紅蓮の副長 ― 土方歳三 VS キキ & 宍戸梅軒
大友忍者戦記・幕末編
紅蓮の副長 ― 土方歳三 VS キキ & 宍戸梅軒
京の夜。
雨は止み、空気は張り詰めていた。
石畳の中央。
一人の男が立つ。
新選組副長――
土方歳三。
その周囲の空気が歪む。
見えないはずの“気”が、
まるで炎のように揺らめく。
赤いオーラ。
怒りが、形になっていた。
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生き延びた天才
背後で、隊士が声を上げる。
> 「総司は…まだ息があります!」
胸に刺さった傷。
急所はわずかに外れていた。
応急処置で――延命は可能。
だが誰もが悟っていた。
この傷は、いずれ命を奪う。
本来の運命――
病ではなく、戦いによる死へと変わっただけだと。
土方は振り返らない。
ただ低く呟く。
> 「……生きろ」
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忍びもまた傷ついている
屋根の上。
黒い影が降りる。
大友忍者の頭領――
キキ。
だがその動きはわずかに鈍い。
沖田との戦いで受けた一撃。
鎖帷子の上からでも防ぎきれなかった。
肋骨が折れている。
呼吸が浅い。
それでも鎖鎌は構えられる。
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赤と黒の対峙
土方が言う。
> 「逃げなかったか」
キキは短く返す。
> 「あんたを止めに来た」
空気が震える。
赤い殺気と、黒い静寂。
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もう一つの影
その時。
風が鳴った。
背後に“気配”。
土方が振り向く前に――
ヒュッ
何かが頬をかすめた。
細い血の線。
屋根の上に、もう一人。
長身の忍び。
静かに立つ。
大友忍者――
宍戸梅軒
(五代目・鎖鎌術の達人)
その手には奇妙な武器。
十字手裏剣。
ただの投擲武器ではない。
掌に隠し、
接近戦で斬るための刃。
低く言う。
> 「頭領…無理をするな」
キキが息を整える。
> 「来たか、梅軒」
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三者激突
土方が踏み込む。
地面が軋む。
一閃。
梅軒が動く。
滑るように間合いに入る。
手裏剣が消える。
次の瞬間――
目元への斬撃。
土方が首を傾ける。
紙一重。
同時に刀を振る。
梅軒が下がる。
キキが動く。
鎖鎌。
龍嵐旋鎖
竜巻のような鎖。
空気が唸る。
土方が突っ込む。
赤いオーラが弾ける。
鎖を叩き斬る勢い。
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忍びの連携
梅軒が横から入る。
死角。
手裏剣が閃く。
土方の視界を狙う。
同時にキキの鎖が絡む。
完全な連携。
だが――
土方が吼える。
> 「甘い!!」
気迫で踏み込む。
二人まとめて間合いに引きずり込む。
刀が振り抜かれる。
ドン!!
衝撃。
三人が同時に弾かれる。
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限界
キキの呼吸が乱れる。
肋骨が悲鳴を上げる。
梅軒も距離を取る。
土方もまた、無傷ではない。
頬、腕、肩。
細かな傷。
だが――
一歩も引いていない。
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引き分け
静寂。
風だけが流れる。
キキが言う。
> 「これ以上は…互いに死ぬ」
梅軒も静かに構えを解く。
土方は刀を下げない。
だが――理解していた。
この二人を同時に倒すには
ここでは足りない。
そして背後には
瀕死の沖田。
土方が低く言う。
> 「次は斬る」
キキの答え。
> 「その時は…終わりだ」
煙玉。
視界が消える。
忍びは消えた。
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残されたもの
土方は振り返る。
そこにあるのは――
新選組の未来。
そして。
守るべき仲間。
夜が明ける。
京の町は何も知らない。
この夜、
最強同士が互いに引き分けたことを




