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1月24日:魔力が下がり気味?の日

「ねえ、なんか今日、魔力が全然湧いてこない気がしない?」

朝食のテーブルで、フィオナがパンをちぎりながらぼやく。


「うーん、確かに。いつもならこのトースト、パッと温められるのに、今日は焦げそうになっただけだよ!」

レオンが自分の焦げたパンを指差して苦笑いする。


「魔力が下がり気味…か。もしかして、今日は『魔力低下日』かもしれないね。」

アストルがコーヒーカップを片手にのんびり言う。


「魔力低下日?」

フィオナとレオンが声をそろえて聞き返す。


「そう、たまにこういう日があるんだよ。理由は不明だけど、魔力がちょっとだけ弱くなる日。昔、冒険してたときにもそんな日があってね、魔法を使おうとしたら失敗して泥だらけになったことがあったなあ。」


「それ、普通にドジしただけなんじゃない?」

ルミナが笑いをこらえながら突っ込む。


「いやいや、本当に魔力低下日だったんだって!今日は無理しないほうがいいぞ。特にフィオナ、また怪しげなポーションとか作らないようにね。」


「ちょっと、私を子ども扱いしないでよ!大丈夫、失敗なんてしないから。」

フィオナはぷんぷんしながら立ち上がる。


しばらくして、庭の方から大きな音が響いた。


「ドガーン!」


「…フィオナ、何やったの?」

ルミナが外を覗くと、フィオナが薬草ガーデンの中央で真っ黒になって立っている。


「『成功率アップのエッセンス』を試しただけなんだけど…ちょっと威力が増えすぎたみたい。」


「それ、『成功率』じゃなくて『爆発率』がアップしてるんじゃないの?」

アストルが苦笑いしながらフィオナを見下ろす。


「こんな日だからこそ慎重にしないといけないって言ったのにね。」


「わ、わかってるよ!次は絶対に失敗しないから!」


「次もやるのかよ!」

レオンが突っ込みを入れると、フィオナはさらに怒った顔をした。


その夜、グレゴールが地下室から上がってきた。


「どうやら『魔力低下日』の原因がわかったぞ。」


「え、本当に?」

一家全員が興味津々で集まる。


「単に、スノーが昨日の夜、家中の魔力が通る結界に悪戯をしただけだったみたいだ。」


「お、おれじゃない!」

スノーが目を逸らしながら必死に言い訳する。


「いやいや、目撃証言もあるし、羽毛も落ちてたんだが。」


「スノー、どうしてそんなことを?」

ルミナが問い詰めると、スノーはふてくされた声で言った。


「たまには、みんな自分で頑張れってことだ…な。」


「結局、悪戯かー!」

みんなが笑い出すと、スノーは「チッ」と舌打ちして窓の外に飛び去った。


最後の一言が窓の向こうから聞こえた。

「ま、俺がいないと、どっちみち何もできないだろうけどな!」

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