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盲目  作者: 香豊大
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盲目④

昨日見たスマホの映像を、僕は一日中忘れられなかった。

音無聡里が、茶色い物体に顔をうずめていた。

祖母の通夜だというのに、殆ど上の空で、親から何度か注意された。

その夜、家に帰った僕は、その物体の正体を調べた。

ズームすると、粒状に見えた。ペットを飼ったことのない僕は、正解に辿り着くまで多くの時間を費やしたが、下にあった白いボウルも相まって、何とかそれがペットフードだと理解できた。

高校生の少女が、ペットフードを食べている映像は、異常な光景だった。


約2秒、たったそれだけの短い映像だったが、いじめの証拠としては十分すぎる内容だった。

僕は今後の行動を考えるのに、更に2時間を費やした。

教師に映像を見せる。これが最も妥当なのだろうが、何か違う気がした。

教師が介入し、いじめの事実が公になると、昨今のメディアが黙っている訳がない。

それは被害者にとっても、学校にとっても、避けたいことだろう。

2時間、「教師に報告する」以外の手段を考えた僕は、とある方法を思いついた。

我ながら、何とも頭の悪い方法を思いついてしまったものだ。

それを実行に移す覚悟を決めるのに、僕はまた1時間を使った。

次の日、忌引で学校に来なくていい筈の僕は、朝早く登校し、彼女の靴箱を開けた。

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