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ルッキズム死ね。でも美少女にはなりたい。  作者: :)
第一章(2/28に全話投稿予定)

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4/25

ドキュメンタリーとかいう言い返しようがない卑怯な相手

突然のことに驚愕する僕に、彼女は間髪入れずに掴みかかる。僕の両肩を押さえて、彼女は怒鳴る。


「アンタ何を…、何を馬鹿な事してるの!?そんな格好で、浮かれた顔して道端に突っ立つことがどれだけ危ないことか分かってるの!?」


震える彼女の平手が、さっきぶった場所をもう一度ぶつ。


「エンコーか、立ちんぼか、何をしてたかは知らないけどね、アンタ、自分を大事にしなさ過ぎよ!お願いだから、あんなことは二度としないで!!」


…説教、なのだろう。

この人は、自分こそ堕落した性生活を送っていそうな格好しているくせに、他人に苦言を呈しているのだろう。

腹立つ。何様のつもりだよ。


お前は生まれながらに女性、しかも顔が整ってるから、『自分を大切にする』みたいな高尚な価値に目覚めたのかもしれないけど、僕はついさっきお前と同じステージに立てたばかりなんだよ。

まだ何にも知らないんだよ。チヤホヤされる悦びとか、他者への生物的な優越感とか、満足感とか。そういう人生を舐め腐る快感を味わいたいんだよ。ブサ男じゃ喉から手を出しても手に入らない喜びを、僕は得たいんだよ。


邪魔すんなよ。恵まれてるくせに。


「…何?その反抗的な目」

「…そう、痛みじゃ反省する気が起きないのね。なら教えてあげる」


彼女は僕の両肩からフッと手を離した後、言った。


「私、今年で21だけど、既に二人堕胎してるの」


「…えっ?」


僕は思わず目を丸くする。

彼女は続ける。


「エンコーでね。金に目がくらんで、ナマでヤラせまくったのが悪かったみたい。生理が止まったのがきっかけで事態に気づいた。でも、怖くはなかった。だって、金ならあったし、医者のツテもあったから。だから、私は妊娠後も余裕綽々で仕事を続けた。…けど、ある日モメた客が怒りのあまり私のカバンを川に投げ込みやがってね。…急いで私も川の中に入ったけど、その時は夜だったから何も見えなくて、手探りで探しても、手のひらにぶつかるのは木の棒とペットボトルばかりで、カバンを見つけることはできなかった。そうして、有り金を全部無くした。そのせいで中絶代を払えなくなった。その時、私はまだ15の未成年で、口座は知らない人から買ったものだった。だから私に通帳やキャッシュカードの再発行なんで出来っこなかったし、クレカや消費者金融に頼る権利もなかった。だから、私は闇金で借金するしかなかった」


「おかげで中絶は上手くいったわ。けど、その後すぐに借金返済のためにロリコン向けの裏フーゾクに堕とされて、変態共の相手をさせられて、間もなく二回目の妊娠をした。当然、手術費なんてなかったから、私は堕胎のために色んなことをした。断食したり、逆に大量に飲酒したり、男にお腹を殴ってもらったり、マ◯コにコーラを流し込んだり…。最終的に、ヤクザの舎弟を自称するヤンキーが持ってた、ナントカってシャブが効いて、股の筋肉がゆるゆるになったおかげで堕胎することが出来た。その日、私はラリッて頭おかしくなりながら、公園のベンチでコンビニのレジ袋をマ◯コに当てて、下利便捻り出すみたいに自分の子供を排泄して、持ち手をくくって封印した後、フラフラになりながら、ソレをゴミ収集車に投げ込んだ。自分の子、自分の子なのにね、笑えるわよね」


「結局、成人と同時に弁護士に駆け込んだおかげで借金は元金返済だけで片付いた。けど、腹いせに闇金業者に裏フーゾクで働いてた頃の写真をネットにバラまかれたせいで、私は今でもマトモな仕事に就けていない。無茶な方法で堕胎したせいで二度と子供を作れない体になっちゃったし、長年のバカで貰った性病は一生治らないってお医者さんに言われた。元金一括返済と弁護士報酬の支払いのためにした消費者金融二社からの借金はまだまだ残ってて、完済の目処はまるで見えない。まだ21歳なのにね。ホント、終わってるわよね」


…いつの間にか、僕は話に引き込まれていた。

引き込まれていたというか、震えていた。

生々し過ぎる体験の数々に、息をすることも忘れて。


エンコーって、そうなのか?


僕が愕然としていることに気づいた、彼女は次の瞬間、おもむろに、僕の恥丘をガッと鷲掴みにした。


…掴まれたソコは、今までの話を全て追体験できる機能を持った器官。


嘘じゃない。本当にそれが出来てしまう器官。


なんで?なんで?僕に備わっている?


「ひっ…!ひゃっ、あぁっ…!」


嫌悪感と強迫に耐えきれず、僕は思わず、レイプされる直前の女性のような声を上げた。

そんな僕を、彼女は鼻で嗤った。


「この程度で怯え散らかしてる奴が、この後の絶望に耐えられると思ってるの?」


それは、決定打だった。

僕はその場にへたり込んだ。歯をガチガチ言わせて、固まるしか出来なくなった。


怖い。怖い。怖い。何をしようとしていた?僕は何をしようとしていた?なんであんなことをしようとしていた?


表情をグチャグチャにした僕に、彼女はため息を付く。「…ようやく事態の深刻さを理解したようね」と呟く。そして、彼女はホッと顔をほころばせて、


安心した声で言った。


「…これでも説得出来なかったら、どうしようかと思ったわよ」


その後、彼女は包み込むように僕を抱きしめた。


僕は、…現実に叩きのめされた僕は、ただ、その優しさに縋って、ワンワン泣くことしか出来なかった。


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