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悲劇作家

「先輩、何を読んでいるんですか」

 彼はその手に持った本から目線を移すことなく答えた。

「アイスキュロス。古代ギリシャ三大悲劇作家の一人で源流とも言える人物の作品だ」

「どのへんが悲劇なんですか」

 先輩がいうには彼の作品は90題伝承にあるが、現存するのはたったの七篇のみだという。

「縛られたプロメテウス。人間に火を伝導した罪で、永遠にワシに臓腑を突かれる罰をおった巨神の話だ」

「へぇ~それを書いた人って、どんなだったんですかねぇ」

 《普通》な少女は人類初期の作家に対して想いを馳せた。

 あたかも周囲に古代ギリシャの情景が映りこんでくるようである。

「さあな、だが死に方は知っている。アラビアンナイトに語られるロック鳥のモデルになった鳥がギリシャにいてな。ヒゲワシというんだがそいつは道具を使う珍しい鳥なんだ」

 彼が言うには、なにやらそのヒゲワシは亀を足でつかんで空高く舞い上がり、岩に落として甲羅を割って食べるという。

「アイスキュロスは頭がハゲて岩のようだったから鳥に間違えられ、頭に亀を命中させられて死んだという」

 死因 亀 犯人 鳥

 死に方のが悲劇だった。

 アイスキュロスは偉大な悲劇作家であります。

 特に「縛られたプロメテウス」はギリシャ神話は当然のごとく、カフカ短編集で取り上げられたりと後世への影響力は絶大だったといえるでしょう。

 しかし、彼の死因を知っている人は少ないと言えます。

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