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ろっかいめ

---【ぽぽぽぽーん】


走る、走る。賢者の奴、全然LV足りない状態で装備なしで放り込むとかありえない、しかも女王抱えて両手塞がってるのに。顔を上げ、足を止める。角から伸びる影は『ポップコーンミミック』だ。ぽぽぽぽーん!とポップコーンをぶつけて体力削る嫌な奴。 @


---【カフェオレ】


アイテムないか?慌ててポケットを探す。装備はなくてもアイテムくらい─あ。あった。ミルクとコーヒー。ポップコーンミミックは興味があるもので気を逸らせば逃げられる。加工スキルでカフェオレを作り、目の前においてみた。細かいことは気にするな。 @


---【君を騙した】


ポップコーンミミックはカフェオレを見ている。その隙に忍び足で…その途端女王が腕を抜けて駆け出した。「女王!」しまった、気付かれた。ポップコーンミミックに体力が削られる。「大丈夫だから、行って!」女王の走り去る背中を確認して、僕は意識を失った。 @


---【猿酒】


意識が戻ると街にいた。いわゆる敵にやられて死ぬと経験値削った上で最寄りの街で復活するというあれだ。しかしここ…いわゆる『始まりの街』じゃないぞ。「おい」背後から声がかかって硬直した。着流しで『猿酒』と描かれた瓢箪を持っている、長身の男だった。 @


--- 【星屑】


「何」見知らぬ街に見知らぬプレイヤー。用心しながら答える。「お前何でこんな所にいるの」どうして、と聞こうとして言わんとしたことを理解する。ここは俺のレベルや装備で来られる街じゃないんだろう。身体についたポップコーンを見て「ああ…星屑画廊でヤラれたのか」 @


---【冬の初め】


時々いるんだよな、と長身の男は顎をしゃくる。身動きしないアバター。キャラクターごと捨てたってことか。「まあ夏装備でなくてよかったな」ゲーム中の季節は初冬。着の身着のまま放りこまれたのでセーターは着ていた。「手伝ってやろうか」 @


---【朝】


へ?と素っ頓狂な声を上げる。「元の街へ帰れればいいんだろ?アイテムを使えばいい。買ってきてやっから」「ちょっと待って」さっさと道具屋へ向おうとするその男を呼び止める。「仲間とはぐれたんだ、見つけないと」朝陽が射してきた。星が空に溶けていく。 @

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