表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/36

マクガフィン

 スコットランドにこんな小話がある。

 ふたりの男が汽車のなかでこんな対話をかわした。

「棚のうえの荷物はなんだね」きくと、もうひとりが答えるには、「ああ、あれか、あれはマクガフィンさ」「マクガフィンだって? そりゃ、なんだね」「高地地方でライオンをつかまえる道具だよ」「ライオンだって? 高地地方にはライオンなんていないぞ」

 すると相手は「そうか、それじゃ、あれはマクガフィンじゃないな!」と言った。


 ジャングルブックを書いたキップリングはインドやアフガニスタンの国境で原地人とたたかうイギリスの軍人の話ばかり書いていた。この種の冒険小説では、いつもきまってスパイが砦の地図を盗むことが話のポイントになる。この砦の地図を盗むことを<マクガフィン>と言った。

 つまり冒険小説や活劇の用語で、密書とか重要書類を盗みだすことを言う。それ以上の意味はない。

 深読みしたがるものが<マクガフィン>の内容や真相を解明しようとしたところで、なにもありはしない。

 砦の地図や密書類は物語の人物たちにはたしかに命と同じように貴重なものにちがいない。だが、ストーリーの語り手部達には中身などどうでもいいのだ。

 それは物語の動機づけの道具であって、それの中身がなんであるかはさして重要ではない。


 結局のところ<マクガフィン>というのはじつはなんでもないということになる。


「第一部なら石仮面」

「第二部は赤石」

「第三部ではエジプト」

「第四部からは弓と矢」

「第五部にしてはギャングスター」

「第六部に天国」

「第七部で遺体(ダイヤモンドに置き換え可)」

「第八部に至っては吉良吉影といった感じだ」

 先輩はそれらを一息で告げた。

 《普通》少女は一拍おいたあと、

「なんでわざわざジョジョで例えるんです?」

 おそらく意味はないだろう。結局のところ例えもなんでもいいのかもしれない。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ