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数学者の考え方

 電車に乗っている四人が窓の外を眺めた。

 その四人は《普通》《数学者》《天文学者》《物理学者》である。

 ふと農家の牛が目に入った。

 それは一頭の黒い牛だった。

 《天文学者》はあどけなく。

「へぇ~おもしろいね。和牛って黒いんだ」

 彼女はアメリカ人だった。日本で牛を見るのははじめてらしい。

 《物理学者》はこう応じた。

「なにをいうかよん。日本の牛の中には黒いものがいるというだけじゃあねえかよ」

 《数学者》は顔を仰ぐと安いつり革に向けて歌うように、

「あら、日本には少なくともひとつの農家が存在し、その農家には少なくとも一頭の牛が含まれ、その牛の少なくとも一方の面は黒いということじゃあないかしら」

 《数学者》という人は完全な証明がなされていない限りどんな主張も認めないらしい。

 《普通》の少女はそのめんどくささにため息をついた。

 

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