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女子の甘い汗の香りとハーレムキス

チョコは優秀だった。

悪魔退治に必要だと言われれば、勉強もしっかりして他のクラスメート達とも仲良くなった。


「キャーッ!ちよこ様よー。」

特に体育の授業は男子生徒と比べてもレベルが高く、男子生徒のファンだけでなく一部女子にも理想の人と呼ばれ大人気だった。


一方モナカは、

「ひーひーふぅ、ひーひーふぅ、……。」

もはやラマーズ法と勘違いしてしまいそうな程必死な様子だ。


俺はモナカに駆け寄り声をかける。

「おい、大丈夫か?

最近なんか頑張り過ぎじゃね?」


「えっ?気付いてないの?」

モナカはガッカリした様な顔で驚いていた。


「何かあったのか?」


モナカは最近凄く頑張っていた。

勉強だけでなく体育、お昼のお弁当も毎日自分で作るだけでなく俺の分も作ってきてくれていた。

それに髪型なんかもいつもよりかわいい。


「鈍感…、まあラムネらしいといえばラムネらしいか。」


「鈍感?

最近モナカが頑張ってるのは気付いてるし、髪型とかもなんかかわいいと思ってるぞ。」


「えっ!そっそうなんだ。ありがとう。」

今度は照れた様な顔で驚いている。


なんか表情がコロコロ変わって相変わらずハムスターみたいだ。


そこへチョコが走ってくる。

うちの学校はブルマとハーフパンツが選べるがチョコはブルマを履いている。

本人曰く、その方が動きやすいからだそうだ。

もちろん女子でブルマを選択しているのはチョコだけだ。


「ラムネ師匠。モナカさん。

私学年1位でした。この分なら体育祭の徒競走もなんとかなりそうです。」


1位…、体育祭…、俺の右肩がチクリと反応する。


大丈夫。

今の俺はこんな事では暴走しない、落ち着くんだ俺。

俺は精神を集中させる。


何を勘違いしたかモナカが真剣な表情で俺を除きこみながら聞いてくる。

「なんでそんな顔してんの?

やっぱりラムネもブルマが好きなの?

私もブルマにしようか?」


熱い、熱い、俺の身体が熱い!


「モナカ!ブルマは俺だけの為に履いてくれ。他の奴には見せるな。」


「あわわわわわ、何言ってんのよラムネ。」

モナカの顔が真っ赤に染まる。


「チョコ!個人戦だけじゃダメだ。

クラスで総合優勝を目指すぞ!」


「はい師匠!

私にはまだ甘えがありました。

個人戦だけを考えていました。」


「よし!走るぞ二人共!」


「はい!」

「ええっ?」


俺達は走り出した。

クラスの女子の応援の声が聞こえてくる。

それを見てノリの良いアメフト部の連中も走りだす。


「いいか、お前達!

体育祭の総合優勝は俺達だ!」


「「「「おおー!」」」」


結局右肩のコントロールをモナカのブルマ発言で失った俺は、クラス対抗リレーにまで立候補してしまい毎日トレーニングに明け暮れる事になった。


そして体育祭当日。

俺達のクラスは俺主導の特訓の成果もあったのか現在三位で最終種目クラス対抗リレーを迎えていた。


「いよいよだお前達!

ここまで来たんだ、必ず優勝するぞ!」

「「「おおー!」」」


現在1位は当然だがスポーツ専門クラスだ。

全員スポーツ推薦で入学しているスポーツエリートクラスだ。


リレーのメンバー四人が甲子園常連の野球部員で、残り二人がサッカー部。

女子代表の二人はバスケ部とバレー部だ。

もちろん野球部以外も全国大会を視野に入れている。


対して俺達は三人が陸上部、二人がアメフト部、そして俺とチョコとモナカだ。


俺は例の右肩のせいで朝晩特訓してリレー代表に立候補して入ったが、モナカは俺の特訓に毎日付き合ってくれて、なんと女子代表に選ばれたのだ。


校庭が興奮の坩堝に包まれる。

そしてスタートの銃声が響き渡った。


作戦通り陸上部の三人がなんとか1位で繋ぎモナカにバトンが渡った。


モナカは小さな体で必死に走ったが214㎝の女子バレー部員とアフリカからの留学生モノスゲー・バキャクに抜かれた。

相手が悪過ぎる。


三位でアメフト部にバトンが渡る。


頼む、どうにか二位で俺にバトンを渡してくれ。


いくらチョコでも、野球部の怪物エース古谷御幸には勝てない。

俺達が総合優勝する為にはなんとしてもチョコに1位でバトンを渡さなければならないのだ。


アメフト部は粘って追い上げたが、三位で俺にバトンが渡ってきた。


万事休す。


ダメか、ダメなのか?


俺の右肩が熱くなる。


バトンを受け取った俺は最初から全力疾走した。


そして一人抜かして2位なった。


誰もが思う、こんなペースで持つわけがない。


俺もそう考えていた。


そんな俺の頭の中の考えとは違い、俺の身体はどんどん熱くなる。


いや、諦めない。

絶対に1位でバトンをチョコに渡すんだ。


俺の速度は落ちるどころか益々上がった。


1位のスポーツクラスの背中まであと少し。


あと少し、あと少し、あと少し…。


あと少しなのに、おい抜けない。


くそ、俺には二位が限界なのか?


その時チョコの声が響き渡った。

「諦めないで師匠!まだ私がいる。」


熱い、熱い、俺の身体が熱い!


俺が諦めるだと?

諦める訳ないだろう。


俺様を舐めるなよ!


俺はギリギリ1位、スポーツクラスとほぼ同時でチョコにバトンを渡した。


チョコは剣術家としての瞬発力を活かしてスタートで野球部の怪物エース古谷御幸の前に躍り出た。


うまい!

これで古谷に少しだけ遠回りさせられる。


チョコと古谷は互角だった。


最後のコーナーを過ぎたところで古谷が仕掛けてくる。


二人が横に並んだ。


体の大きい怪物エース古谷に比べて女子のチョコは明らかに後半不利だった。


ゴール直前チョコは腰を少し低くした。

女子特有の身体の柔らかさとしなやかさがチョコの剣術家としての能力に重なる。


牙突。


突きを応用した動きで瞬間的に加速してゴールに突っ込む。


二人は全く同時のタイミングでゴールした。

少なくても肉眼では判断出来なかった。


さっきまでの大騒ぎとは一転、校庭が静まりかえる。


俺の右肩がチクリと反応して、俺は大声をあげながらチョコに駆け寄り抱きしめる。


「やったー!勝った!俺達が勝ったぞー!」


モナカも気付いて即座に反応する。

「やったわ!私達の勝利よ。」

俺達三人は抱き合って叫ぶ。


アメフト部も気付いて駆け寄り俺を胴上げし出した。

クラスの女子が黄色い声を上げて、校庭中が拍手に包まれる。


スポーツクラスが勝って当たり前なのだ。

一般クラスの俺達が勝った方がドラマが有って面白いのだ。


ただの学校の体育祭にはカメラ判定なんてないのだ。

ゴールの体育教師もどっちが勝ったなんてわかっていない騒いだ方が勝ちだ。


野球部の連中は体育教師に文句を言っているが知らん。


すると古谷が俺のもとに走ってきた。


「負けたよ。」

古谷が握手を求めてきた。


俺は古谷と握手してお互いの健闘を讃え合う。


「甲子園絶対に出場しろよ、応援に行くからな。」

「ああ、期待して待っててくれ。」


古谷はどこまでもスポーツマンだった。


チョコの頑張りによる一位総合優勝と古谷のカッコ良さで興奮した女子達が集団で俺に抱きついてキスしてくる。


体育祭でほんのり甘い女子の汗の香りに包まれながらのハーレムキスに俺はうっとりしていた。


チョコはそんな俺を師匠なら当然だと自慢げに見つめ、モナカはまた怒っている。


ああ、頑張るって素晴らしい!


俺は調子に乗って女子達の芳香を堪能しながらキスしまくった。


土曜日、日曜日は更新ありません。

また月曜日からよろしくお願いします。

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