チョコカカオフレーク
放課後俺はいつも通りモナカと一緒に電車に乗る。
小柄でリス顔のモナカは大人しそうに見えて良く痴漢にあうからとモナカの母親に頼まれたのがきっかけだ。
地元の駅で電車を降りモナカは塾へ向かった。
俺は家への近道になるでかい公園を歩いていく。
この公園はよく変質者が出るせいであまり人は通らない。
「待ちなさい、悪魔!」
いきなりそう呼ばれて振り返ると、ギターケースを背負った制服を着た女の子がいた。
これから起こる事がわかったのか俺の右肩がチクリと熱くなった。
「なんだ?いきなり失礼なヤツだな。新手の逆ナンか?」
「うるさい!正体はわかっているのよ悪魔!」
そういうとその女の子はいきなりギターケースで殴りかかってきた。
俺の右肩が熱くなる。
熱い、熱い、俺の身体が熱い!
「そっちが先に殴りかかってきたんだ、後で文句言うなよ。」
俺はギターをかわし、右のフックで思いっきり女の胸を横から殴った。
柔らい感触が俺の拳に広がると同時に俺の身体が熱くなっていく。
俺はやるぜ!
俺は胸を痛がり押さえる女に向かい低い姿勢からのアッパーで股間を思いっきり殴った。
俺は胸と股間を押さえて転がる女を見て堪らなくなる。
何故だか身体がどんどん熱くなっていく。
「くっ悪魔め。」
女はギターケースを開けて中から二本の日本刀を取り出して構える。
日本刀だと…。
俺は日本刀を見て冷めるどころか益々熱くなっていく。
「必殺奥義…」
「チョコ待てそこまでだ。」
振り返ると今度はでかい筒状の鞄を持った無精髭のおっさんが立っていた。
「突然こいつが襲いかかって悪かったな。」
おっさんが話しかけてくる。
「なんだ?おっさんもやる気か?」
俺の右肩が熱くなって警戒する。
「やらないやらない待ってくれ。
ちゃんと謝るし説明するから聞いてくれ。
それに俺はまだ30代独身だおっさんはやめてくれ。」
おっさんの名前はカカオで俺に襲いかかってきた女がチョコ。
どうやら悪魔退治の組織の人間らしい。
俺から悪魔の反応が出たので、調べようとしてたが、女が暴走して襲いかかったとの事だった。
カカオと名乗ったおっさんが言う。
「で、早速で悪いんだが念の為調べさせてくれないか?」
「はあ?嫌だね。
なんで急に襲いかかってくる女の仲間になんか調べられなきゃいけないんだ?」
「ちょっとあんたやっぱり悪魔なんでしょ?」チョコという名の女がまた俺にくってかかってくる。
カカオというおっさんがまた止めた。
「待てチョコ。命令を無視したお前が悪いんだろ。
協力費として3000円払う。
20分くらいかかるが血を抜いたりするような検査はない。
時給9000円のバイトと思えば特くだぞ。
それに焼肉も奢るぞ。」
暴れたせいなのかまた腹が減っている。
俺はお金と焼肉につられて検査と引き受けた。
おっさんのワゴン車の中で今度は細い眼鏡のおっさんに機械を当てられる。
「あー、やっぱりこれは人間だね。
少し出てる悪魔の反応は悪魔に接触したんじゃないかな。」
チョコが鼻息荒く言う。
「悪魔召喚士じゃないのか拷問して話させるべきだ。」
「いや、そういう反応じゃないんだ。
いつまでも子供じゃないんだチョコは少し落ち着いたらどうだい?」
「どうやら俺の無実が証明された様だな。
そこのガキはさっさと謝れ。
それから話しも焼肉中にしてくれ。」
俺は子供と言われて凹んでる女にガキと言って追撃した。
「ごっごめんなさい…。」
意外と素直に謝られて面白くない。
今度は無精髭のカカオというおっさんが言う。
「まあ、こいつの言う通りだ。
せっかくの経費で焼肉ださっさと行こうぜ。」
俺達は焼肉屋のテーブルに座った。
「念の為もう一度自己紹介しとくぜ。
俺が小隊のリーダーでカカオだ。
こいつがチョコでこっちのさっき検査したのがフレークだ。」
「うちのチョコがいきなり襲いかかったんだって?とんだ災難だったね。もし悪魔に呪いとか掛けられてるなら僕が力になれるよ。一応さっき調べた感じだと呪いの反応はなかったから安心して。」
フレークは割と気さくな人だった。
俺は特に自分からは何も言わずに焼肉を食べまくっていた。
「ちょっとあんたこっちが名乗ったんだから、肉ばっかり食べてないで名前くらい教えなさいよ。」
「なんでお前なんかに教えなきゃならないんだ?俺は検査を受けて人間だと証明されたんだ約束通り肉食ってるだけだろ。」
なんでだか知らないが今日は脂っぽいモツがやたら美味く感じる。
「まあ、二人とも落ち着いてくれ。
チョコは退魔士の家系で両親を悪魔に殺されてるんだ許してやってくれ。」
「ちょっとカカオ。勝手に私のことを話さないでくれる。」
「お前が命令違反したのが原因だ仕方ないだろ。おい少年カルビ追加しようぜ。」
カカオというおっさんはカルビがお気に入りのようだ。
「僕はタンを塩で頼むよ。」
フレークは塩タン派か。
「カカオさん俺の名はラムネだ。
カルビとタン2人前ずつにしてくれ。
あとライスとカルピスお代わりだ。」
「あいよ、良く食うな。若いっていいね。
俺達もビールお代わりしようぜフレーク。」
「僕はレモンサワーにしてくれ。」
「ちょっと二人ともいい加減にしてよ。
大体ラムネって何よ!私達のコードネームバカにされてるじゃない。」
チョコがまた起こり出した。
「うるさいぞテーブルマナーの出来てない女だな。
お前等の名前コードネームなんだな。
あー、心閉じたわー。」
俺はチョコをおちょくるだけおちょくった後、おっさん達と焼肉を楽しんだ。
「ふー、飲んだ食った。
これ調査協力の9000円だ。
あと一応俺の名刺も渡しとくからまた悪魔に絡まれたら連絡くれ。」
カカオさんは約束通りお金を渡してくれた。