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戦国時代に宇宙要塞でやって来ました。  作者: 横蛍・戦国要塞、10巻まで発売中です!
天文18年(1549年)

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第四百二十二話・本證寺内進入!

明けましておめでとうございます。


本年もよろしくお願いいたします。


新作・チートキャンパーとドジっ子女神様の異世界旅情記も、よろしくお願いいたします。

Side:本證寺の僧


「駄目です! 止められません!!」


「幾つかの消し遅れから火の手があがりました!」


「久遠勢の弓と鉄砲によりおよそ五十名の僧兵が討ち死に! 更に手負いとなる者多数! このままでは弓を射てる者がいなくなってしまいます!!」


 なんだというのだ。戦が始まってまだわずか半日ぞ。


 それなのにこの被害は、いったいなんなのだ?


「どうやら木材を組んだもので大きな石を投げ込んでおるようだな。投石器と言ったか、そんなものがあると、明の書物で読んだことがある」


「投石だと? あれのどこが石だ!!」


「投げ込んでおるのは焙烙玉であろう。西国の水軍衆が使っておると噂で聞いたことがある。石を投げ込めるのだ。当然、焙烙玉とて投げ込めるだろう」


「わかっておるなら止めろ!!」


 敵が空から投げ込んでおるものがわかったからといって、なんになるのだ!


 そんなことを言っておる暇があるなら止めさせろ!!


「たわけが。それをやっておるのは後方だ。その前方では矢盾に守られた多数の鉄砲と弓が、こちらを狙っておるわ。打って出るしか止める方法は最早ないわ。しかるに橋を落として門を潰したのはお前だろうが。どうやって打って出る気だ?」


「そうでもせねば金色砲であっという間に門を打ち壊されて、攻め入ってくるであろうが!!」


 どうする? これでは籠城も出来んぞ!


 死にたくない。貧しいのも嫌だ。織田などに頭を下げるのはもっと嫌だ。ああっ!そうだわしに従わぬすべてが嫌だ! 許せぬわ!


 どうする!!


「まぁ、落ち着け。焙烙玉は高価な玉薬を大量に使う。いくら織田とてそう易々と使えるものではあるまい。直ぐに収まる」


「本当であろうな!!」


「駄目なら終わりだな。我らは皆、殺される」


「ふざけるな! わしは認めんぞ!!」


 なんだと? 籠城すればいいと言ったではないか!


 織田は銭儲けばかり熱心で戦は弱いと言ったではないか!!


「信仰を守るためならば死しても織田には屈してはならぬ。教えを守って極楽浄土にゆくのだ」


「おのれはー!!」


 冗談ではないぞ。有るのかないのかもわからぬ極楽浄土など、誰があてにするか!


 わしは籠城すれば今川が味方するというから賛意したのだぞ!


 駄目だ。こやつらといれば死んでしまう。逃げねば。夜になったら逃げねば!!




Side:久遠一馬


 外堀というのだろうか。味方が外側の堀を越えたので投石隊による攻撃は一旦中止となった。


 投石をしているこちら側に敵の反撃が集中した隙に、突入した人たちがいるらしい。


「明日まで待てば、もっと楽に突入できたのに」


 ウチの陣営、与力の佐治さん勢や陣借りに近い形で合流した大島さん勢も休憩中だ。あちこちから堀を越えて突入した味方に、対処するべく敵の反撃が止んだんだ。


 ウチの陣営には負傷者は出たが死者は今のところなし。上々じゃないかな。


 オレとしてはもう少し焙烙玉で攻撃したいところだが、先鋒隊が我慢出来なかったらしい。


 信秀さんも行けるなら行っていいと許可を出していたしね。


「それでは手柄を立てられませんからな。皆、必死なのです。久遠殿は前線で奮戦せずとも功を得られますが、某のように武芸しかできぬものは、ここで手柄を立てねば織田家に居場所がなくなるとのあせる心がありますので」


 現在ここにいるのは、ウチの人員(じんいん)以外では大島さんと佐治さんだ。


 さっきから軽食として出しているビスケットを食べていた大島さんが、武功を欲する人たちの気持ちを教えてくれた。


「美濃の国人衆の本音ですか?」


「いかにも。美濃で最大勢力の斎藤家でさえも織田家と争う気はない様子。そのことに気付いた者たちが焦っておるのです」


 思えば美濃の国人衆とこうしてきちんと話すのは初めてだ。竹中重元? あれは話になってない。交渉どころか、一方的に要求を伝えに来ただけだった。


 大島さんは腹芸が出来る人ではない武人といった感じだし真実だろう。年齢は確かアラフォーだったかな。戦略的思考が出来る人というよりは感性の人に見える。


「殿! 上宮寺にて動きがありました! 松平家次殿、一向衆に討たれたようでございます! なお上宮寺を占拠しておった一揆勢は、そのまま寺の返還を求めておった僧たちと戦を始めた模様!!」


 そのまま本證寺の様子を窺いつつ待っていると、残りもうひとつの三河一向衆側の拠点である上宮寺の知らせが舞い込んできた。あっちは泥沼かぁ。


「内輪揉めかな? エルどう思う?」


「そうだと思います。もしかすると松平家次殿は上宮寺を放棄したかったのかもしれませんが、共に戦った一揆勢は許される公算がありませんでしたので」


 松平家次には信秀さんも甘い顔はしなかったが、それでも最初は信光さんが説得することは許していた。


 おそらく信秀さんは、桜井松平家の処遇など、どうでもいいくらいの認識しかないはずだ。ただ、織田側の大義名分に傷が付くことを繰り返すから、桜井松平家の処分はほぼ決まっていた。


 でも蜂起した上宮寺の僧と僧兵は説得するしない以前に、裁きを受けさせるという方針を通告した以外はこちらからコンタクトすることもなかった。


 死にたくなかったら、さっさと出ていけという感じだろうか。さすがに信濃や遠江方面に逃亡を図られたら、織田と言えども表立っては手が出せないし。


 上宮寺の一揆反対派は中立的立場であったのに、松平家次と一揆勢に攻められて多数の死傷者をだしているからね。今更一揆勢に甘い顔はできなかったという理由もあるんだろう。


 松平家次のほうは織田家と結構深い血縁があるから、最悪自分は助かると思っていたんだろう。ただ一緒に蜂起して寺まで奪った一揆勢は、自分たちだけ助からないと知ると話が違うと怒ったのかな。


 多分計算尽くなんだろうね。信秀さんにとっては。


 三河の一向衆をこの機会に可能な限り弱体化させたいんだろう。




Side:滝川益氏


「火をかけよ! 我欲で一揆を起こす連中など許すな!!」


 我ら先鋒隊は堀を越えて、本證寺内に侵入した。


 寺内町であろう。町屋があるが、そこに三郎五郎様の下知で火が掛けられる。


「あんまり気分がいいもんじゃないね」


「左様ですな。されど甘い顔をすれば、後顧の憂いとなりまする。織田家は何度も寛大な態度で機会を与えたではありませぬか」


 ジュリア様と我らは三郎五郎様と共に三河衆や美濃衆が突入したあとに入ったが、燃える町屋街にジュリア様が珍しく不快そうな表情をされた。


 自ら先頭に立ち、戦場に赴くジュリア様だが、立ち向かってくる敵に容赦はされぬが、敵を根切りにしたいとまで考えるお方ではない。武人として、降伏した者や逃げる者を討つのは、お気が引けるのかもしれぬ。


 そんなジュリア様に声をかけておったのは、河尻殿だ。さすが元は守護代家の家老。年の功と言えば怒られるかもしれぬが、言葉をかける時をご存じだ。


「ジュリア、あっちに僧兵がいるのです!!」


「いくよ。僧兵は全て討ち取れ!」


 近くにあった町屋の屋根に上って、周囲の物見をしておられたチェリー様と忍び衆が、敵方の僧兵を見つけて戻られると、ジュリア様は自ら兵を率いて、この戦場を駆けてゆかれる。


「アタシはジュリア。久遠ジュリアだ! 死にたい奴はかかってきな!! 極楽浄土とやらに送ってやるよ!!」


 そこには多くの信徒を従えた僧兵どもがおった。


 我ら久遠家は揃いの真っ赤な鎧を身に纏い、青い旗印を挿しておるが、特に真っ赤な髪を振り乱すジュリア様は目立っておられる。


 周囲に響くほどの大声で名乗りを上げられると敵が怯むのがわかる。


 後方で下知を致しておる僧兵どもが何度も信徒どもに攻めろと命じておるが、ジュリア様の迫力に信徒どもは悉く怯んでおるわ。


「狙うでござる!!」


 だが久遠家では、そんな采配する者を真っ先に狙うように教えられておる。


 そんな者たちはすず様の下知で、次々と弓やおおゆみにて討ち取られていく。


 世間では久遠家といえば金色砲だとばかり考える者がおるが、弓や鉄砲や弩と武器の種類も数も違うのだ。


 日頃からの鍛錬の成果が出たというもの。


 ここまでくると逃げる者もかなりおるが、そこは無理に追わず、ただ僧兵と僧を率先そっせんして討ち取っていく。むろん立ち向かってくる者は信徒でも容赦なく討ち取っていくが。


 西三河では絶大な勢力を誇ったという本證寺も明日には終わりだな。





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