情報部
僕は珠川先輩に手を引かれて部活棟の最上階の隅にある部屋にやってきた。
「ここが我が情報部の部室だよ。」
先輩が扉を開けて中に入る。先輩に続いて中に入る。そこは広い部屋で机やテレビ、パソコン、簡易ベッドなどが置いてあった。…人が住んでるみたいだ。僕もそうだが、学生達はほぼ全員が学園内にある学生寮に住んでいる。学生寮といっても、ホテルのような豪華さと料金だ。学生達は部活や委員会で金を稼ぎ寮に住む。だが、生徒会や委員会、一部の部活は寮または宿泊施設を所持していて、そこに所属している学生は安くはないが、学生寮よりは遥かに安い料金(基本的には先払いだが、入学及び転入して、最初の月のみ後払い。)でそこに住むことができる。
もしかしたら情報部は宿泊施設を所持しているのかもしれない。そんなことを考えながら珠川先輩に連れられて奥の部屋に入る。中には18歳くらいの女性が下着姿で簡易ベッドで寝ていた。僕はとっさに後ろを向いた。顔が赤くなるのが自分でもわかる。
「露璃さん!なんて格好してるんですか!あなたの言ってた彼連れてきましたよ。自分で呼んで来いって言ったんだから、せめて起きててください。」
一度も笑顔を崩さなかった珠川先輩が顔を真っ赤にして、寝ているもう1人の先輩を起こす。対して、露璃さんと呼ばれた先輩は少し寝ぼけた様子で
「おはよう、美香」
と言い、僕を見て
「久しぶりだね。慶一」
と言った。なんで僕の名前を知ってるんだ⁉
「覚えてないかい?なら良いや」
「いやいやいや、良くないです。でも、その前に着替えてください。えーと、お名前は?」
「羽山露璃露璃と呼んでくれ」
「では、露璃先輩着替えてください。」
「君は私の着替えるところが見たいのか?」
少し笑いながら先輩は言う。
「失礼しました。」
即答し、すぐに部屋を出てドアを閉めた。
あの人は恥ずかしくないのだろうか?僕と露璃先輩は初対面ではないと言っていたけれども、もし前に会ったことがあったとしても、恥じらいというものを持ってほしい。
僕は顔を真っ赤にして先輩の着替えが終わるのを待っていた。