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いっかいめ

---【ジャックナイフ】


「つまんねーの」パーカーのポケットに手を突っ込んで誰に言うとでもなくひとりごちる。ポケットの中にはジャックナイフ。バネ部分が弱ってて指の先で固定部分を押すと先端が顔を出す。刃の先をちょっとだけ触るとチクッとして、それは今の僕の心の状態に似ていた。 @


---【魔王と女王】


「処で魔王」上着の帽子部分から鼻先だけ出してあいつが話しかけてくる。「何だよ」不機嫌そうに返事をすると頭を表に出した。ウサギのようなフェレットのような動物…「何だよじゃありませんわ。いつ封印を解きに行きますの」…ではない。かつて女王だったものだ。 @


---【お小遣いピンチ】


中学生とそのペットに見える僕とこれはかつて魔王と女王だった。長い戦争の末僕とこいつが恋に落ち戦争も終わり結婚してめでたし…となる筈が、神様に魂をひっつかまれて強引に転生させられてた。「見てくれ」僕はポケットから小銭を出す。「お小遣いがピンチなんだ」 @


---【黒電話とか】


「うん」「ナイフとこの軍資金で封印は解けない」元の世界に戻るには封印を解かなければ。「魔法は使えませんの」「使えないよ、身体は封印の中だから」呪文は全部覚えてるのに魔力は身体に依存していたらしい。だっせえ。僕は廊下に出て【黒電話】のダイヤルを廻した。 @


---【コンビニとか】


「こちら『ストア24』でーす」「いいのかよ。コンビニがそんな電話の出方して」「魔王からかかってきたってわかってたもーん」電話の向こうでアホ丸出しに喋ってるのは賢者だ。こいつが教えてくれなければ魔王の生まれ変わりだとしらずに平凡な一生を終える所だった。 @


---【やきいも】


「いーし」「やーきいもー」ハイテンションな賢者の第一声に僕は合言葉を言う。「はい」「僕の財布の中身半分以上持ってくな」「ちぇ」待ち合わせたコンビニで賢者が焼き芋を割って半分を僕にくれる。「本当にやる気なのー?」「当たり前だ。僕は元の世界に帰る」 @


---【二番目】


「この世界のほうがいいのに」焼き芋をかじりながら賢者が言う。「戦争はないし」殺されない世界。飢えない世界。「けど俺魔王だし」女王を抱きかかえて割った焼き芋を口にいれてやる。「それは二番目の理由だね」賢者はにまっと笑って女王を指さした。「一番目はそれ」 @

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