これからの事とフレークの決意。
無事生還した親達は今後の悪魔との付き合いを考えていかなくてはならなくなった。
「やっぱり倒すべきなのよ。」
チョコは相変わらず悪魔 即 斬の姿勢を崩さない。
「だから倒せないからこうして話し合っているんだろうが、お前だって奴を前にすると動く事すらままならないだろ。」
カカオはチョコをいなす。
「僕は討伐には反対だね。
ましてやせっかく生きて帰ってきたばかりなのに。」
フレークは討伐には反対だ。
フレークはただの銃マニアなだけでその特技を活かして仕事をしている。
仕事でもない、ましてや害もない悪魔は討伐対象外だ。
「私も討伐には賛成なんだけど、現実問題倒せないし、緊急事態宣言で人を集め様にもフレークの言う通り害もないどころか人類にプラスな事しかしてないのよね。」
玲子さんは討伐したいがやめとこう派といった感じだ。
「俺も玲子とどう意見だ。
倒せないし、討伐隊を組んで倒すならもっと悪さをしている悪魔や悪霊や魔獣はいっぱいいる。
何も悪さをしていない以上は今は放置して様子を見るしかないだろ。」
カカオも玲子さんと同じできるなら討伐したいがやめとこう派の様だ。
「ラムネはどうなのよ?
あんたの事気に入ってあんたの家に居ついてるんだから討伐したいわよね?」
みんなの視線が俺に集まる。
チョコはどうしても討伐したいらしい。
「なんか悪魔にこういうのも変なのかもしれないですけど、アイツ結構いい奴ですよ。」
「「「「えっ?」」」」
何言ってんだこいつと言う視線が一斉に向けられる。
そんな俺を助けてくれたのはモナカだった。
「私もあの悪魔はいい人だと思う。
害がないのに悪魔だからって悪いと決めつけるのは差別みたいで嫌だな。」
「はあ!
二人はまだ経験が少ないからそんな事言えるのよ。
悪魔にどれだけの人が殺されて不幸にされてきたと思ってるの。」
チョコが俺達に怒鳴った。
「でも悪さした悪魔は悪魔で、彼はまだ悪さをしてないよね?」
俺はチョコの剣幕にびびって何も言えなかったがモナカは食い下がった。
「その『まだ』が問題なのよ。
暴れだしたらどうするつもりなの?」
チョコの言う事はもっともな正論だと思う。
「私達が止めて注意してあげればいい。」
なんとモナカはチョコ以上の正論をぶつけてきた。
「止められるわけないでしょ!」
チョコは甘い事を言うモナカに更に白熱しだした。
「だから僕達は強くならないといけないんだ!」
二人の言い合いに珍しく介入したのはフレークだった。
「倒すにしても注意してあげるにしても、どっちにしろと強くなる事は必要だ。」
「そうね。」
「だな。」
玲子さんとカカオもフレークに同意する。
フレークの言う通り俺達は彼と数分話すだけでも必死だ。
という訳で明日から俺達はフレーク指導のもと強化訓練を開始する事になった。
ーーー
俺が家に帰るととてもいい匂いがした。
キッチンを覗くと悪魔が料理を食べていた。
「あっおかえり。
ラムネの分も我が作っておいてやったぞ。」
なんと悪魔は自信満々でそう言って、冷えた俺の分の料理にラップをかけてレンジに入れてチンしはじめた。
「あとゆかりんの餌も冷蔵庫に作ってあるから食べさせてやってくれ。」
悪魔はそう言うと二階の部屋に戻って行こうとした。
「ちょっと待ってくれ。」
俺は今日のみんなとの会話を掻い摘んで悪魔にした。
「我は別にどっちでも良いぞ。
強い人間が襲いかかってきてくれれば楽しいし、仲良くなって新しい人間の食べ物や遊びを教えてもらえるのも楽しい。
あまり長く話せないのも不自由だし頑張って強くなってくれ。
せっかく我がご飯を作ったのだ。
我の強さの前で体調が悪くなる前に食べるが良い。」
そう言って悪魔は今度こそ二階の部屋に戻っていった。
悪魔の作った料理はとても美味しく最近料理を覚えた様には思えない実力だった。
俺は冷蔵庫からゆかりんの餌を出して二階に持っていく。
トントン。
「ご飯美味かったぞサンキューな。
俺はまだ一緒に食べられないけどゆかりんは一緒に食べられるのだから作ったお前が餌をあげるといいぞ。」
そう言って俺は部屋の前にゆかりんと餌を置いて下に降りてきた。
クックック、ラムネの奴め!
俺は『まだ』一緒に食べれられないとぬかしおったな。
強くなって我を倒しにきてくれるのか、もしくは…。
そんな事を考えながら悪魔はゆかりんに餌を与えるのであった。
ーーー
次の日俺とチョコとモナカはフレークの訓練に参加していた。
そこにはうちに居ついている悪魔とは違うもう一人の悪魔がいた。
もちろんフレークだ。
「違う!
曲がり角ではウィーバースタンスで構えろ。
アイソセレススタンスとの違いを理解して使いこなせ。」
「ラムネとチョコは良く考えてトランジションしろ。
剣を使った方が良い場面と銃を使った方が良い場面を見極めろ。」
「モナカもだ。
アサルトライフルを持つ手が下がってきてるぞ。
狭くて動き辛い場所はハンドガンにトランジションしろ。
アサルトライフルが重いなら最悪その場に置いていってもいい。
あとでサブマシンガンも検討しよう。」
フレークはこの的確な指導を何と自分も訓練に参加しながらしている。
フレークの装備が何キロあるかはわからないがフレークはアサルトライフルではなくマシンガンを背負っていた。
自分のせいで若い三人が死にかけた。
絶対に三人を強くし自分も強くなる。
フレークはそう思っていたのだった。




