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さんかいめ

---【アトランティス大陸】


ぶつくさ文句を垂れると「仕方ないじゃん、軍資金ないんじゃ」と賢者が頭をぽんぽん叩く。畜生、前の世界では痩せっぽちだったくせにこの世界では体育系マッチョに生まれ変わってきやがった。「このオパールのかけらを持ってアトランティスに行くんだよ」 @


---【真実】


「あとらんてぃすう?」思わず平仮名で聞き返す。「お、知ってるってことは魔王は厨二体質だね」「…中二だけど何」「ネットスラングは分からないか」一人でうんうん頷いている。何だかわかんないけどムカつく。「そこには真実の鏡というアイテムがあってだね」 @


---【大逆転】


「ちょっと待って。アトランティスってこの世界ではなくなった大陸なんだろ。そこにどうやって行くの」「うん、それについては必死にレベルアップして第三レベルのマップに行くしかないねえ」「それ、ゲームのマップじゃん」「そこがねえ、発想の大逆転なんだよ」 @


---【手加減】


訳がわからない。「目覚めて間もない魔王の為に説明してあげると、無関係のようで実はこの世界と元の世界は紐づいている訳」先に生まれたってだけで色々手加減されてる感がますますムカつく。「それに気がついたから本物に結ばれてたのを俺がゲームの中に繋げ直したのでした」 @


---【届かない歌】


「どうやって」いい加減突っ込むのも疲れてきた。腕の中に抱いている女王がごそごそと動いて、鼻を頬にすり寄せる。暖かい。『わかんない。魔王、教えて』今の女王は声を出せないから、こうやって触れて言葉を伝えてくる。君の声は歌う弦のようだったのに。今は届かない歌。 @


---【紙飛行機】


「そこまで説明してあげてもいいけど、魔王には理解できないと思う」思わず溜息。まあ実際に聞いてもわかんないだろう。「ともかくレベルを上げて、第三レベルマップに行くんだな」話を先に進めようとしたら後ろ頭に何かが当たる。先端の潰れた紙飛行機が緩やかに足元に落ちた。 @


---【刺繍】


「ごめんなさあああい」遠くから聞こえてきた声は女の子の声だった。僕よりちょっと年上みたいだから、多分高校生だろう。刺繍っぽい細かい花柄のワンピースを着ている。「騎士か」賢者の言葉に頭が真っ白になる。ちょっと待て。剣士といえば確か筋骨隆々だった、あの。 @


---【もらいもの】


「え?誰これ、可愛い」近寄ってきた女の子に抱きしめられ慌てる。「やめろよ、女王が」潰れてしまう。「え」騎士は女王の直属だった。そして。「魔王だよ」賢者の言葉に騎士がぱっと手を離す。胸にプラチナのペンダントが見える。それは守護する者に神が与えたものだった。 @

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