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3月30日:廃棄物ゼロの日

「さあ、みんな集まって!今日は『廃棄物ゼロの日』よ!」

朝からルミナの元気な声が家中に響いた。


「廃棄物ゼロってどういうこと? ゴミ出しちゃダメなの?」

パンを頬張りながらレオンが不思議そうに聞き返す。


「ちがうのよ、レオン。廃棄物を出さないために工夫や魔法を使う日なんだって!」

ルミナは明るく答える。


「なるほどねぇ……じゃあ、壊れちゃった僕の剣も再利用できる?」

レオンは期待に満ちた目をして言った。


「もちろんだ!任せてくれ、今日は特別に『循環魔法』でピッカピカにしてやる!」

アストルは張り切って工房から道具を持ち出した。


「さすがパパね。ところで、私も学院で習った『再利用促進浄化魔法』を試したいんだけど!」

フィオナも好奇心に目を輝かせて提案する。


「いいじゃない!やりましょう、実験開始ね!」

ルミナも乗り気でにっこり笑った。


午後になると、家族全員が裏庭に集まった。アストルは壊れた箒やランプ、古い剣を丁寧に並べている。


「よし、じゃあまずは『循環魔法』を見せよう。これらの道具を一気に新品にするぞ!」

アストルが呪文を唱えると、壊れた道具たちが淡い緑色の光に包まれ、一瞬で新品のように蘇った。


「すごい!パパ、やるじゃん!」

レオンが跳ね上がって喜んだ。


「次は私の番ね。じゃあ、『魔力浄化の光よ、放て!』」

フィオナが杖を振ると、壊れた家具がキラキラ輝く粒子になり、空中に浮かび始めた。


「わぁ!家具が光になって溶けちゃった!」

クリスが拍手してはしゃぐ。


「これでゴミが消えてくれるなら掃除も楽になるわね」

ルミナが笑いながら見守ると、突然フィオナの魔法が激しく暴れ始めた。


「あ、しまった!魔力をかけすぎちゃったかも!」

焦ったフィオナの声に続いて、光が勢いよく渦を巻き始めた。


「ああ!眩しい!これ、何が起きてるの!?」

レオンが目を覆いながら叫んだ。


「やれやれ、またやったわね」

ルミナは苦笑しながら、「光よ、穏やかになりなさい!」と回復魔法を唱える。しかし、光の粒子は消えるどころか更に激しく回転し始めた。


「ダメだ!魔力が強すぎて暴走してる!」

フィオナがパニックになると、アストルが慌てて言った。


「よし、ここはおじいちゃんの知恵を借りるぞ!じいちゃん、助けてくれ!」

アストルが地下室に向かって叫ぶと、グレゴールがひょっこり顔を出した。


「ほほう、随分と派手なことになっとるな。これなら『調整の呪印』を使うといい」

そう言ってグレゴールが手をかざすと、暴れていた光の粒子は静かに一つの魔力の塊となった。


「おぉ、すごい!ちゃんと収まった!」

レオンが感激して拍手をした。


「うん、これは見事だな。ちゃんと再利用できる良質な魔力になったぞ」

アストルが感心しながら、その魔力を掬い取る。


「つまり、これは成功ってこと?」

フィオナはほっと胸を撫で下ろしながら尋ねる。


「まあ、最後は成功に終わったから良かったんじゃない?」

ルミナはやさしく微笑んでそう答えた。


家族が安堵した笑顔を見せていると、いつの間にかスノーがひらりとアストルの肩に降り立ち、小さく嘆息した。


「ふん、どうせまた同じ騒ぎを繰り返すんだろうがな」


「ははは、それがフレイメル家の良さってことさ」

アストルがスノーの頭を撫でながら答える。


スノーはくちばしをツンと上げながら呟いた。

「そうだな……まあ、仕方ないか」

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