表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/40

悪魔との出会い

夢に破れ希望を失った時、人は覚醒する。


僕は失敗したんじゃない、今は種を蒔いているんだ。


いろんな経験を積んで力を蓄えているんだ。


ぼくの名前は鶯谷(うぐいすだに) ラムネ。


自信を無くしてしまった。

もう一歩も歩けない。


人が生きるのに必要なのは酸素でも、水でも、食べ物でもない、自信だ。


ただただ生きてるだけの日々。

本当にそれを生きていると言うのだろうか?


目の前空間が突然開き、中から悪魔が現れる。


「お前本当に美味しそうだな。」


僕は動けなかった、どうしていいかもわからない。


悪魔の口が僕に近づく…。

何も出来ない、動けない死んでしまう。

その瞬間追い詰められ過ぎた僕は覚悟を決めて悪魔の顔面をぶん殴った。


悪魔の顔はピクリとも動かなかった。

僕の手は壁でも殴ったかの様に痛い。


悪魔が笑う、何事もなかったかの様だ。

「まだ生きるのか?死にたいと思っていたのではないのか?良かろう今回はその美味そうな絶望だけを食ってやろう。」


僕の身体から黒い何かが悪魔の口に吸い込まれていく。


「お前の絶望は本当に美味いな。

ここまで美味い絶望の持ち主は千年に一人会えれば良いくらいだ。

お前に力をやろう。人間界では珍しい物だぞ大事に育てるが良い。」


悪魔の指の先に何か黒い植物の種の様な物が浮かび上がる。


悪魔は爪で僕の右肩を切り裂く。


「うっ!痛い、痛い、痛い。」


そしてその黒い種を僕の傷口に植えた。


「あっあ…。」


僕は余りの痛みと恐怖に意識を失った。


目が覚めるといつもの布団の上だった。

スマホで時間を確認しようと手を伸ばすと右手が痛かった。


変な夢でも見たから壁でも殴ったのかもしれないな。

念の為自分の右肩を確認したら血だらけだった。


驚きのあまりガバッと起き上がり、自分の右肩を確認する。


傷口からの出血は既に止まり、傷口が糸で縫った様になっていた。


夢じゃなかったのか…。


急に頭の中が冷えてきた様な不思議な感覚になり、僕はお風呂場に向かいシャワーで血を流して着ていたシャツを洗った。

何故だか人にバレちゃいけない気がしたのだった。


いつも通り僕は制服に着替え学校へ向かう。

悪魔を殴った右手が少し腫れているが、右肩は傷跡があるものの痛みはなかった。


何事もなくなく午前中は過ぎ去ったが、昼休みに時間が起きた。


「おい、パン買って来いよ。」

いつも通りクラスのアホな不良が、ニキビ顔の生徒をこき使ってイジメていた。


相変わらず不快な奴等だ。

そう思った時、僕の右肩がチクリとし熱くなり出した。


熱い、熱い、俺の身体が熱い。


「おい!アホトリオ、俺の前で不愉快な事したんじゃねえよ。」

突然僕の口からとんでもないセリフが飛び出した。


「あぁ?なんだてめえ、このクソニキビ庇うのかよ。」


身体がどんどん熱くなる。

もうこの気持ちは止められなくなっていた。


「お前等本当にバカだな。

クソニキビなんかどうでもいいんだよ。

不愉快だから俺の前でやるなって言ってんだ。」


きっ気持ち良いぃー。

どうしたんだ僕?

この有り得ない行動がなんか気持ちよくなってきて堪らない。

身体が熱く、熱くなっていく。


「バカとか行ってんじゃねえぞ、ゴォラ!」

不良の一人が俺に殴りかかってきた。


俺は咄嗟に殴り返す。

昨夜の悪魔に比べればこいつらなんか怖くないし、身体が熱くなって楽しいとすら思っていた。


不良が机に吹っ飛び、クラスの女子が悲鳴をあげる。


当然3対1になり俺も殴られていたが、ぜんぜん痛くなかった。

むしろ殴るのが楽しくて痛みなど感じなかった。


だんだんクラスのみんなも事態が飲み込めてきたのか、女子が俺を応援し始めた。


「私達もお前達不快だったんですけど、ラムネやっちゃいな。」


女子の応援で益々俺の右肩が熱くなった。


そして、女子が俺を応援した事でクラスの男子も動いた。


「俺達もやっちまおうぜ。」

アメフト部の奴等が俺に味方したのだ。


元々体が強かっただけのろくに鍛えても居ない不良は、アメフト部の連中にタックルされてどんどん倒されていく。


そして、廊下に引きづられて行ってしまった。


「あっ、あのー……。」

ニキビ顔の生徒が俺に話しかけてきた。


「お前助けた訳じゃないから気にすんな。

ニキビなんかそのうち治るからあんまりもじもじ話してんじゃねえよ。」


「はい、ありがとうございました。」

ニキビ君は嬉しそうに自分の席に戻っていった。


女子の一人が俺に濡らしたハンカチを渡してくれた。


「ラムネいきなり何やってんの?」


こいつの名前は森長(もりなが) モナカ。

俺の幼馴染でリス系の顔をしていてかわいいはかわいいのだが色気はあまりないない。


「俺もよくわからんけど、なんか飯食うのに不愉快だと思ってやった。」


俺はモナカと話しながら弁当を食べ出した。

暴れたせいなのか、いつもより美味しく感じる。


「俺とか、いつもは僕なのに興奮しちゃって…。」

モナカは殴られた所にハンカチを当ててくれた。


俺は自分の弁当を食べ終わったのに、なんか腹が減っていてモナカの弁当を食べ出した。


「ちょっと何勝手に食べてんのよ。」

モナカは俺にハンカチを当てるのをやめて弁当箱を死守する。


「暴れてお腹すいちゃったんでしょ。

クラスの平和をを守ってくれたお礼に私のウインナーあげるね。」

「私ポテトあげるよ。」

「卵あげる。」

「私のニンジンとピーマン食べて。」


何やら嫌いな食べ物の処理も含まれてそうだがクラスの女子がお弁当を分けてくれた。


悪者退治もなかなか良いものだな。


新シリーズです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ