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閑話 ある姉妹の話

よろしくお願いします

タイトル 閑話 ある姉妹の話



フセサトミには十歳離れた妹が一人いる

フセサトリ

姉のCM時代は生まれいなかった

姉、フセサトミの記憶は、両親によってお人形のように着飾られ、大勢の人の前に連れ出される姿と、両親をボコボコにして家を飛び出した、誇らしげな姿の二つだった

後、テレビで何か偉そうなオジサンにフランケンシュタイナーをかました姿を見たときは、飲んでいたジュースを吹いた

フセサトミ十四歳、フセサトリ4歳

妹には強烈で鮮明な姉の記憶だった

あまりの記憶に、自分の記憶の美化か何かと思ったが、実際の映像は記憶よりも酷かった

そう、ただ一言酷かった

芸能界を追放されていたと知ったとき、毎月自分の口座に振り込まれてたお金が謎だった。

その口座も姉が勝手に開設し、サトリに送りつけて来たモノだった


”ヨキニツカエ、タダシバカオヤニハナイショ”


と書かれた同封のメモを見て、両親との仲は絶望的なのを、幼いながら再認識した

サトリは思う

自分は早熟の方だったとは思うが、姉は六歳の子供が数十万のお金を、普通に運用できると考える、バカか天才だったと

よくも未成年で毎月振り込めていたと、歳を重ねるほどサトリはあきれる

現在の二十代の自分でもそれが出来るかと自答すれば、”やらない”と即答できる

十年前に再会したときは、姉は自分を


『流しの占い師』


と細い顎を上げてそう言っていた

ああ、相変わらずポニーテールだった

そして、


『進路悩んでるなら、占うけど?どうよ?』


とカラカラと笑った

ホラーである

突然ふらりと現れる

なぜか進路に悩んでることを知っている

そして相談ではなく、占うである

今なら姉、フセサトミの悪癖、照れ隠しだったのは分かるが、あの時は本当に怖かった、とフセサトリは忘れない


この日がフセ姉妹のセカンドシーズン開始!


とフセサトミははしゃぐが、妹はそれについていけない

実際この出会いの後、姉がとった行動はおかしかった

今思い返してもーーいや、思い返したくないほどおかしかった


フセサトミここに極まれり


姉の申し出をやんわりと断り、フセサトリは自宅に戻った

家には、いつでもいる両親がいなかった

そして自室には壁と床と天井、照明器具とメモしかなかった

メモにはどこかの住所と地図


『おまえの私物は預かった、メモの所まで至急!』


と言うふざけた姉の文字


恐怖なのか怒りなのか、フセサトリは意地でも行くかと思った

絨毯さえない床に寝転がる

何の悪戯か、開けっ放しだった部屋のドアが閉まる


かちゃ


小さな音

フセサトリは無意識に部屋のドアをみる

ポスターのような張り紙

そこには文字


『現役美少女JKの私物は、高く売れそう!売り上げは妹よ、また口座に振り込んでおくね』


飛び起きると、フセサトリは絶対姉を殴ると心に決めた



その後フセサトリは、姉と同じマンションの隣室に住むことになり、そこから通学することになった

出会い頭殴ろうとはした

そのチャレンジは、自分より小柄な姉に吹き飛ばされると言う結果になった


『てつざんこー』


と言う姉の呪文のような言葉が、フセサトリの耳に残った


あの時、最初からそこにあったように配置された私物達は、今はほとんど残っていない

そこに住むことが当たり前のように、整えられていた部屋

考えるとすべて準備してから、姉は妹の前に現れたのだ

両親の行方はテレビで知った

イロイロやらかしてるとは思っていたが、警察に捕まっていた

姉、フセサトミ曰く


『余罪はイッパイ

叩けば叩くほど出てくるから、起訴までも時間は掛かるだろうし、あの二人だから裁判でももめるし、高裁、最高裁まで争おうとするから、時間は十分にあるわね』


妹、フセサトリは姉を理解することをやめた

姉の言う十分な時間で、妹は高校を卒業し、大学に入学

海外留学を経て、とある財団の職員になり現在に至っている

なんか住み心地が良いので、部屋は変わらずだった


そして、姉は妹の部屋のソファに寝転がり


「サトリちゃん、何かイイお料理のアイディアない?」


と上目遣いで見てくる


それがフセ姉妹の第何シーズン目かの景色だった


ただ妹が気になるのは、最近増えた妹分たちのことである



ありがとうございました

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