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リスとナマケモノとS&W M500

俺とモナカは学校が終わった後、施設に向かった。


いつも居る喫煙所にカカオの姿はなく、森林での戦闘を想定した訓練エリアにフレークと一緒にいた。


「ほーら、リュッ君はどの木がいいでちゅかぁ?」


「ダメだよカカオ、その木はペッパーが使うんだ。」


「別にリスの木なんか何でもいいじゃねえか。

リュッ君は海外の生き物だから日本の木に中々合わないんでちゅよねー。」


「リスじゃなくてペッパー。

ペッパーも魔界の生き物なんだから条件は一緒じゃないか。」


そこにはこの間の戦闘のカッコ良かったおっさん達の姿はなく、ペットの為に木を取り合う気持ち悪い中年の姿があった。


さらにカカオは喋りかける言葉まで赤ちゃん言葉だ。


俺達は何も見なかったふりして声をかける。

「こんにちわ。」

「うぃーす。」


「おう!ラムネとモナカじゃねえか、もう学校は終わったのか?

通販で買った飼育グッズ届いてるぞ。

それからな…。」


カカオの話し方は普通に戻ったものの、話す内容はペットの話ばかりだった。


俺はチョコが式神の特徴を最大限生かして自爆技を多めに教えている気持ちが少しわかった気がした。


モナカが俺の脇をチョンチョンとつつく。

「ねえラムネ、カカオさん今日はタバコの匂いしないね。」

小声でそう伝えてきた。


どうやらカカオはリュッ君が気にいったらしい。


モナカはさらにフレークに話しかける。

「フレークさん、この間の戦闘でディフェンダーが調子悪くなったから見てもらえませんか?」


「どうしたんだい?」


「トリガープルが重くなって、ストロークが伸びた気がします。」


「よしメンテナンスしよう。

もし壊れていても大丈夫、最悪ニコイチして大切に使ってあげようね。」


「はい。」


「壊れていた時はどうするんだい?

また新しいディフェンダーを取り寄せるかい?」


「それが撃ちたい銃がありまして…。」


「9ミリで揃えるならm9かグロックかな?

僕のオススメは9ミリじゃないけどデザートイーグルだ。」


「実はHK45のグリップが気になってて…。」


「ワオ!それは最高だね。

モナカも9ミリ卒業だね。」


二人と2匹は何やらよくわからない単語を話しながら嬉しそうに訓練エリアを出ていく。


このままここに残ればカカオのペットトークを永遠に聞く事になり、二人の後を追えばマニアックな銃トークが待っている。


前門の虎、後門の狼とはまさにこの事だろう。


「俺は射撃場行ってきますね。」


カカオにそう伝えて俺は逃げた。


射撃場にはフレークが良く使っているのと同じデザートイーグルとさっきモナカが言っていたHK45と何やら古臭くて大きいM500という銃が置いてあった。


俺は自分のコルトディフェンダーを取り出して撃つ。


「爽快感があって気持ちいいな。」

俺は銃の爆音に心をはずませる。


俺はしばらく経つと、置いてある3つの銃が気になりはじめた。


モナカは銃を愛しているから直ぐにディフェンダーを手離す事はないと思うが、今後壊れたりすると他の銃に変わるかもしれないんだな。


俺はモナカのサポートとしてもディフェンダーを選んでるから、モナカが9ミリ弾じゃなくなるなら俺も銃を変えて弾を揃えた方が良いかもしれないな。


俺はまずモナカが希望するHK45を手に取ってみた。


確かにグリップの形が独特で握りやすい。


本人が試す前に俺が撃つのも良くないと思い俺は銃をもとに戻した。


そうなると残り2本だがフレークが愛用しているデザートイーグルというのは危ないと俺でもわかった。


俺は残りの1つでかくて古臭いM500という銃を手に取った。


よく見ると銃にはS&W M500と書いてあった。


「スミス アンド ウェッソンだな。

俺でも聞いた事あるぞ。

これなら古そうだし、有名だから俺でも撃てそうだ。」


俺は銃にいつもよりちょっと大きめの弾を込めて片手で構える。


「リボルバータイプの銃と言えば片手撃ちだぜ。」


俺はかっこよく引き金を引いた。


ドゴンンンン!


大砲の様な爆音が鳴り、猪に突撃されたかの様な衝撃が俺の肩を襲う。


俺は片手で支える事など当然出来ず、手に持っていた銃が俺のおでこに吹っ飛んできた。


気がつくとそこは医務室だった。

カカオの使い魔リュッ君が心配そうに俺のおでこに手を置いて回復してくれている。


フレークの肩からペッパーが降りてきて俺に言う。

「お前いきなりM500とはなかなかセンスあるじゃねえか。」


そうだ俺はモナカと弾を揃えようと思ってM500という銃を撃って倒れたのだ。


「ごめんなさい。

モナカと弾を揃えようと思って大きい銃を撃ってみたんだ。」


俺はフレークに謝った。


「仲間で弾を揃えようとするのは良い試みだね。

でも新しい銃を触る時は必ずどういう銃なのか勉強してからにしようね。」


フレークは怒らないで優しく俺に言い聞かせてくれる。


「こうなったら全員M500でいいじゃねえか!

その方が弾拾いの俺もハッピーだぜ!」

どうやらペッパーはM500が好きらしい。


「ペッパー、実戦でM500運用するのは僕でも嫌だよ。

たまに射撃場で撃ってあげるから変に騒がないでくれ。」


俺はナマケモノのリュッ君に傷を治療してもらった後、フレークとモナカから3時間くらい銃講座を聞かされた。


M500というのは慣れた人でも脱臼したり、素人が触ると死亡事故が起きる程の銃だという事がわかった。


どうやらフレークは怒っていなかった訳ではなく、俺が生きてた事を安心してくれたらしかった。

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