依頼
露璃先輩に紹介された依頼は、最近教育塔の西棟で、廊下の窓ガラスが、割られるという事件があり、その犯人を見つけてくれ。というものだった。
こんな事件知らなかった。まぁ、昨日入学式をしたばかりだから、仕方ないか。
それにしても、こんなこと誰がお金を払ってまで知りたがるのだろう。知りたいけれども、聞かないほうが良いかな••••••。
「ん?依頼人?総務委員会だよ。」
すんなり教えてくれたが、総務委員会って何だ?
考えが顔に出ていたのか、珠川先輩が教えてくれた。
「総務委員会はね、この学校の行事を全て取り仕切る委員会。それと、全ての委員会のリーダーってところかな?生徒会の次に、力を持っているところだよ。」
「委員会紹介でそんな委員会ありましたか?」
「無かったよ。総務委員会は特別で、賄賂等を防ぐために、自分が総務委員会であることを隠さなくてはいけないんだよ。だから、総務委員会は、勧誘を公の場では、行わないんだ。」
「じゃあ、いつ勧誘をしているんですか?」
「いつ、っていうのは、わからないけど、総務委員会には、勧誘担当の人がいて、ふさわしい人を探して、委員会に報告する。委員会に勧誘する時は、会議で6割以上の賛成があって初めて、本人に委員会に入って欲しいということを伝えるんだ。」
どこの影の組織だよ。と思ったのは、仕方ないだろう。
では、なぜ総務委員会が犯人を知りたがるのだろうか。
「慶一、それ以上は依頼者のプライバシーに関わるから、知りたいと思ってはいけない。」
「露璃先輩は、知ってるんですか?」
「昔のように、露璃姉ちゃんと呼びなさい。これは、部長命令よ。」
は?また、何を言いだすんだ。珠川先輩もびっくりしてるじゃないか。
「いや、露璃先輩突然どうしたんですか?」
「慶一、上司の命令を無視するの?会社で社長の命令を無視すればクビになるよね?
言ってる意味わかるよね?」
脅し?権力の乱用だ!きっと冗談だろう。
「露璃せんぱ••」
「次先輩と呼んだら、わかるよね。ほら、何て、呼べばいいの?言ってご覧。」
目が本気だ!なぜそこまで、そう呼ばせたがるんだ、こっちの恥ずかしい気持ちも考えて欲しい。呼ばないといけないのか?
その時、後ろのドアが開いた。
「依頼の進行具合はどうだい?」