作詞・5
今日初めて夢が叶ったよ
星になって土に還った掃き溜めへ 僕の声は聞こえていますか
コンビニの駐車場は『僕以外』が独り占めしていた
朝日が差し込む街の上で 太陽を憎んだのは僕だけ
汗と涙がそんなに美しいなら 諦めないことがそんなに綺麗なら
こんなにも報われない理由を 誰かが教えてくれるのか
今のうちに何でもやれよ 大人になってからの方がずっと長いから
今のうちにやっても同じだよ 死んでからの方がずっと長いから
君がにじり掴んだ砂の上に落ちた血やら汗やら涙やら
どれだけ時間が流れてもそこに花が咲く訳もないだろう
唇噛み締めて泣き叫んで やっと捨てられたあの夢から
未だに目を離せられないのは 多分自分にしか関係ないこと
今日初めて夢が叶ったよ
増え続けて落とし続けた掃き溜めへ 僕の声は聞こえていますか
灰色だらけの視界に色を差すのは いつかなりたかった自分だけ
こんな生活にも慣れたよ 生き長らえた虚しさにも 死に損なった悔しさにも
自分が一人じゃないって気づいたのはいつ頃だっただろう
自分が一人じゃないって思いたくなかったのは何故だろう
満員電車に乗りたくない 子どもの相手をしたくない
何にもないと知りたくない 何より努力がしたくない
自分は大人だと思っていた 周りを見下しているだけで
必死に走って褒められた ただそれだけを忘れずにいれたなら
努力が報われなかった人 何もできずに死んだ人
僅かに指先が触れた人 どれもこれも夢を終えた人
誰かと同じ道を駆けても表彰台に立てるのはただ一人だけ
優しさとか情とかかけられても腹は減り心は擦り減った
ぼろぼろになった宝の地図 他人に託すくらいなら
最後まで儚く生きろよ ぼろぼろになったその手で
プロ野球選手になりたかった 優しい獣医になりたかった 学校の先生になりたかった 頭の良い大学に行きたかった 人並みの幸せが欲しかった たった一人でも友達が欲しかった 息子に夢を託したかった 自分の夢と生きたかった
何があればこんなことにならずに済んだかな
何もしなきゃこんなことにならずに済んだかな
欲しがったり 願ったり 諦めたり 折れたり
全部自分のせいなんだぜ 誰も悪くなんかないんだぜ
努力して夢を叶えても 努力して夢破れても
人にとっては涙を流すための『美談』でしかないんだぜ
まどろみの中で歌を歌って 幻みたいな君の笑顔
いつかこの目で見てたなら ってもうそんなこと言っても遅いか
才能が足りない 努力が足りない 時間が足りない もう聞き飽きた
奇跡みたいに出会ったたった一つ僕が輝ける場所
そんなもんを望んだ覚えはねえよ
僕が見放された理由さえ世界はきっと話しちゃくれない
きっと世の中そんな奴だらけ 僕だけが僻む理由さえない
積み重ねたあの頃の涙が未だに僕の名前を呼んでいる
だから 今までの全部が報われるくらい 君に会えたことだけが僕の世界
今日初めて夢が叶ったよ
割れる拍手も響く歓声も 僕には全然聞こえないな
それで良いよな
『夢』




