魔法学園へようこそ①
「あっ!早く学校に行きなさい!遅れるわよ。」
母親が思い出したかのように言った。
「えーっと、場所はっと。グルーヴ!〈探知〉」
頭に場所を描いてくれたがそれは上空を指した。
「えっ、上?もしかして、あの城みたいなやつか?」
「行ってみれば分かるか。さて、移動はっと、ラドン!〈転移〉」
「着いたみたいだな。」
取り巻きを従えた妙に偉そうな男が話しかけてきた。
「サクト、落ちこぼれが時間ギリギリとは大したものだな」
「落ちこぼれ?まさか、俺のことか?」
取り巻きの1人が笑いながら話す。
「フフッ、自分が落ちこぼれだということも自覚がないとは。」
偉そうな男が話す。
「やめてやれ。それが分からないから落ちこぼれなのだろうよ」
「おい!聞いていれば落ちこぼれ、落ちこぼれと偉そうに。そこまで言うお前はどれほどの男なんだ!」
取り巻きの男が声を荒げる。
「貴様、誰にその様なことを言っているのか分かっているのか!ここに居られるゲダル様はこの魔法学園ラインツヴェルンにおいて3本の指に入っており、ゆくゆくはこの国を支える魔法使いになる御方だぞ!」
「なるほど、では1番ではないわけだ。」
ゲダルは今にも殴りかかってきそうな様子で話す。
「おい。サクト、何が言いたい。」
「いや、1番でないなら越えるのは簡単だと思っただけだ。なぜなら、そこが天井だと決まっていないからだ。1番ならそこが限界点かもしれないからな。」
取り巻きが主を愚弄されたからだろうか、前に出ると
「やめろ!落ちこぼれが言うじゃないか。面白い!1ヵ月後に他校の魔法学園との対抗戦代表を決める大会があるそこで正々堂々、貴様が落ちこぼれだと教えてやる!逃げるなよ。」
「お前こそ逃げるなよ」
(この世界にきたばかりの右も左も分からない俺がなんでこんなわけも分からないことをしてしまったんだああああ!)
「まあ、しょうがない!とりあえず、やるだけやるか!」