モナカがリロードする事はなかった。
モナカは弾を撃ち終えると銃を捨て、新しい銃を服の中から出した。
服の中のありとあらゆる場所から新しい銃が出てくるのだ。
それでもチョコは竹刀でゴム弾を切り捨てながらモナカを追い詰める。
モナカが広い部屋の隅に追い詰められた。
モナカは最後の銃を取り出してチョコを撃つ。
チョコは余裕で弾を切り捨てた。
その時だった。
いきなりスカートをめくってパンツの中に手を突っ込んだモナカは、パンツの中からデリンジャーを取り出した。
「ふっ、今更何を…。」
モナカのデリンジャーのたった二発の弾をチョコが切り捨てた時奇跡は起きた。
チョコの竹刀が折れたのだ。
「なっ!」
「勝負ありそこまで。
この勝負モナカの勝ちだ。」
それと同時にフレークさんは試合を止めた。
「ちょっと待て!私の勝ちの間違いだ。
モナカの銃に弾はもう無い。
素手でこの後殴り合って私の勝ちのはずだ。」
チョコは納得がいかないとフレークさんに抗議していた。
「左手の袖を見ろ。
手榴弾のインクが少し付いてる。
左手を怪我してる君を殴ってモナカの勝利だよ。
それにいくら避けたとはいえ本物の手榴弾をあんなに近くでくらったら、そんなに元気には動けないよ。」
チョコは新しく木刀を手にフレークさんにくってかかる。
「そんな…、私の剣が銃なんかに負ける訳がない!」
その時だった。
いつものフレークさんからは想像もつかないスピードでフレークさんは二丁の拳銃を構えてチョコに突きつける。
さっきは話しだけだったのであまり驚かなかったが、俺はフレークさんのデザートイーグルを見て驚いた。
あんなでかい銃片手で撃てるのか?
しかもただ片手で撃てるだけじゃなく二丁拳銃だと。
俺の隣に座っていたカカオさんがモニタールームから飛び出していく。
「そこまでだチョコ!フレークに謝れ!」
カカオさんは何故かフレークにショットガンを突きつけながらチョコに怒鳴っていた。
フレークが小刻みに笑いだした。
「クックックッカカオさん、そんな散弾で俺を止められるつもりか?」
「チョコ早くフレークに謝れ!
早くしないと俺達みんな殺される。
お前が剣に命を預ける様に、フレークは銃に命を預けている。
フレークのダブルイーグルの前に生き残った奴は居ない、早く謝れ。」
「私の剣の様に銃を…、フレークごめんなさい。」
チョコはフレークにとっての銃は、自分にとっての剣と同じと気づいたらしくすぐに謝った。
フレークは素早くカカオのショットガンを後ろ回し蹴りで落としながら、チョコに向かって二発発射した。
チョコが持っていた木刀が粉々に弾け飛ぶ。
「次はない、覚えておけ。」
そう言ってからフレークはモナカに近づき話す。
「見事な勝利だったよ。
見ての通り銃は扱いを間違えると危ないからね、ちゃんと仲間を守れる様に練習が必要だよ。
さあ教えてあげるから、相棒に勝利のメンテナンスしてあげよう。」
フレークさんはいつものフレークさんに戻っていた。
「あの私も銃の事聞いていい?」
チョコが反省したのかフレークさんにそっと話しかけた。
「もちろんだとも。
ラムネも降りておいで、この際だから全員銃について教えるよ。」
カカオさんは銃のメンテナンスが面倒くさいのかこっそり逃げ出そうとしていたが、フレークさんに捕まった。
俺とチョコはフレークさんから銃をプレゼントされた。
俺はモナカが弾切れの時にモナカに渡せる様にモナカと同じコルトディフェンダーを、チョコはやはりリボルバーがいいらしくチーフスを選んだ。