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3月13日:善良ゴブリンの日

「ねえ、今日は善良ゴブリンの日なんだって!」レオンが朝食の席で元気よく叫んだ。


「善良ゴブリンの日? 何それ?」フィオナがパンをかじりながら眉をひそめる。


「旅人を助けた親切なゴブリンの伝説が元になった日だよ。今日は種族や見た目に関係なく善行を称える日なんだ」とアストルが穏やかに説明する。


「じゃあ、僕も何かいいことしなきゃ!」レオンは張り切って飛び跳ねる。


「いい心がけだね。でも、ほどほどに頼むよ」とルミナが優しく微笑んだ。


しばらくして、庭からクリスの声が聞こえた。「見て見て! お庭にゴブリンさんがいるよ!」


家族が急いで庭に出てみると、小さなゴブリンが倒れていた。


「あれ、本物のゴブリンだ!」レオンが驚いて叫ぶ。


「ちょっと怪我してるみたいだわ」とルミナが近づき、回復魔法を唱え始めた。温かい光がゴブリンを包む。


「ありがとう……痛みが引いたよ」とゴブリンが弱々しく笑った。「僕、森で迷子になっちゃって……」


「森? もしかして幻獣保護区から迷い込んだのか?」アストルが聞く。


「うん、幻獣と遊んでて……道に迷っちゃったんだ」ゴブリンは申し訳なさそうに肩を落とした。


「仕方ないわね。戻れるまでうちで休んでいって」ルミナが優しく微笑む。


家に迎えられたゴブリンは次第に元気を取り戻し、家族と一緒に楽しく過ごした。フィオナはゴブリンに魔法のポーション作りを教え、レオンは剣術を見せて大はしゃぎだ。


アストルはゴブリンと一緒に工房で壊れた箒を修理しながら昔話を語り、ルミナは庭から薬草を摘んできて美味しいハーブティーを淹れていた。


夜になり、ゴブリンが森へ戻る準備を始めた。


「みんな本当にありがとう。ゴブリンなのに優しくしてくれて……」と彼は嬉しそうに言った。


「種族なんて関係ないさ。善良な心が一番大事だ」とアストルが力強く言った。


「またいつでも遊びにおいでね!」クリスが明るく言うと、ゴブリンの顔がぱっと明るくなった。


家族が手を振る中、ゴブリンはゆっくりと森へと消えていった。その背中はどことなく寂しそうでありながら、どこか誇らしげだった。


部屋に戻り、家族は温かい気持ちでお茶を飲みながら語り合った。


「あのゴブリンさん、本当にいい子だったね!」クリスが嬉しそうに言った。


「みんなが今日したことも、きっとゴブリンたちの間で語り継がれるんじゃないかな?」フィオナが微笑んだ。


スノーがアストルの肩にとまり、呟いた。「まあ、あんたたち家族はゴブリンに負けないくらいお人好しだけどね……。でもまあ、そういうの嫌いじゃないけどね」

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