作詞・28
覚めたら終わったあの子のふてくされた顔
覚めても消えない甘く酸いた好いた思い
靄みたいに映る鮮明な愛しい人の頬
霧散して透ける抱えた手に伝う重み
すぐに忘れる夢のように ふわりと空に溶ければ
良かったのにな 要らなかったのにさ なんて手遅れだけどさ
思い出が大事なわけじゃないけど 空っぽはどうにも嫌いで
手に入れてしまったのなら せめて手放さないように
覚えていたいとも違うけど 忘れてしまうのが怖いから
眠る度に霞んでいく弱い夢に悩みたくなんてないから
古い文字に首を傾げてきっと書いた君は残念だろう
忘れないように書き留めた鉛はすぐに見失ってしまった
思い出せるように書き残した紙は誰の記憶にも届かなくなった
そんな未来が簡単に瞼閉じればまざまざと見えた
適当に指差した日付 何をしたかなんて覚えてないよ
そんなことなら 要らなかったのにさ そんな日ばかりだけどさ
あの子に渡しそびれたよ 欲しいとは言われなかったけど
お返しはできれば欲しいよ 恥と涙以外なら何でも
泣いて助けを求めて呼んだ声には選ばれなかった
置いてけぼりの手を引いた あいつじゃなくてごめんな
すぐに忘れる夢のように ふわりと空に溶ければ
消えたあの子が 涙の背中を押すから やっぱどっちでも良いや
気付けば持たされた喜びは 気付けば盗まれていたよ
世界の仕業と嘆くほど 綺麗に生きていないようで
あの子が埋めていた余白に 命を掴まれたと感じたよ
君と出会った喪失は いつか忘れた時に忘れられるように
『備忘』




