光のファンファーレ
むかしむかし、あるところに一人の少年がいました。その少年は『希望』や『夢』などの光の源を嫌っていました。
「人はいつも、光ばかりを追い求める。どうして?その度、母さんも父さんも壊れていく。光なんてなければ、希望なんてなければ。みんなが争うのは、もう嫌なのに。どうして……。」
少年は誰にも心を開くことなく静かに目を閉じました。
「そうだよ。全部、全部、真っ黒にしちゃえば
そうすれば、きっと。」
(もう僕に触れる人はいない。喋る人も、いない。みんな、みんないなくなったんだ。)
少年の周りの人は皆、壊れてしまいました。誰もいない街で一人。少年はとある部屋の片隅で小さく座っていました。
少年は少し大きくなりました。住んでいた街から出て、遠くの大きな町で一人暮らしていました。しっかり働き、お金を稼いでいました。昔と明らかに違うのは、少年が笑顔を作れるということ。
「ホントに、貴方の笑顔は素敵ねぇ。」
「あはは。そんなこと言われたら僕だって照れますよ?」
「あらやだ。うふふっ。」
でも、少年は嬉しくなんかありません。どんなに『ステキ』だと言われても、『キレイ』だと言われても。カッコイイと、カワイイと言われても、嬉しくなんかありません。だって、それは偽りの笑顔でしかないのですから。
今日は、少年の仕事はないようです。少年は一人、机に向かっていました。
「みんな言う。僕の笑顔はステキなんだって。人の事も知らずに、ただ自分の自己満足だけで生きている。あの町とはたしかに雰囲気は違う。だけど、中身は全く一緒だ。もうヤダ。怖いよ。誰か。助けてよ……。」
少年の目から水滴の落ちる音が虚しく部屋に響き渡りました。
数日後の夜。草木が妖しく揺らめく時間。
「ねぇ。起きて。」
一人の少女が、少年に話しかけていました。」
「君、は……だれ?」
「私の名前は××××。助けを求めたのは君?」
「何言ってるの?別に助けなんて……」
「嘘。貴方は助けを求めてる。そうでしょ?」
「……そうなのかもしれない。僕は怖がっているんだ。」
「何故。」
「僕は見た。光に手を伸ばして壊れる人々を。だから、僕は。光を見るのが。夢や希望を持つのが怖い。」
少年は初めてだった。自分の本心を伝えることが。決して悲しかったわけではありませんでした。嬉しかったのかもしれません。少年の目の前が滲んでいったのでした。
「貴方はすでに光を見ている。
「僕が?まさか。そんなことあるわけないだろう。」
「これ以上、人が壊れないように。そう願っているのは、他でもない君だろう。それは、希望と呼べるものではないのかね?」
昨夜の彼女の言葉が脳裏から離れない。
(僕は、見ず知らずのうちに光を求めていた?母さんや父さんのように?いや。わかってた。僕は、ずっと前から。希望を持ってることを。僕は知ってる。ただ。ただ逃げていただけだ。)
少年は心に決めたように立ち上がりました。その目には……光が灯っていました。
むかしむかし、あるところに一人の少年がいました。その少年は、光に向かって力強く歩き続けていました。
少女はその様子をしっかりと見届けていました。
どうも。こんにちは、こんばんわ、はじめまして。
Hyutoです。
やっと、小説がかけました。短編で申し訳ないです。あ、でもこれちゃんと、意味ありますから!長編の方で出てくる予定です!!(予定ですからね?)
さて、今回は『光』をテーマに書かせていただきました。皆さん、【ユメ】や【キボウ】はお持ちでしょうか?私は一応ございます。ハイ。ですが、それを追い求めすぎて、自分を自分でなくしてしまう。それはとても残念で悲しいことです。今回の作品は、そんな現実を目の当たりにしてきた少年のお話でした。(夢を見過ぎるのは程々にしましょうね……。)いかがでしたか?わたし的には
「まだまだ、改善が必要だなぁ?」
と思える作品でした!向上心ってやつでしょうか?頑張ります!
皆さんも夢や希望叶えるために頑張ってください!
今回はこれにて失礼します!
それでは、また。どこかでお会いしましょう!