フレーク救出作戦。
戦闘が確認出来た場所は玲子さんが指差した船着き場に近い場所だった。
つまり他の隠れられる場所や拠点は全て潰されたという事になる。
玲子さんが望遠鏡を覗きながら言う。
「最悪な状況ね。」
「でも玲子さんが言った通りフレークは最前線か一番船着き場に近い場所にいる事になります。
きっと生きてますよ。」
俺は玲子さんを元気づける。
そうこうしている間にも船の中では緊張が走っていた。
「爆撃して助けろよ!」
「馬鹿野郎仲間達まで巻き込んじまう。
狙撃班がやれよ。」
「馬鹿野郎こっちも同じだ。
こんな揺れる船の上から何キロも狙撃出来る訳ないだろ!」
ババババババン。
突如銃声が響き渡りおっちゃんが叫ぶ。
「落ち着け馬鹿野郎ども。
拠点じゃなくていつも通り船着き場から拠点の間を爆撃して上陸班を援護するんだ。
その方が生き残り連中も逃げて来やすくなるだろうが!
狙撃班は船が着いたら揺れが収まるから上陸班の邪魔にならない位置にさっさと陣取って準備しな。」
おっちゃんの指示は的確でわかりやすかった。
戦闘員は落ち着いて自分達のやるべき事の準備をはじめたのだった。
ーーー
バババババン。
船から聞こえたm9の銃声を聞いてフレークは島に来てはじめて生きた心地がした。
銃マニアのフレークでさえもうしばらくは銃を撃ちたくないほど腕が痺れていた。
フレークは今日だけで二万発以上撃っていた。
愛銃のデザートイーグルも既に壊れてしまっていた。
しかもフレークはいつもはパーツだけでも使える物は大事にするのに壊れたデザートイーグルを投げ捨てて来ている。
それほどまでに厳しい戦場だった。
追い詰められているのはフレークだけではない。
他のガンマン達も同じだった。
m9の銃声を聞いて船着き場に向かって走りだす者もいた。
咄嗟に走り出した者達に剣を向ける少女がいた。
「何しやがるんだ!」
「みんな落ち着いて。
あなた達が船着き場に走ったら上陸の為の爆撃が出来ないじゃない。」
何度攻撃を受けようとも血だらけで戦い続ける少女。
その冷たい眼差しと冷徹なまでの判断力にガンマン達は恐怖すらした。
「すまねえ、俺達とした事が助かった。」
少女よりも何年も歳上の経験豊富なガンマンの一人がすぐに少女に謝る。
この状況で少女に剣を向けられたくらいで冷静になれる時点で既に優秀な戦士だった。
ここに生き残って居るのはフレークと同じで名の知れたガンマンばかりだ。
中途半端な実力者は既にみんな死んでいた。
珍しくフレークが大声をあげてみんなに指示する。
「m9でもグロックでもマシンガンでも何でもいい。
出来るだけ火力の高い銃に持ち替えろ。
爆撃が終わったら残弾も何も気にせずに撃ちまくりながら船に走るんだ。」
フレークの言葉に剣の少女も声を張り上げる。
「残念だけど殿は期待しないでね。
爆弾を仕掛けて一気に船まで走るわよ。」
ガンマン達は協力して爆弾を用意する。
フレークが再び叫んだ。
「後は船が着くまで生き延びるだけだ。
行くぞー!」
ーーー
俺は船の甲板で上陸の時を今か今かと待っていた。
既に望遠鏡でフレークらしき人物とチョコを確認している。
途中何やらガンマンに剣を向けていたが、ガンマンだらけのこの島で日本刀を二本振り回す少女などチョコしか居ないのだ。
「焦ってんじゃねえよラムネ。
こういう時こそさっき渡した黒い玉を食べるんだよ。
いいか、奥にいる魔獣には手を出すなよ。
フレークとチョコを救出したら必ず船に戻るんだ。
モナカもだ。
モナカは余裕があるなら船に戻った後は狙撃班に混ぜてもらえ。」
「はい!」
俺とモナカはカカオに返事をして黒い玉を食べる。
「うわっまっず!」
「何これー、絶対食べちゃいけない奴だよ。」
俺とモナカが黒い玉の不味さに文句を言っていると爆撃がはじまった。
ーーー
爆撃がはじまった事を受けてチョコとフレークが動く。
チョコが思い切って魔獣に接近して攻撃し、
フレークが援護射撃する。
チョコは剣にいつものキレがなくフレークの射撃精度も甘い。
二人はもう既に限界を超えているのだ。
チョコ剣には既に魔力も霊力も流れてはなく、フレークの肘は銃の反動で腫れ上がっていた。
そしてそれを差し引いてもなお魔獣が強すぎるのが問題だった。
魔獣は知恵を持っており弱い者から順に食べていた。
生き残りがいれば新しい餌が助けに来ることを知っていた。
新しい餌が来るまで暇しない様に活きのいい餌を残して楽しんでいるのだ。
「あんまり好きじゃないけど仕方ない。」
フレークは魔獣に向かって手榴弾を投げる。
チョコはその隙を見て魔獣の足を斬りつける。
それと同時に式神を使い爆弾を魔獣に落とした。
「走れーーーー!」
チョコの叫び声をきっかけにガンマン達が必死に走り出す。
チョコとフレークも殿など勤めていられなかった。
ガンマン達と一緒に全力で船に向かって走る。
ーーー
一方俺達は船から飛び降りチョコとフレークの元へ走った。
俺達の部隊は4つ。
船に残って船から撃つ部隊。
船の近くの霊を倒す部隊。
フレーク達を救出に向かう部隊。
魔獣を討伐に向かう部隊。
俺とモナカとカカオは最初から全力だった。
俺とカカオは走りながら剣で敵を斬り捨てモナカは新銃HK45を撃ちまくる。
俺達とフレーク達の距離が徐々に縮まる。
あと少し…。
その時だった。
危ない!
爆弾の爆発から立ち直った魔獣がフレークに襲いかかったのだ。
今週は投稿時間が乱れてすいませんでした。
また来週も月曜からよろしくお願いします。




