作詞・30
あの雷を昇って 曇りのない世界へ
あなただけでも連れてって 好きなものも好きなだけ連れ立って
そしたらいつか許してね
数多の死人が口揃え お空でみんなが待ってるの
手ぶらで行けるその場所で 終わらない死後を過ごすの
生き切れなかった人たちも 稼ぎ過ぎた人たちも
ばらばらになった人たちも 出迎えてはくれないけど
通り雨が急かした 白線の綱渡り ランドセルに擦り傷 転ばないようにね
花のない野原で踊ろう 足の落ちるまま蹴り散らそう
陽射しも降らず 春風も吹かず 生きる肌だけが揺蕩うの
火に焚べられた柿の枝葉 こんなはずじゃなかったろう
心を温う 灯火も暗く 生きるだけでは足りないの
明日は今日も来なかった それでもみんなは待ってるの
荷物も持てない空には 好きな曲や映画はないらしい
楽しみにしていたのにな 約束だってしたのにな
自分なりに頑張ったのにな 期待に応えたかったな
遠い夢が枯らした 廃線を後戻り 焦る夜の騒めき 今も忘れないよ
嵐の朝に船を出そう 高波の夜に帆を張ろう
漂うままに 流されるままに それがどうしていけないの
世界を繋いだ架け橋が 世界を陰りに近づけた
皮肉じゃないよ 嫌味じゃないよ ただね 少しだけ疲れたの
あの雷を昇って 曇りのない世界へ
あなたは行こうとしなくて 生意気な笑顔を浮かべて
他には何も要らないって
花のない野原で踊ろう 気が向いたら種を蒔こう
欲張ったこと 会いたかったこと 綺麗じゃなくても良かったの
きっと死ぬまで続けるよ あなたに込めた弓の声
許してね どうか信じてね それだけで嬉しかったの
あなたのおかげで笑えたの
『魔法』




