3月21日:春の新年祭の日
3月21日「春の新年祭の日」
「さあ、みんな起きて!今日は『春の新年祭』よ!」
朝一番にルミナが元気な声で家族を起こすと、レオンが寝ぼけ眼をこすりながら尋ねる。
「新年?今は春だよ?」
「春が来るのと一緒に新年を迎えるのが、この世界の伝統なのよ。さあ、早く飾り付けの準備を始めるわよ!」
「わぁい、飾り付け大好き!」とクリスが飛び跳ねながらスノーを抱えて廊下へ駆け出す。
アストルは工房からごそごそと不思議な道具を持ち出しながら、穏やかな口調で言う。
「新年祭の飾りにちょうどいい魔法の灯りがあるんだ。ほら、壊れたランプを修理したら、面白い色で光るようになったんだぞ」
そのランプが発する虹色の光を見て、フィオナが目を輝かせた。
「それってもしかして、『七彩ランプ』じゃない?珍しいわね!」
「まあ、ちょっと工房で試してみただけなんだが……」とアストルは照れ臭そうに頭を掻く。
ルミナは笑いながら言った。
「あなたが試してみたものって、いつもちょっとした騒ぎになるのよね。今日は無事だといいけど」
午後になって、家族は裏庭に出て草花で家を飾り始めた。庭は春らしい華やかな色でいっぱいになり、甘い香りが漂った。
「わあ、すごく綺麗!」クリスが目を輝かせ、スノーを抱えながらはしゃぐ。
レオンが花飾りを持ってきて、フィオナに話しかける。
「この花って魔法に使える?」
「試してみたら?」フィオナは笑顔で答え、レオンは早速花を魔法の杖に巻き付けて得意げに振り回す。しかし杖の先から出たのは、小さな火花ではなく、無数の小さな蝶だった。
「うわっ、すごい!蝶がいっぱい出てきた!」
家族が驚きながら笑う中、蝶は庭中を舞い踊り、さらに華やかな光景を作り出した。
「さて、次は七彩ランプに火を灯そうか」アストルが慎重にランプに魔力を込める。しかし、予想以上にランプが強く輝きだし、七色の光が激しく庭に広がった。
「うわっ、ちょっと強すぎたか!?」
フィオナが慌てて火消しの魔法を唱えるが、光はますます激しく点滅を繰り返し、まるで花火のようになった。
「面白い!新年の花火みたい!」レオンは大喜びで踊り出し、クリスも一緒になって跳び回る。
「まあ、今年一年も騒がしくなりそうね」とルミナが笑う。
そこへグレゴールが地下室からゆっくりと現れ、微笑みながら言った。
「新年から騒がしいことだ。さて、私がちょっと手を加えてみるかな」
グレゴールは手慣れた様子で魔法を調整し、ランプはようやく穏やかな七色の輝きを放つようになった。
「新年の始まりがこれじゃ、今年も先が思いやられるな」とグレゴールが穏やかに言うと、家族はまた笑いに包まれた。
その時、スノーがふわりと飛んできてランプの上にとまる。
「騒がしいが、ま、悪くない一年になるだろう」




